1に手を伸ばして8を選んだあなたへ

推しが新曲を出す　今日の疲れ全部飛んだ

これから満月に近づいていく上弦の月を選んだあなたが好きだ
そして、遠い故郷の名前を曲名に据えたと知って苦しくなった

家族の反対を押し切って、飛行機で一人異国に飛び立ってから、
どれだけのものを細い背中に背負い続けてきたんだろう
10代の彼がその覚悟を決めた時、世界はこんなじゃなかったはずだ

家に帰れなくなったら
二度と家族に会えなくなったら
仲間が兵役に行くことになったら
現実の出来事として今それらが目の前にあるあなたのこと、私は何も分からない

セルカなんて上げなくて良い　VLIVEもしなくて良い
どこかで生きてるだけでこんなに好きだ
徐明浩という人間に一瞬でも邂逅できたこと、
奇跡みたいに綺麗で素敵な子を知ることができた事実だけで良い
夢は叶うと言い続けなくて良い
誰かの月にならなくて良い
やることなすこと全部自分のためであってほしい

そして、こんな言葉は聞き流してほしい
あなたを推しと呼びながら、
大切と言いながら、
あなたの姿を通して自分を見ているような、
こんな訳知り顔の他人の身勝手な言葉は聞かなくて良い
私はあなたに何もしてあげられない

1に手を伸ばして、その先で8を選んだあなたが好きだ
皆の一番であることよりも、
自分自身で在ることを何よりも大切にしようとする

あなたが8も手放してただの徐明浩に戻る日が来ても、
私はずっと、あなたから受け取った沢山の贈り物を大事にして、
勝手に救われながら生きていくと思う

言葉も思考も色も光も音も風景も
敬意も親愛もまなざしも
あなたからもらったことを思い出せなくなっても
多分それが誰かと出会うということなのだろう