Guardian~心の世界~

「楽しめ!楽しめ!思うままに、ありのままに。」

小さなドラゴンは空を飛び回り嬉しそうに笑う。

「一体どう言うことなの?」

「そのうち分かる。」

そこから家に帰るまで、ずっと飛び回っていた。

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そのドラゴンは不思議で見える時と見えない時がある。
小さな体なのに言うことは上から目線だし、乱暴にも聞こえるし無責任な感じもする。
だけど、その声は心地よく、優しく響く声だった。
少し高めの子供のような無邪気で怖がらない、まっすぐで、少し強い。

荒っぽさの中に私への深い思いやりを感じた。

私が悩んでると目の前に現れこう言う。

「楽しめ楽しめ。楽しいと思う事をしろ。」

反抗すると怒られる。叱られる。

私にはそれが酷く嬉しかった。

「お前は我慢し過ぎなんだ、お前が楽しまなければ。」

例えば好きなことをしたとき、楽しいことを選んだときドラゴンはよく誉めてくれた。

「よし、よし、よくやった。」

迷うたび横入りするように、選ぶものが見つけるものが楽しいかどうかで判断しろ。と毎回言ってくる。

ある日ドラゴンは私に問いかけてきた。

「いつも悩んでるようだが、逆に楽しくないことを選ぶメリットって何なんだ?」

分からないので教えてほしいと言うように。
首をかしげる。

「それは…他の何かが誰かが助かるとかあるじゃん?」

「それは本当に助かってるのか?君が楽しんでないことを知れば相手はどう思うと思う?君ならどうだ?」

「…それは…嫌だけど。」

「だったらなぜ自分はそれをする?」

「うっ…」

その通りである、我慢し過ぎて望むことが難しくなった時ドラゴンはそういい放った。
正論である。私は言い返せず黙っていると…

「だから楽しめって言ってるだろう?そうした方がいい。」

「それはそうなんだけど…ただ楽しむのは難しい。」

「なら一緒に楽しめばいい。誰かと自分を同時に楽しませることだって出来るだろう?出来ないと思うのか?」

「難しい時もある。」

「本当に?難しいか?」

「例えば同じものを食べたくて1つしかない時とか、行きたいところが違う時とか、欲しいものが1個しかなかったときとか。」

「遠慮するということか?それって何かに縛られてるだけで選んでないのに想像しているだけではないのか?」

「確かに、言ってみたことはない。」

「なら相手は困るってなぜ分かる?」

「うっ…」

「楽しめば楽しんだだけ、相手にそれを分け与えられるとは思わないのか?」

「うっ…」

正論だ…ただ、言い訳をして自分で自分を締めつけてるだけだった。

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