【ヤクルトスワローズ】緊急事態で大量離脱 現有戦力でのスタメンを考える
チームが好調だと言うことがないし、考えることも減るし、粗探ししても何も見つからないから平和で穏やかな日々を過ごしていた。
シーズン中とは思えない。
ファンというのはときに面倒くさくて乱暴で、首脳陣にも選手にも文句のつけようがないと少し物足りなさを感じてしまうというのは今シーズンでよくわかった。
優勝を確信したわけではないし、推しのチームが強いことで自惚れているわけでもない。
ただ、常勝を願っていても慣れていない、それだけのこと。
勝負事は強ければいいのか?
いや、それでは済まないこともある。
9日㈯の試合が中止になったことで、久々に考えさせられることとなった。
先発投手とブルペン陣
スワローズはこのような事態で主力が抜けるのは昨シーズン経験済みなのでそれほど心配はしていない。
先発で離脱となったのは高梨投手。
中継ぎは清水・田口投手。
高梨投手は8日㈮のタイガース戦で6回3失点とまずまずのピッチングをしていた。
不在となればもちろん痛いのだが、新戦力スアレス投手が“投げられる”のが分かったので、ローテーションが大きく乱れることはないだろう。
穴を埋めてくれればまさに助っ人となる。
スアレス投手に期待したい。
清水投手は二年連続最優秀中継ぎ投手、ブルペン陣右の柱だ。
田口投手は、6日㈬のジャイアンツ戦で打たれるまで防御率0.00だった。現戦力、唯一の左の中継ぎとしてチームを救ってきた。
2位とのゲーム差が大きいとはいえ、これまで楽な試合なんてほとんどなかった。
接戦をものにしてきたから今の位置がある。
彼ら二人の力なくしてこれほどの首位快走はなかっただろう。
戦力ダウンは否めないが、後半戦で勝つべき試合に勝つために、“ミラクル”とか“レジェンド”とかいうワードを秋に連発させないために、今はゆっくり休んでほしい。
今できる打順を組んでみる
1番 塩見(右)
2番 山崎(左)
3番 中村(右)
4番 村上(左)
5番 オスナ(右)
6番 坂口・宮本(左)
7番 太田(左)・荒木(右)
8番 西浦(右)・武岡(左)
どうだろうか?
僕はジグザグ打線が好きだ。
8日のタイガース戦では青柳投手対策としてズラリと左打者を並べていたが、作戦不発で完封負けを喰らっていた…。
これに関しては誰が悪いわけでもなく、青柳投手がどうかしているだけだ。
どこでもムーチョ
中村選手はあらゆる打順に対応できる。
過去に2番を打ったこともあるし、5・6・7番も経験している。
3番打者といえば山田選手だったが、長打あり小技あり、犠牲フライも打てる中村選手なら問題ないと思う。
ユーティリティー坂口
そして、チームピンチのこのときに大きいのが坂口選手の調子がいいこと。
濱田・丸山二人の若い選手が試合から離れるのは残念だが、両選手とスタメン争いをしていたベテランの存在は偉大だ。
一時、坂口選手をノーチェックだったことを恥ずかしく思う…。
長岡武岡
少しずつだがフォアボールも選べるようになり、安打数なら山田選手を上回り、二塁打はリーグ5位の18本と好調の長岡選手の離脱は正直に言ってショックだ。
「開幕当初は良かったのに暑さや疲れで落ちてきて…」ではなく逆に上り調子だっただけに、長くゲームから離れてしまうと試合勘が抜けてしまいそうで、それが心配でならない。
スワローズクルーのマイページで応援選手に登録している若手一番の推しなので、特に気になってしまう…。
とはいえ、ならばここで武岡選手を見てみたい。
武岡選手は長岡選手と同期入団で2001年生まれの同級生。右投げ左打ちの内野手というのも共通している。
長岡選手 2019年 ドラフト5位
武岡選手 2019年 ドラフト6位
若い彼らがスタメンショートを争うようになったら…と考えるとワクワクしてくる。
そこに元山選手や西浦選手が絡み…、課題とされていた“ショート問題”が急に活気づいてくる。
しばし安泰と思われた長岡選手の離脱によって、さらなる上積みが期待できるようになった。
ピンチがチャンスとはまさにこのこと。
ポジション予想
(捕) 中村
(一) オスナ
(二) 太田・宮本・荒木
