もはや何もかも手遅れだ(「男女平等」について)
先日のしまむら、おじさんの詰め合わせに次いで、今度は牛角の女性限定の食べ放題が大炎上しました。
これ、極めて深刻な事態だと思うんですよね。
これを「男女差別」と非難している人で、本当の意味で男女差別だからと怒っている人、女性だけが食べ放題を安く享受できることを怒ってる人は多分ほとんどいないと思うんですよ。
これって、今まで
「女性差別を許すな!」の名目で行われてきた社会的な吊るし上げの意趣返し
なんですよね。
牛角が女性客とかカップル客を呼び込むために女性だけ食べ放題を安く提供するのは、単なる営業施策です。
しかし、女性のみ、というのは性別で扱いに差をつけているから差別的でもあります。
(https://x.com/_0ranssi_/status/1830759665422213125より引用)
この件について抗議している人は、別に食べ放題を自分も安く食べたいわけではありません。
「男女平等」を求めているわけでもないい、そもそもこれが本気で差別とも思ってもいない。
現代の「女性差別を許すな」という名目の吊るし上げの穏便な修正なんてものも求めてはいません。
これは、今までJ・リベラルやフェミニストが正義ぶってやってきたように、今後はこっちもあらゆる「男性差別」的な文脈を同じように燃やしてやる、という全面戦争の宣戦布告に近い。
そっちは今まで通り好きに吊るし上げをやれ、こっちも同じようにやるから、という感じでしょう。
要するにある種の報復です。
だからこそ事態は深刻。
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上でも書きましたが、今回のこれは報復感情に基づく攻撃です。
報復感情が原動力なので正当性が無いといえばその通りだと思います。
ただ、何度か書いた通り、J・リベラルの吊るし上げは、社会正義の達成だのとか、世の中をよくする気なんて全くありません。
あれは他者を踏み付けて従わせたいという
征服欲、加害欲求の発露
です。
今まで単なるイラストだのなんだのに仕掛けられた女性差別を許すな名目での吊るし上げも特に正当性は無かったですよね。
性的搾取(定義不明)だのフェミニズムだのなんだのと、なんとなくそれっぽい理屈付けしてましたけど。
そもそも吊るし上げに論の正しさなんてものは微塵の価値もありません。
抗議運動の正当化についてはそれっぽい理屈は簡単につけれますからね。
ロシアのウクライナ侵略だってそれっぽい正当化の理屈は付いてるわけで。
理屈と膏薬はどこにでもつく。
吊るし上げは
デカい声で圧を掛けて、圧かけられた側が折れるかどうかのパワーゲーム
です。論の正当性なんて関係ない。
一度こういう声が大きく上がり始めると、今まで黙っていた人が同じように声を上げ始めるので、声はさらに大きくなる。
今後、男性側からのキャンセルの火力は増すでしょう。
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まあこの件には色々な個別の反論があるとは思います。
これは差別じゃないとか、女性はコレコレでもっと差別されてるとか、こんなことでキレるなんて「男らしくない(後進的ジェンダーロールの発露)」とか、いつもの「さてはおめーモテねーだろ」みたいな罵倒も出てます。
しかし、繰り返しになりますけど、この行動の根本は報復です。
なので、反論も罵倒もすべてがズレています。
ズレていることに気付いないのか、気付いているけどこう言うしかないのか、そこは分かりませんが。
というか、意味がないというべきかな。
実行者は
批判されることも全て分かった上でやっている
だから、差別だのなんだのと言われても狼狽えることもないし、罵倒されてもひるむこともない。
だからこそ強い。そして事態は深刻なんですよね。
(https://x.com/hideyosino/status/1830084795197767894より引用)
(https://x.com/_0ranssi_/status/1830766575340921001より引用)
実行者の大多数が暴言で開示請求とかされたらわかりませんけど。
暗黒SNSことtwitterを見る限りでは、あくまで差別を批判するという体裁の投稿が多いので、誹謗中傷という文脈であれを取り締まるのは無理でしょうね。
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報復感情が原動力である以上、今度も恐らく同じように「男性差別」に対して火の手が上がるでしょう。
そして、報復感情が原動力なので恐らく落としどころが無い。
もはや、双方燃やし合って行くところまで行くしかないんだろうな、と思うと暗澹たる気分にはなります。
今まで一方的に有る属性が燃やされて燃やされる側がじっと耐える世界と、双方が燃やし合う修羅の世界、どっちがいいのかは議論が分かれそうですけど。
……というか、抗議スクラムで圧力をかけて相手を吊るし上げるという手法は、誰でも模倣可能なAK47であり、正義の勇者の皆さまだけが使える聖剣エクスカリパーではなかったんですよね。
だからこそ程々にしておかなくてはならなかった。もうすべては手遅れですけど。
相互に燃やし合う世界の果てに何が待っているのかは想像もつきませんが……焼野原になった時に、燃やし合いは不毛であるという相互理解にたどり着けることを願ってやみません。