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#夜からの手紙 『吉報をお待ち申し上げます』#毎週ショートショートnote 

拝復 ありがとうございます。
 朝、受取る『夜からの手紙』ほど辛いものはありません。。軽蔑を覚悟で書きます。「ガザでは1年間で4.1万人超死亡」私はお題のために410字前後をうろつく。比較にならないニヒル。貴殿は現実を認める。崩壊の叫び、被害の数字。子どもの死者11000人、教育の破壊625000人、住宅の被害60%以上、域内GDPマイナス81%、食料不安は人口210万人・危機的それ以上96%、壊滅的レベル50万人。「僕たちが死んでいくのを世界は見ているだけ」「悲しみ、憤り、心に穴」
 お手紙では筆圧が徐々に強まり、漆黒の闇にひび割れが生じているのでしょうか。昨夜はお月さまが「ごきげんよう」とご挨拶しても、暗い顔をなさっていました。
 役立たずの私の近況をお伝えします。パーキンソン病発症十年、身体は震え、筋肉は固縮、直立ままならず、排泄不調。けれど大規模言語モデルに負けてなるか、と400字詰め原稿用紙のマス目を埋め、数えて、何とか生きています。
僭越ながら、夜将軍様。昼将軍様や朝、夕の大将様とも議論を戦わせてくださいませ。

 吉報をお待ち申し上げております。
                                敬具





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