後輩:「せーん、ぱい!!」 先輩:「うわっ!ビックリしたなぁ」 先輩:「なんだ、お前かよ…朝から心臓に悪い」 後輩:「えーいいじゃないですかー私と先輩の仲でしょ?」 先輩:「いやいや、仲良くなった覚えなんてないぞ」 後輩:「えーひどい、わ…私、先輩のこと大好きなのに……」 先輩:「え、あ、いや、別に嫌いなんていってないだろ…」 後輩:「え?じゃあ好きってことですかぁ?」 先輩:「なっ…嘘泣きかよ、もういい着いてくるな」 後輩:「えー怒らないでくださいよー先輩
新人:失礼します 隊長:ん?誰だ?お前は? 新人:今日から配属になりました、不知火と申します 隊長:あーお前が新人の…隊長の相楽 (さがら) だ 新人:相楽隊長、本日よりよろしくお願いします 隊長:なんだ?その手は? 新人:握手ですが… 隊長:握手? 隊長:私は馴れ合いは嫌いだ、認められたいなら力を示せ、それ以外に私は興味は無い 隊長:それにここは弱肉強食の世界だ、少しでも気を抜いてると喰われるぞ 新人:いえ、気など抜いていません 隊長:今日入った新人が
助手:「先生、朝だからってだらけ過ぎなんじゃないですか?」 探偵:「いいんだよ、たまには」 助手:「たまにはっていつもじゃないですかー」 探偵:「ふぁあ…今日はいい天気だなぁ」 助手:「まったく、もうすぐ依頼人の方がくるんですからシャキッとして…」 探偵:「もう来るぞ」 助手:「え?なんでわかるんですか?」 探偵:「匂いだよ、私には分かるんだ、ほら 助手:「あ、エレベーターの音…ほんとに来た」 探偵:「ふふっ…今回はわりと楽しめそうかもな」 探偵:「紅茶の
翠蓮:「そこの奴止まりな」 朱羅:「誰の許可で入ってきている」 翠蓮:「ここを天魔城と知っての狼藉(ろうぜき)か?」 朱羅:「ほほぅ、私たちを見て逃げ出さないとは」 翠蓮:「腕に相当自信があるのか…」 朱羅:「それともただの阿呆(あほう)か…」 翠蓮:「まぁ…剣を交えれば直ぐにわかるだろう」 朱羅:「私達は天魔十二衆(てんまじゅうにしゅう)朱羅(しゅら)と」 翠蓮:「翠蓮(すいれん)だ」 朱羅:「冥土の土産に覚えていけ」 翠蓮:「さぁ…参るぞ」
はい、私、幽霊なんです。 っていっても今さっきそこで死んだばかりなんで自分で幽霊というのも違和感があるのですが え?あー、交通事故ですよ あそこの交差点です 救急車とかパトカーとか凄かったでしょ? すみませんねお騒がせして っていっても私のせいじゃありませんけど トラックがいきなり歩道に突っ込んできたんですよ 私に向かってですよ?どんだけの確率ですか?ワンチャン誰かが殺し屋を私に差し向けたのかと思いました でもそのトラックも宅配の車で長時間労働の居眠り運転だったらしい
太陽が海へ落ちると 待っていたかのように星達が輝き始めた その輝きは長い旅路を表すかのように 私に語りかける 星空が水面に映り、まるで宇宙の中にいるような錯覚になる 仕事に行き詰まり行先もなく車を走らせたがやはりここにたどり着いた 車のボンネットに座りながら上を見上げる この宇宙からしたら私の悩みなんてこの砂粒一つにも満たないだろう そんなことを考えているとこんがらがっていた頭がスッとしてきた 明日なんて、未来なんて、来なければいいと思っていた しかし、まだ道
さぁ、今年もやって参りましたネバネバ日本一決定戦 夏の青空の下、今回もここ国立競技場よりお送りいたします 今回は大会10連覇を果たした納豆選手を解説に迎えお伝えして行きたいと思います 納豆選手どうぞよろしくお願い致します さて、早速ですが出場する選手をご紹介いたしましょう まず1コース 海外の血をひくスプリンター!ネバネバ界のボルト!モロヘイヤ選手です!今年も連覇となるのでしょうか そして2コース 昨年、そのシャープな甘いマスクで人気が急上昇!ネバネバ界の貴公子オクラ
僕は猫だ。 名前は…いくつかある。 僕が猫だってわかるのは前のご主人様が教えてくれたからだ。 僕の前に鏡を置いて「これがお前だよ」と─── はじめはびっくりしたけど慣れてきたら面白くなってきた。 僕の眉間は黒い毛で三日月のカタチがあるとか背中は縞々だとか あ、三日月という意味も教えてもらった。 とにかく自分を見て知っていくのが楽しくなったんだ。 それからいろんなものを知りたいと思った。 僕はこの部屋しか知らない。 この部屋でも知らないものはいっぱいある。 でも
