シーシャ機材レビュー① 〜Egg Shishaオリジナルボウル『盃』〜
※シーシャはたばこの一種です。喫煙は20歳から。
皆様いかがお過ごしでしょうか。チルしてますか?
今回はEgg Shishaさんが手掛ける日本製シーシャボウル『盃』を購入しましたので、レビューしていきたいと思います。
結論としましては素直におすすめできるボウルに仕上がっていると思います。特に、フレーバーを節約しつつ濃厚な煙を出したい方、ダークリーフを安定して手軽に吸いたい方におすすめの機材となっています。
自己紹介
六本木にあるシーシャバー、B-Side Shisha Bar店主のSoheiです。「シーシャは誰でも美味しく作れる」をモットーに、シンプルで再現性の高いシーシャのレシピを日々模索しています。
欧米のシーシャ文化に基づいたシーシャの作り方や機材・フレーバーのレビュー、シーシャに関する豆知識なんかを発信していくのでよろしければフォローをお願いします。
『盃』ボウルのスペック
コンセプトやこだわりに関しては公式Webサイトに記載されているのでここでは割愛します。
素材
現在の東濃で採れる磁器土。磁器は陶器と比べ、熱伝導性が良く温度変化にも強いという特徴があります。
色
色は2022年11月現在5色展開。カラーによって最適な温度帯で焼成されています。
色によってボウルの質感が異なる点も特徴です。朱、白土は釉薬によりツルツルとした質感。黒燻、黒霧は泥で色を付けて焼き締めしたもので、素焼きのような質感。縹はその中間の質感となっています。
磁器のためシロップの浸透性はほぼありません。また色による使用感の変化はほぼないそうです。今回は黒霧を購入しました。
サイズ
直径7.5cm、高さ10cm、重さ250g
Kaloud LotusやNa Grani HMDなどのヒートマネジメントがジャストフィットする大きさです。
容量
12g~20g
製法
上部と下部で別々の型を作り、後から結合するという製法。
Oblakoなどの安価なボウルは左右で型を作り結合するため若干のガタつきが生じますが、こちらはHMDが非常に安定し、密閉性が高いです。
またこの製法によりくびれの部分で熱をとどめ、上部のみで保温されるような設計となっているようです。
Density Levelの計測
公式には容量は12g~20gとありますが、あえて計測してみましょう。
測り方については以下の記事をご参照ください。今回はAl Fakher Two Applesを用いますが、用いるフレーバーによって結果が異なる場合があります。
計測結果
・Cement Pack 22g
・Dense Pack 19.8g
・Semi-Dense Pack 17.4g
・Normal Pack 14.9g
・Semi-Fluff Pack 12.4g
・Fluff Pack 9.9g
概ね公称値通りになったかなと思います。Fluff Packに適したフレーバーは現状ほとんどないので、フレーバーを盛る高さも考慮すればブロンドリーフであれば12~15g、ダークリーフであれば16~20g程度で作るのがいいでしょう。
キャパシティはOlla Ade Bowlより約20%大きく、80feet Bowlより約10%小さいといったところです。
『盃』ボウルを使用した感想
熱伝導性
素材ゆえ熱伝導性は高いものの、厚手であるためプレヒートにかかる時間は標準的です。フレーバーの詰め方にもよりますが、僕のようなしっかりフレーバーを詰める作り方だとKaloud Lotusで5分、Na Grani HMDで10分といったところでした。公式ではプレヒート不要を謳っていますが、そこまでではないかなという印象です。
しかし、後述する作り方でプレヒートなしでシーシャを吸うことも可能です。
保温力
磁器ということでオーバーヒートしないか不安ではありましたが、割と乱暴な炭の乗せ方をしても温度が上がりすぎることはありませんでした。保温力は非常に優秀です。程よい温度をキープしてくれます。
耐久性
ここに関しては使い始めて間もないので分かりかねますが、磁器ゆえ温度変化には非常に強いことが予測されます。洗う際に水で急激に冷やしても問題ないそうです。
Oblakoなどの安価な陶器ボウルはヘビーユースしているとひび割れが生じます。その点このボウルは、レビュー用に酷使しているところですが現状無傷です。
中央の穴の高さ
個人的にかなり重要視するポイントです。中央の穴が低いファンネルボウルは熱風の逃げ道が多く、一酸化炭素の多い煙になりやすいです。その点このボウルはHMD運用に特化して中央の穴は高めに設定されているため、質の良い煙を出しやすい。アルミホイルを張らずにシーシャを作ることをおすすめします。
煙の質について、詳しくは以前の記事をご参照ください。
底が浅い
ここはメリットともデメリットとも取れる点です。
