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日本シリーズ観戦記 スワローズ投手陣 対 DH制有無関係なし猛牛打線

対戦成績を一勝一敗として迎えた2021年日本シリーズ第3戦は、舞台を東京に移し、ホームスワローズの本拠地・神宮球場ではなく、東京ドームをお借りして行われた。

高校生・大学生が出場する「明治神宮野球大会」が開催中で神宮球場は使用できないことから、同じく東京に本拠地を構えるジャイアンツと、㈱東京ドームさんなどのご協力を得られることとなったのだ。有り難いことだ。

神宮球場は屋外球場で寒く、この時期にプレーするには選手の怪我も心配だったので、スワローズ主催試合に協力して下さった多くの皆様にスワローズファンとして感謝しています。ありがとうございます。


チケット争奪戦には参戦していたが取ることができなかった。細かく言うと、ビジター側なら取ることができたのだが、昔、神宮球場でのカープ戦でレフトスタンドに席を取り、気まずい思いをしたことがあるのでそれは止めておいた。

得点シーンでも、失点シーンでもリアクションできないのが物足りないというのもあるが、何より一所懸命応援しているカープファンの中で一人違うことを思っているのは申し訳なかった。僕が取らなければ、カープファンの方が席を取れたかもしれないし。

あとね、やっぱり怖かった…。僕は終始お地蔵さん状態で固まっていたのだが、もしうっかり感情を出してしまったらどうなったか…。ビジター席に座ることは禁止されているわけではなく、マナーやルールを守れば大丈夫だが、あくまで個人的な考えだが、あまりお勧めはしない。事情を知らないカープファンの方々とハイタッチをしたことは、忘れられない良い思い出だが…。


ということで、自宅でのぼっち観戦。今日はテレビ朝日だ。解説は古田敦也さん、前田智徳さん、ゲスト解説は松坂大輔さんという豪華な顔ぶれだった。試合は予定通り、18時にプレイボールとなった。

スワローズ先発は小川泰弘投手。プロ通算9年目、31歳、右投げのピッチャーだ。今シーズンは惜しくも一勝足らず二桁勝利とはならなかったが、投球回はスワローズでは一番多い128.1回を投げた。チーム2番目は奥川恭伸投手で105回だ。連日若手の好投が紙面を賑わしているが、5月15日のドラゴンズ戦で100球未満での完封勝利"マダックス"を達成するなど投手陣を引っ張ってきた。チームが低迷していて苦しいとき、誰よりも長い回を投げて貢献してきた、その右腕に期待したい。

対するバファローズ先発は田嶋大樹投手。社会人からプロ入り、4年目25歳、左投げのピッチャーだ。シーズン成績は8勝8敗、防御率3.58 初戦先発の山本由伸投手が18勝、第2戦宮城大弥投手が13勝、そして今日先発の田嶋投手が8勝って…、みんな若いし、バファローズはしばらく投手王国だな…。スワローズ打線はサウスポーを得意としているので、打ってくれることを願う。


1回表の小川投手。2015年の日本シリーズを経験しているからか落ち着いているように見えた。もともと制球が良いピッチャーでありフォアボールの心配はそれほどなかったが、球速145kmとストレートと変わらない速いカットボールで三振を取るなど、初回を三者凡退で抑える。

田嶋投手もストレートのキレと伸びが良いように見えた。モヤ選手、福田選手のファインプレーもあり初回を無失点とした。

2回表もバファローズの攻撃が3人で終わると、2回裏、スワローズはデッドボールと相手エラー、2つのミスを貰いチャンスを迎える。

無死1,2塁でバッター中村悠平選手は送りバントを狙うも、2球失敗からの7球目を空振り三振で一死1,2塁となる。

続くオスナ選手が犠牲フライを打ち、さらに西浦直亨選手が四球で二死満塁。

第3戦目からセ・リーグの主催試合となるからDH制はなく、打席に入ったのは小川投手。フルカウントからファウルで粘るも、8球目を見逃し三振でスリーアウト。

スワローズは、チャンスを活かすことができなかった。


3回表、チャンスをものにできなかった後にはやはりピンチが訪れるもの。紅林選手のヒットから、バファローズ伏見選手がバスター、そしてバントの構えと揺さぶりを見せる。4球目をバスターエンドランで内野ゴロを打つと、ショート西浦選手が後逸、エラーをしてしまう。シリーズ3試合目でスワローズは初の失策となる。

ここで迎えるバッターがパ・リーグのピッチャーで普段バッティングをしない田嶋投手だったのだが、しっかり送りバントを決めて一死2,3塁とする。そして続く福田選手に小川投手が痛恨のフォアボールを与えてしまう。

「エラーとフォアボールが絡むと失点に繋がる」とゲスト解説松坂さんが言っていたが、続く好調宗選手(シリーズ9打数3安打)がライト前へタイムリーヒットを放ちバファローズが先制点を挙げる。

小川投手は続く強打者、3,4番の吉田(正)選手、杉本選手を抑えなんとか最小失点でこの回を切り抜ける。

2回裏相手のミスをものにできなかったスワローズ、3回表送りバントをしっかり決め、相手ミスを得点に繋げたバファローズ、はっきり差が現れた両チームの攻防だった。


4回の攻撃はどちらも無得点だったのだが、裏の攻撃でスワローズ・オスナ選手がライトフェンス直撃のツーベースヒットを打つまでスワローズは4回二死までノーヒットだった。これは、少し焦った…。



