固定資産の除却について(期をまたぐ場合)

使わなくなった固定資産が期末にそのまま残ってしまう場合があります。例えば、建物を解体するまでの時間が少しかかってしまい、期をまたいでしまう場合などがあります。

このような場合には、処理としては2通りのやり方が考えられると思われます。

有姿除却

1つは有姿除却を行うこと。これは、税務上の要件を満たした場合に、まだ固定資産を廃棄していなくても廃棄したことにするというものです。会計処理としては、固定除却損を計上します。税務上も損金参入可能です。
要件は、ひとことで言えば、もう使っておらず、かつ使えない状態であること、です。

7-7-2 次に掲げるような固定資産については、たとえ当該資産につき解撤、破砕、廃棄等をしていない場合であっても、当該資産の帳簿価額からその処分見込価額を控除した金額を除却損として損金の額に算入することができるものとする。(昭55年直法2-8「二十五」により追加)(1) その使用を廃止し、今後通常の方法により事業の用に供する可能性がないと認められる固定資産(2) 特定の製品の生産のために専用されていた金型等で、当該製品の生産を中止したことにより将来使用される可能性のほとんどないことがその後の状況等からみて明らかなもの

有姿除却を行う場合には、使用できないことが合理的に説明できる状態としておくとよいでしょう。

減損損失

もうひとつの方法が、遊休資産という扱いで、減損損失を認識する方法です。通常、あと除却するだけのしさんであるなら、将来キャッシュ・イン・フローは発生しないでしょうから、簿価を0円まで切り下げることになります。会計上は実質的に除却したのと同じ事となります。ただし、この場合には、税務上損金参入できません。

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