メリットとしては、フレーバーのロスが少ないこと、少量のフレーバーで濃い煙を出せることにあります。
反対にデメリットとして、レイヤーでのミックスに弱いこと、喫煙時間が短いことなどが挙げられます。
僕の作り方でブロンドリーフを吸うと味の持ちは30分から1時間程度です。一応断りを入れておくと、僕は味がなくなったら煙が出る状態でも喫煙を終了するため、他の方と比べて喫煙時間はかなり短めです。この容量のボウルとしては味の持続時間は一般的だと思います。
個人的には底の浅さおよび容量の小ささを生かしてTangiersをDense Packする際に使うことが多いです。Dense Pack向きの低キャパシティのボウルは直径も小さくなってしまうことが多いですが、その点低キャパシティながらHMDで運用できるこのボウルは貴重な存在であると言えます。
『盃』ボウルでおすすめの作り方
店舗での提供向き
ターゲット: 12gでオペレーションを組んでいる店舗
必要フレーバー: 12~14g
HMD: Kaloud Lotus、Na Grani HMD等なんでも
作り方:
①フレーバーに応じて適量をボウルに入れる。
②爪楊枝でフレーバーをすり切りまで優しく均す。
③HMDをセットし、25mmまたは26mmのキューブ炭を3つセットする。
④香りがしてきたら完成。
店舗だけではなく、優しい煙で長時間シーシャを楽しみたい人にもおすすめの作り方です。HMDに関係なく、味の持ちは1時間程度、煙の持ちは2時間程度。保温力ゆえオーバーヒートしにくいので、特にKaloud Lotusの場合炭の調整は必要ありません。
スピード提供を目指す場合、Na Grani HMDを予熱することでHMDを乗せたらすぐに吸える状態になります。フレーバーの盛り方は変えず、次の作り方をご参照ください。
濃さ重視ショートセッション向き
ターゲット: 短時間で濃い煙を吸いたい人
必要フレーバー: 14~16g
HMD: Na Grani HMD等ステンレス製HMD
作り方:
①フレーバーに応じて適量をボウルに入れる。
②爪楊枝でフレーバーをボウルから1mm程度溢れる程度にまで均す。
③HMDを電源の入ったコンロに置き、焼けた25mmまたは26mmのキューブ炭を3つセットし、90秒ほど放置する。
④HMDをボウルに乗せたら完成。
個人的に気に入っている作り方です。分かる人には分かるMoshaik Thunderでの作り方。オーバーヒートしがちなので、しっかり吸える上級者向き。味の持ちは30分から45分程度、煙の持ちは気にしたら負け。他のボウルでも出来なくはないですが、壊れにくいのと保温力ゆえオーバーヒートしにくいため『盃』ボウルのメリットを享受することができます。
炭替えは不要です。炭が小さくなったら全ての炭をHMDに収めて吸い切りましょう。
Tangiers向き
ターゲット: Tangiers Lover
必要フレーバー: 16~18g
HMD: Kaloud Lotus、Na Grani HMD等なんでも
作り方:
①フレーバーに応じて適量をボウルに入れる。
②指ですり切りまで優しく抑える(潰しすぎないよう注意)。
③HMDをセットし、25mmまたは26mmのキューブ炭を3つセットする。
④香りがしてきたら完成。
正直Olla Ade Bowl + Provostで作るより味は若干劣りますが、HMDで手軽に作れる点とオーバーヒートしにくい点は優秀。味の持ちは80分程度、煙の持ちは2.5時間程度。
先程Dense Packの適量は19.8gと述べましたが、入れすぎるとフレーバーの熱膨張によりHMDのエアフローを塞いでしまうので多くとも18g程度が扱いやすい印象です。
アルミホイルで作る場合は穴をあける際にボウルの底までポーカーを刺してほぐす工程がありますが、今回はそれをしないのでフレーバーの潰し過ぎには注意してください。指の重さだけで優しく均すのがポイントです。
『盃』ボウルはどんな人におすすめか
オペレーションに迷っている店舗や作り方が分からないシーシャビギナー、サクッと濃い煙を吸いたい上級者、ダークリーフ好きなど、幅広い層におすすめできます。
特に店舗に関しては、下手に80feet + Turkishで作るよりはるかに煙の質と味の濃さが改善され、炭替えの手間も大幅に減ります。現在提供しているシーシャに自信が持てない場合は『盃』ボウル + Kaloud Lotusのセッティングへの乗り換えを強くおすすめします。どうしても12gでシーシャを作りたいのならこれを買っておけば間違いないです。
反対に濃厚な煙を長時間キープしたい人、レイヤーでのミックスで味変化を楽しみたい人などは違うボウルを使ったほうがよいでしょう。
個人的には濃厚な煙を長時間提供したいため、店舗への導入は見送ることにしました。テイスティング用のボウルとして活用しています。
最後に
いかがでしたか?