(三) 村上
(遊) 武岡・西浦
(左) 山崎
(中) 塩見
(右) 坂口
変わらないのは、ファースト・サード・センター
キャッチャーは内山選手と併用だった中村選手が一人となり、外野は山崎選手がスタートからレフトに入ると予想した。
中村選手は全試合スタメンフル出場できるキャッチャーなので問題ないが、シーズン序盤出場が多かった古賀選手にも出番がくるかもしれない。
山崎選手は外野全てをこなせるのでこれも大丈夫。
“ヤマナガ”な二遊間
守備について、気になるのは二遊間だ。
山田選手はカープ菊池選手にどうしても隠れがちだが守備の名手だ。
長岡選手は開幕当初はエラーも多く、つい最近もあるYou Tubeチャンネルで宮本慎也さんに送球に関して心配されていたが…、これまで山田選手と多くのゲッツーを見せてくれていた。
代わりに守ると思われるのが、セカンドは太田・宮本・荒木選手。
ショートは、武岡選手か西浦選手か…。
一番分からないのがショートだ。
誰が守るか?ハッキリ言って読めない。
荒木・西浦の安定の二遊間
太田・武岡のフレッシュな二遊間
宮本・元山の見たことある二遊間
どんな組み合わせでも、心配というより楽しみであるのだが…。
いわゆる“センターライン”二人が代わることで乱れが生じるとはそれほど思えないが、キャッチャー中村選手・センター塩見選手、ここに動きがないのは大きいだろう。
初の指揮官不在
ここまで僕がスワローズはピンチでも崩れない一枚岩であり“大丈夫”と言ってきたのは、昨シーズン、現状と同様のピンチを乗り越え日本一を手にしたチームを見たという経験があるからだ。
当時主力不在により出場機会を得た山崎選手は、スタメンの青木選手が復帰して再び代走・守備固めにまわっても腐ることなく与えられた仕事を全うした。
彼の存在は長いシーズンを戦い、さらにクライマックス・日本シリーズを制するには不可欠だった。
そして今シーズン、山崎選手は見事にスタメンを勝ち取り走攻守全てで活躍している。
不動の2番と言ってもいいだろう。
中村選手は慣れない打順を任されることがあったが、予想を超える適応能力を見せ解説者やファンを驚かせた。
ただでさえシンドイとされるキャッチャーをやりながら、あらゆる打順に見事にフィットしてみせた。
そして今シーズン、準永久欠番“27”を継承し順風満帆と思われたがコンディション不良で出遅れ、最近のトレンドなのか内山選手と併用という形でマスクをかぶっている。
両選手を使い分けていることは個人的に賛成だ。
だが、内山選手の代打としてゲーム終盤に出場し、それでも中村選手がいつもと変わらぬプレーを見せてくれるのは胸が熱くなるし、なかなかできることではないと思っている。
昨シーズンのピンチを乗り越え更に力をつけた山崎・中村選手がいて、僕が思うこれまでのチームMVP・“二度目の覚醒”を迎えている塩見選手が残ってくれたので、高津監督がいないという初のピンチもきっと乗り越えてくれるだろう。
高津監督のやりたいこと・考え方は十分にチームに浸透していると戦術もよく分からぬファンは勝手に思っている。
ファンを泣かせてはならぬ
今日の試合があるのかないのか、まだ発表はない。
選手ファーストであるべきだ。
選手を危険にさらしてはならない。
でも、
「不戦敗にすべき」「他のチームのときは中止じゃなかった」「相手チームは得るものがない」
不平等だという意見を読むと、一日でも早く試合をしてほしいと思う。
そして、「逆の立場だったら自分も同じことを思うだろう」と考えさせられる。
こういう形で試合中止となるのはプロ野球界では一度や二度ではない。
そろそろ、明確で平等な対策とルールを出さなければならない。
問題をNPBに投げかけて終わらず、自分もファンとして具体策をよく考えてみたい。
スワローズのピンチが転機となってくれることを願う。
遠路はるばる神宮球場まで来たのに中止を告げられ、
「また今度だね」
と前を向き言うお子さんを見たとき、独身未婚のスワローズファンは胸が痛かった。
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