技術士 (電電/電設) むけ研鑽 - 自己分析1 -
敵を知り己を知ればというやつで己を知るためのコラム。巷ではあまり聞かないものの、これなしに諸先輩方の対策動画など見ても前提条件が食い違っていて参考にならないケースもあるだろうとの思いから、あえて恥 (?) を晒してみる。
1. 生い立ち
マスクした個人情報の羅列に虚しさを感じなくもないが、思考の傾向や偏りを思い知る一助になればと思い、手を動かす事を優先し愚直に挙げてみる。
1980-1990年代: 誕生~小学校・中学校
小学校中〜高学年で自宅に Windows3.1 搭載 PC が導入
ワケわからないなりに PC が身近にある状況で情報系を志す一因に
小 6 にて恩師からディスカッションやロジカルシンキングの手ほどき
反転授業で国語を担当し理屈っぽくなったのはこの頃から
中学時点で世の中にインタネットが普及し Windows95 デビュ
自身サイト開設しわからないなりに Telnet や FTP、HTML と戯れる
➡ これでもかというくらい一般的な生い立ち。そこそこに分布のある周囲と、そこそこに先取な環境のおかげで、取り返しのつかない人格のゆがみなどは回避。
2000-2010 年代前半: 高校 (高専)・大学
国立工業高等専門学校にて電子・情報系技術の洗礼を受ける
電子と情報半々のところから入門したので思考の傾向もこれら寄り
中学親友との約束のもと国立大学へ 3 年次編入
高専時は情報を志していたが電子が面白くなり電気電子を選択
大学学部から大学院 (修士・博士) へ進学
何でも屋なナノテクノロジ研究のおかげでタコツボ化は回避したつもり
➡ このあたりから雲行きが怪しくなってくる。人生を変えた選択を 3 つ挙げるとしたらそのうちの 2 つがこの時期に相当する。ひとつめの高専進学は若気の至り、ふたつめの D 進はモラトリアムをこじらせたもの。とはいえ技術者として今を支えるのはこれら基盤に他ならないのも事実。
2010 年代後半 - 現在: 社会人
化学工業メーカに新卒採用で入社し社内エンジニアリング部門に配属
パワハラ系上司から社会人の基礎と電気業務の基礎を叩き込まれる
30 代にて 1 年弱の中国駐在を経験し世界のレベル感を思い知る
個人の技術力では渡り合うもバイタリティや人材層の厚さが圧巻
30 代半ばにて管理職に昇格 (させてもらった)
明確に部下を持つことはないが PM 的立ち回りが増え技術やや下火
➡ 人生を変えた選択のみっつめ。せっかく人の道を踏み外したのになぜか就職の段では一般 JTC を選択。博士まで行って大学教員や研究職を志さなかったのは、基礎研究に対する虚しさや嫌悪感を持ってしまったため。雑にまとめると、科学 (だけ) ではなく技術をやらにゃという選択。
2. 資格試験等の経験
資格試験に対するスタンスは別コラムを立てる予定だが技術士試験に至る足跡として受験・取得順で羅列しておく。
漢字能力検定 4 級・3 級・準 2 級・2 級
4~準 2 級が中学、2 級が高校 (高専) 。ほぼ趣味の域。
工業英検
高校 (高専) 在学時に必須受験。やや古風ながら技術英作文の世界を知る。
TOEIC 400-600 点台
編入試験を境に 150 点アップ。"英語ができない高専生" の中では称賛された方。
普通自動車免許
略
基本情報技術者試験 FE
高専最終学年にて。高専授業を真面目にこなせばさして対策せずとも受かる。
知的財産管理技能士 3 級
大学院 M1 にて。研究と関係無い事もないがボケ防止に。
日商簿記 3 級
知財同様にボケ防止にエントリするも前日からの発熱で不合格。トラウマに。
TOEIC 700 点台
大学院での論文執筆や海外オーラル経験を境に自己ベスト +100 点のスコア上昇
博士 (工学) 学位
学術誌 3 本掲載の後に執筆。自己満足の塊で研究者生活に終止符を打った。
国家公務員総合職試験
将来キャリアとして検討したことがありトライするも文系教養サッパリで不合格
エネルギー管理士
電験の前哨戦としてダメ元で受験し合格。代数計算なので電験より解き易い。
第三種電気主任技術者
初年度は理論と機械、次年度で電力と法規に合格。職場重圧がトラウマ気味に。
危険物取扱者 (乙4)
職場で受験推奨されていたため。周囲が楽勝と言うほど楽勝でもなかった記憶。
消防設備士 (甲種)
2 科目取得も 1 科目は 1 度落ちてからの再エントリ。不合格時は PM 製図が壊滅。
第二種電気主任技術者
三種取得後にノリで受験し法規以外合格。科目合格の海外駐在で権利消滅。
応用情報技術者 AP
社内 AI チームで示しをつけるため受験。基本情報との差がわからないままに合格。
プロジェクトマネージャ PM
社内で PJ 扱うようになったので教養習得に。みよちゃん先生本は今でも参照。
IoT 検定プロフェッショナルコーディネータ
