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プロゲーマーと裏方、2つのキャリア

esports業界でキャリアを築くためには、大きく分けて「プロゲーマー」と「裏方」という2つの道がある。表舞台に立ち、勝利を追求するプロゲーマー。支える側としてイベントやチームを成功に導く裏方。それぞれの役割は表裏一体でありながら、求められるスキルや適性は異なる。どちらを選ぶにせよ、業界の競争は激化しており、生き残るためにはスキルをどう活かし、どう差別化するかが鍵となる。
キャリアの選択肢は無数に存在するように見えるかもしれないが、成功するためには「自分に合った道」を正しく見極めることが不可欠だ。そのためには、各キャリアの本質を理解し、求められるスキルと具体的な進路を把握する必要がある。今回はプロゲーマーと裏方、それぞれのキャリアに求められるスキルと成長のポイントについて掘り下げる。


プロゲーマーのキャリアパス

プロゲーマーとして成功するためには、競技力の向上が絶対条件となる。しかし、現代のesportsではそれだけでは生き残れない。競技力を証明するための環境を作り、正しいキャリアパスを歩むことが重要となる。現状の主なルートとしては、トライアウトを受けるか、アカデミーチームへの所属が挙げられる。
トライアウトでは実績だけでなく、試合中の判断力やチームプレイの適応力が評価対象となる。特に海外チームでは、コミュニケーション能力やフィードバックへの対応力も厳しくチェックされる。一方、アカデミーチームは、若手選手を育成するプログラムであり、競技スキルだけでなく、メンタルトレーニングやプロとしての振る舞いも学ぶ場だ。ここでのパフォーマンスが、メインロースター昇格への重要な要素となる。

プロゲーマーに必要なスキル
競技力
:圧倒的なゲームスキルとメタゲームへの理解、反復トレーニング
セルフブランディング:SNSでの自己発信、ファンベースの拡大
メンタルマネジメント:パフォーマンス維持、プレッシャーに耐える精神力
適応力:ゲームアップデートや環境の変化に迅速に対応する能力

キャリアの課題
競技寿命は短く、若手の台頭によるポジション争いが常に発生する。
成績や人気による収入の波が激しいため、セカンドキャリアを見据えた準備が求められる。

裏方のキャリアパス

裏方の仕事は、イベント関連、配信関連、チーム運営など多岐にわたる。どの分野を選ぶかによって求められるスキルは異なるが、共通して求められるのは実践経験に基づく柔軟な対応力と高いコミュニケーション能力だ。
イベント関係では、イベントの企画、進行、会場設営、参加者管理など全体のディレクションといった綿密な計画と即応力を求められる。配信関係では、OBSやvMixといった配信ツールの運用、トラブル対応、映像品質の最適化が求められ、技術力だけでなくスケジュールに沿ったオペレーション力も不可欠となる。チーム関係では、選手のスケジュール管理、スポンサー対応、PR活動の計画など多方面に渡る業務を担う。これにはチームの成績だけでなく、選手の健康管理やメンタルサポートも含まれる。

裏方に必要なスキル
計画力
:イベント進行やスケジュールの立案と管理
コミュニケーション力:スポンサーや関係者との折衝
技術力:配信ツールなどの知識、トラブル対応能力
問題解決力:突発的な問題への即応力

キャリアの課題
現場では即応力が必須なので、未経験者にとっては参入障壁が高い。
業種によってはesports界隈では下積みの経験を積むことが難しい。

キャリア形成のポイント

プロゲーマーと裏方、どちらの道を選ぶにせよ、成功には3つの要素が重要だ。
まずは自分の強みや興味を客観的に把握し、プロとしての方向性を明確にする「自己分析」。次に、早い段階で現場に関わり、基礎スキルを実践スキルへと昇華させる「実践経験」。最後に、SNSやポートフォリオを活用し、自分の成果を業界内外に示す「自己発信」
この3つのポイントを意識することで、キャリア形成にぐっと近づくことができる。

キャリアを築く覚悟

esports業界で求められるのは、単なるスキルや知識の保持ではなく、それらを活かして価値を生み出す力だ。重要なのは「どの道を選ぶか」ではなく、「その道をどう歩むか」にある。どの業界でもそうだが、「何ができるか」ではなく「どう結果を出すか」が重要であり、成功を掴むためには常に自らを磨き、挑戦し続ける意志が不可欠だ。
キャリア形成は他人任せにはできない。自分の未来を切り開くのは、自分自身の行動と努力である。スキルを磨き続け、それをどう業界に活かしていくのか。その覚悟こそが、プロフェッショナルとしての真価を問われる瞬間である。


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Y.Morita/SNY
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