そして5回裏、青木宣親選手がチーム2本目のヒットを打つと、バファローズ中嶋監督が動く。ここまで被安打2の田嶋投手から比嘉投手に代えてきたのだ。球数が92球と多かったとはいえ早めに継投に入ってきた。

比嘉投手は山田哲人選手のみのワンポイント。四番村上宗隆選手にはバルガス投手をぶつけてきた。第2戦とは打って変わって動きが早い。先発投手の投げ合いは見応えがあったが、これもまた面白い。

バルガス投手は村上選手とサンタナ選手にフォアボールを与え、二死満塁とすると前の打席で送りバントを失敗した中村選手がバッターボックスに立つ。

カウント1ボール1ストライクからの3球目、これを綺麗にセンター前へ弾き返すと2点タイムリーヒットとなる。さらに相手の送球ミスの間にランナーが帰りスコアを「ヤ3―1オ」とする。


点を取った次の回は大事になるのだが、小川投手は粘ることができるのか…。

6回表、先頭吉田(正)選手がツーベースヒットで出塁すると、嫌な雰囲気が画面を通して伝わってくる。迎えるはパ・リーグ本塁打王の四番杉本選手だ。カウント2-2から小川投手が投じた5球目、これを見事に杉本選手がライトスタンドへ叩き込んだ。同点2ランホームランはシリーズ第1号。調子が悪かったわけではないが、ここからホームラン量産とかは本当に勘弁していただきたい…。

 

まだまだ試合は動く。7回表、小川投手に代わったスアレス投手が先頭の伏見選手にフォアボールを与えると、代打若月選手がしっかりと送る。若月選手はキャッチャーで犠打が上手いというのは中村選手と似ている。

さらに、福田選手にこの回2つ目のフォアボールを与えると、スアレス投手は何もできないまま田口麗斗投手に交代となる。昨シーズンまでジャイアンツでプレーしていた田口投手は慣れ親しんだマウンドだったと思うが、またしても恐怖の首位打者吉田(正)選手に打たれてしまい、これが勝ち越しタイムリーツーベースヒットとなる。「ヤ3―4オ」


これでもまだ終わらない。スワローズが1点のリードを許して迎えた7回裏、青木選手がヒットで出塁、ノーアウトのランナーが出る。続く山田選手は場内がどよめく大飛球を打つもライトフライでワンアウト。村上選手は空振り三振でツーアウト。二死1塁で打席にはシリーズ無安打のサンタナ選手。古田さんか前田さんのどちらかが「ここまで出てないと逆に不気味」みたいなことを言っていた。

すると予言的中とばかりにサンタナ選手は、バファローズ4人目、吉田(凌)投手の3球目をスタンドへ運ぶ。サンタナ選手待望の一本目は値千金の逆転2ランホームランとなった。「ヤ5―4オ」


スワローズは四人目石山泰稚投手が回をまたぎ、1.1回を無失点で封じるナイスピッチングだった。8回にセットアッパー清水昇投手が投げなかったのは初戦の球数が多かったからだろうか…?まだ謎のままだ。


9回裏、マウンドに立ったのはサヨナラ負けをした初戦の敗戦投手、マクガフ投手だった。誰よりもクローザーの気持ちが分かるであろう高津臣吾監督はもちろんブレることなく、最終回を彼に託した。

先頭若月選手がバットを折りながらもヒットを打ち、福田選手がしっかり送りバントを決める。バファローズは犠打の数がリーグ最小と聞いていたが、本当なのか…?いつもしっかり送ってくるから、見ていて本当に疲れる…。

二死3塁で吉田(正)選手という痺れる場面を迎えたが、スワローズは3番バッターを申告敬遠して、四番と勝負することを選んだ。二死1,3塁というピンチで、初戦のことが少し頭をよぎったが、マクガフ投手は杉本選手をファーストゴロに打ち取りゲームセット。

5―4 でホームのスワローズが勝利した

勝利投手 石山泰稚 1勝0負0S


 今日のネガティブ・ポジティブまとめ

勝ったけど、ネガティブいきます。

DH制なしで少しは有利に戦えるかと思っていたが、大変な試合だった。

福田選手と安達選手、伏見選手はいつも粘るし四球取るから簡単に打ち取れないし、宗選手と紅林選手が守る三遊間は(古田さんがこんなの日本じゃ見たことないというほど)守備位置が深くて、二人とも強肩だから足が速い山田選手でも内野安打にならないし、若月選手はバント上手いし、モヤ選手と代打の切り札ジョーンズ選手は威圧感半端ないし…。安心できるところがない打線を相手にすると本当に疲れる…。

なんか、バファローズにちょっと詳しくなってるな。来シーズンはパ・リーグもしっかり観ようかな…。

そんな強力打線相手に小川投手はよく粘り、完全復活を思わせる石山投手はさすがのナイスピッチングだった。

小川泰弘投手 6回 97球 被安打5 三振7 四死球1 失点3

石山泰稚投手 1.1回 10球 被安打0 三振1 四死球0 失点0

マクガフ投手にもセーブがついたし、本当に良かった!サンタナ選手もシリーズ初ホームランおめでとう!勝てば疲れも吹き飛ぶ。

ついでと言ったらなんだが、第3戦の恐怖の数字も載せておこう…。

吉田正尚選手(2015年ドラフト1位) 4打数2安打  1打点

杉本裕太郎選手(2015年ドラフト10位) 4打数1安打  1本塁打

吉田(正)選手は、怪我明けで守備に不安があるから出ないかも…という情報もあったのだが…。まさか、ノムさん流の情報戦略か?(笑)



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