社内で IoT 扱うようになったので教養習得に。AP 知識でほぼいける。
IT ストラテジスト ST
社内で DX もどきに触れる中で取得。実務経験でほぼいける。
情報処理安全確保支援士 SG
教養としてセキュリティを学んでおこうということで取得
TOEIC 800 点台
海外テーマを担当した足跡として取得。ようやくまともに問題がとけるレベル。
システム監査技術者 AU
実務とは程遠いが教養として。論文で初の B 評価を頂くも次年度にリベンジ。
中小企業診断士
ビジネスマンとして箔をつけるため挑戦。2 カ年計画も部分合格 4 科目に留まる。
技術士一次試験
高度情報取得済のため情報系で免除受験。学生時代の財産で乗り切る。
セーフティサブアセッサ
職場要請にて。イヤイヤ受験の初回は不合格でリベンジして取得。
技術士二次試験
一次試験からのノリで受験。詳細は別コラムで触れる。
ネットワークスペシャリスト NW
実務から程遠いが教養として挑戦。参考書を読み漁るも午後 2 で惨敗。
ビジネス実務法務試験 3 級
ビジネスマンの教養として取得。実務から遠いようで役に立つ場面あり。
➡ 製造業エンジニアとしてはまあまあの受験履歴と思われる。ガッツリ生産技術系であれば他にもワンサと資格はあるが、そっちに傾倒しないのは、どこか教養を重視する性格が大きな原因。また、頑張って対策をして取得するというよりは、すでにそのレベルのスキルなり知識なりを持っている領域について、その証明のために取得するケースがほとんど。ちなみに弊社では資格取得すると祝金がもらえるので、合格相当のスキルがあるなら取得しない手はないという背景もある。
技術士二次試験との絡みで言えば、専門知識・技術と論文表現が二軸であるとすると、後者については学位論文や情報処理技術者試験でアドバンテージがあるものと考える。もっと言えば、その論文技術のもとになったのは小学生時代の反転授業であるので、理屈をこねるキャリアは 30 年ものと言って良い。
前者の専門については定まり切ってないのが実情と言える。本業の電気分野についても理論 10 年、実践 10 年という程度で門外漢ではないものの玄人とは言えない段階。副業である情報分野は理論オンリーのペーパードライバであり、さして技術が求められない分野では資格取得できているが、スペシャリスト分野では振るわない結果となっている。
一方、技術士資格とは離れるがビジネスマンとして研鑽している部分については、ごくごく初等な範囲での結果に留まっている。MBA など憧れるままで行動には移せていないし、代替としての中小企業診断士は惨敗中断中である。中卒で高専進学という道を歩んだ時点で、文系やそれに近い分野ではビハインドというのは否定できない。これを補うのか、もはや度外視して理系一直線とするのかは今後の人生で 4 つめの分岐点になるだろう。
3. 担当実務
海外駐在や部署マイナチェンジはあったものの、化学工業メーカでエンジニアリング業務に継続して従事している。職務経歴書っぽくなるが以下に経歴を羅列して、得意/不得意領域を整理してみる。
プラスチック成形パイロット設備導入
電源 UTT, 設備制御 + 中華設備の不具合対応
プラスチック製品加工設備導入
同上 + 社内工場での立ち回り(実態はボロカス)
プラスチックシート生産工場建設
建築設備, 受変電設備, 生産設備 + 立上時の試運転調整 + 中華業者コントロール
樹脂プラントスマート制御導入
機械学習, プロセス制御
サーキュラエコノミ系プラント建設
受変電設備
プラスチック製品二次加工設備導入
マテハン
樹脂プラント省エネ検討
蒸留プロセス開発, 電装省エネ + 英語ビジネス経験
従事テーマを時系列に挙げていくと担当範囲が広がるとともに、利益創出から環境貢献寄りの仕事にシフトしていることがわかる。また、対象も組立ラインからプラントにシフトしており、発揮技術を変化せざるを得ない状態になっている。
手掛けた領域としては UTT 系から設備電気とそこそこには経験させてもらっている。が、技術士試験の電気設備分野としてカバーできているかと言うとそうでもない。こればかりは会社に恵まれたと言った方が良いだろうが、事業に貢献できる部分に注力せよ、というマネジがある。すなわち、付加価値をつけられないような分野、たとえば一般的な建屋電気などは外注にお願いしてしまうというのがむしろスマートとされる。これは会社人としては良いことと思いたいが、より広い視野での技術者としては専門性に凹凸ができてしまう、ことは忘れてはいけない。
ここまでのコラムから、試験回答のクセ (論述再現)、思考の偏り (自己分析) についての自覚が深まってきた。すなわち、己は知った、ということで、次回コラムは敵を知る方に舵を切ってみたいと思う。
以上。
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