「これが入ったら付き合ってくれないかな」 唐突に口からでた言葉に俺自身が驚いていた もちろん彼女も 小学校からの幼なじみ 家が隣でいつも一緒にいた ドラマみたいなシチュエーションだなと友達は言うけどこれはこれで困ることもある 相手のことを知りすぎているからだ 小学校低学年までは一緒に風呂に入っていたし、お互いの家族のこともよく知っている 顔見れば「あ、今怒ってるな」とかLINEでさえ文章で何かあったなとわかる時もある 好きだってわかったのは 中学の最後の試合の
「我はラスボスだ」 ん?いきなりなんだって? しょうがないだろう本当のことなんだから。 バリュセルン大陸の北東、ナグル山脈の奥地に私の城はある。 ナグル山脈の麓は悪魔の森と言われ 常人には入って来れない。 魔法を使えたとしても上級魔導師以上じゃなきゃ歩くこともままならん。 もし悪魔の森を抜けたとしても次はS級ダンジョンが待っている。 そして、大半はそこで死ぬ。 何が言いたいかって? 「我は暇だ、暇なんだ」 我の城、この部屋までたどり着いたものはここ数百年で一人し
おー、お疲れー 何飲む?ビール? すいませーん!生ひとつくださーい。 しかし久しぶりだなぁ まあ、うちらが会うことなんて珍しいからなぁ ん?話したいことがある? なんだよ。 彼女ができた!? おー!よかったじゃん! なになに? いつ付き合ったの? 半年前? そっかー お前にも春が来たかー。 写真ないの? ある? いいじゃん!見せろよー! どれどれ? え? …これって…… まじ? 俺の妹だけど… なんとまぁ、世間は狭いこと… …お兄さん、じゃねぇw って
西暦2350年 この日が世界を変革させる日となった あの地球大断裂から200年 真っ二つになった地球は北と南で大きく変わってしまった。 ノースアースは平均気温-50℃という極寒の世界ながら科学を発展させ、人間が平常体温を維持できる薬を開発し1年に1度それを飲むだけで日常生活ができるようになった サウスアースは逆に灼熱の世界で3分の2の人口が当時死滅したがわずかの人間がその世界に順応し生き残った… そして人間という概念を超えた... キクチ・カズマはノースアース新生党
これからするお話は とある姫様のお話であります ある時から 姫様は急に目が見えなくなってしまいました そこに現れたのが なんとも透き通るような 艶(つや)のある声の持ち主 その名を朔太郎(さくたろう) 城下で聞いた声に姫様は恋に落ちてしまいます しかし 顔が見たいと思っても見れない そんなもどかしさに姫様は心を痛めてしまい 食事もろくにとれなくなってしまいました ある時 姫様に料理番がお粥を運んできました すると「失礼します」の声に姫様は驚きます そう その料理番
星が落ちてくる そんなの予感がした 空をみると夕日と夜空が混ざっていた 今光っている星はその場所ではもう存在しない そんな不思議と儚(はかな)さに 苛(さいな)まれながら自分の人生を 遡(さかのぼ)った 夕日が沈むと 待っていたかのように 星が降ってきた そう それは言葉のとおり 何百、何千という星達が降ってきた その光景はなんとも言い難い 壮大な夜空だった 一万年に一度 地球に近づく流星群 この星達はどこへ行くのだろう その旅路は果てしなく この宇宙(そら)に
東京のとある路地の奥に ポツンと黒いポストが立っています そんな場所で誰が使うんだ と思いましたか? そう、人間は使いませんし そもそも見えません このポストは冥界ポスト 人ならざるものが使うポストです ほら 誰が近づいて来ました 下駄の音を響かせて 黒いの翼を広げていますね さてさて どなた宛のお手紙でしょうか? 今宵のお話は 「烏天狗の恋文」 ゆっくりとお話を 紐解いていきましょう
貴方が空に還ったあの日 虹を見ました それは綺麗な虹でした 雨上がりの空にキラキラと輝き 私を励ましてくれているようでした 貴方がいない家は静かで まるで時が止まってしまったようでした 私は縁側に座り もう一度空を見ました 夕日が空を染めていました 桜を見上げた春 花火に思いを馳せた夏 落ち葉を踏みしめた秋 肩を寄せ合った冬 一緒に過ごしてきた日々を 振り返ると何気ない時間でしたが 貴方の傍にいれることが幸せでした とても幸せでした 貴方が空に還ったあの日