あのさあ、それ差別じゃないから(男女アスリートの賃金格差)
(https://twitter.com/smymd125/status/1766039872446533822より引用
(https://twitter.com/googlejapan/status/1765166656257441974より引用)
国際女性デーにあえてこれを発信しているのは、
女性差別!ジェンダー平等!
と言いたいんでしょうけど、これを差別の文脈としてとらえるのは無理があります。
男女アスリートの待遇格差、というか賃金格差は明確に
興行の差
から生じてるからです。
悪辣で家父長制に支配された後進的なスポーツ界が女性を虐げているわけではありません。
しかし逆に考えましょう。
思想的な問題ではないのならば、具体的な解決方法を講じる余地があるわけです。
元の話題がサッカー選手なのでなるべくサッカーの話題で進めます。
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まず大前提として言いますが、男女には身体能力の格差があります。
これは絶対に動かしようがありません。
もし無いなら……どこかの社会学のセンセイが、男女スポーツを分けているのは、
男子が女子に負ける可能性を排除するため!男性優位社会の維持のためだ!
とか言ってましたけど
格差が無いなら問題を解決する一番簡単な方法は、女子チームでJリーグに参戦することです。
いきなりJ1は無理でも、例えばJ3に加入して勝てば最速2シーズンでJ1に上がれますよ。
Jリーグに女子チーム、しかも男子並みに強いチームがあれば人気爆発間違いなしです。
興行成績爆上がりで、待遇も改善します。
問題解決。
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僕に地元にはJ3チームがあります。
J3とJ1……どころかJ2との間にも待遇、環境とかあらゆる面でとんでもない格差があるらしいです。地元チームの社長さんがそんなようなことをtwitterで言ってました。
J1との格差は言うまでもないですね。
サッカーに限らず、野球でも独立リーグとNPBの間にも途轍もない格差があります。
この格差が何故生じているかと言えば、差別ではなく興行的側面から、としか言いようがない。
万単位の客で埋まるJ1のスタジアムに対して、地元J3チームのスタンドはやはり寂しいものです。
チームへの愛と情熱は観客数に左右されませんけど、興行収入は観客数に左右されます。
昔はJ3の選手とか能力そんな高くないんだから客が入らなくてもしゃーないやろ、などという大変無礼なことを思っている時期もありました。
でも、違うんですよね。
Jリーガーと言う時点でサッカー選手の中では頂点に近い一部の上澄みなんですよ。
野球の独立リーガーだって近くで見るとガタイの良さにビビります。
彼らのつぎ込んでいる競技への情熱や時間は恐らくトップカテゴリーの選手にも見劣りしないでしょう。
でも格差はある。
その差は何かといえば、
興行的側面
に他なりません。
ぶっちゃけて言うと客が入らないからです。
極論しますけど、J3チームでも毎試合3万人入るチームがあれば、多分選手の待遇はJ2のチームより上になると思います。
まあそんなチームはいい選手集めてさっさと上のリーグに昇格できるでしょうけどね。
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競技の面白さ、レベルだけで言えば、間違いなく上位リーグの方が上です。
では下位カテゴリーのチームがなぜ存在できるかといえば、観客視点から割と簡単に理由付けができます。
競技レベルとは別の、それ自体の魅力があるから
ですよ。
確かに技術や身体能力、高いレベルのプレーは見る側にとって大事ですけど、それだけではない。
例えば女子ゴルフや女子テニス、フィギュアは男子に劣らない人気があり興行でも成功している。
女子サッカーや他の女子競技でも可能性はあります。
この競技レベルとは別種の魅力とは色々あるでしょう。
例えばですけど、ファンサービスが超いいとか、スタメンが男性アイドル並みのイケメンぞろいで目の保養になるとかだって一つの魅力です。
競技レベルとは別の魅力。
その一つの答えをJ3チームは出しています。
それは
地元のチームと言う存在そのもの。
です。
これは唯一無二なんですよ。
強いチームは他にもある。でも地元チームは一つしかない。
これは甲子園で県代表チームを何となく応援する感覚、海外で活躍する日本人を見た時に感じるシンパシーと同種です。
僕自身はサッカーにはあまり興味ないですが、地元チームだから贔屓してます。
チームもおらが町ののチームというのを全面的にアピールしてますしね
サッカーを見るだけなら、J3チームより中継でリーガとかプレミアでも見てる方がハイレベルですし、東京に新幹線で行けばいくらでもJ1が見れます。
テレビ観戦が悪いわけではない……というよりスポーツを見るだけならテレビ観戦の方が圧倒的に便利なんですけど。
でも生で試合を見れる魅力、それが思いついたら見に行ける距離にあることというのは大きい。
フィールドから聞こえる選手の生の声。
スタンドで振られる旗とチャントと熱気。
肌に触れるスタジアムの空気の感覚。
得点したときの沸き上がる歓声。
そういうものはテレビ観戦では得られない魅力なんですよね。
これは音楽とかにも言えますけど、その場に立ち会う魅力というのは確かにあるんですよ。
……ライブ観戦は負けた時にマジでブルーな気分で帰途に就くことになるので、そこはまあ。テレビなら消せばいいだけなんですが、生観戦はそうもいかない。
某NPB監督が勝つことが最大のファンサービスと言ったのは正しいです。
ともあれ、技術とか身体能力とかレベルの差は、観客にとって観戦するかしないかを分ける一つの要素にはなりますが、覆せない差ではありません。
それだけが重要ならば下位カテゴリーは消えてるはずですからね。
それに競技レベルはの高さとは別としてどんなレベルであれ真剣勝負を見ているのは楽しいです。
草野球であれ、高校野球であれ、NPBであれ、その真剣であることの面白さには変わりはない。
ともあれ、そういうプレーの絶対的な質とは違う魅力は確かにあります。
逆に言えばそういうところをアピールすれば、興行として成功し待遇を上げる余地はあります。
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ここまで書いてきた通り、待遇の差を改善しようとするならば、興行成績を高めるしかない。
そして、仮に女子サッカーが男子サッカーと比べてプレーの絶対的な質で劣るとしても、それ以外の魅力で集客して興行成績を高めることは可能です。
対策は、女子サッカー独自の魅力を発信し客を集めるしかない。
J1の試合をテレビで見るより、地元J3のスタジアムに来るような客を増やさなくてはいけない。
これはご本人が書いてますけどね。
もしこの興行面の差を解決しないで待遇差を解決する方法があるとしたら、同一競技の男子リーグから収入を補填するしかないと思います。
だって、観客やスポンサーを無理やり女子に動員するなんて無理ですからね。
でもそれをやったとして、女子アスリートの待遇が改善したとしましょうか。
じゃあ下位のリーグのチームはどうなるんでしょうか?
必死で経営努力して、厳しい待遇の中で上を狙う男子の下位リーグのチームより、女子が女子であるというだけで特別な恩恵を受けれる方が余程差別でしょ。
せめて例えば女子トップリーグのチームとJ3チームが試合して女子が勝てるとかならまだしも……多分無理だと思うんですよね。
そうなったら、下位カテゴリ-の選手からすればやってられませんって。
それに、仮に女子アスリートの待遇を上記の形で男子トップ並みに改善しても、興行面を頑張らないと
ガラガラのスタジアムで試合をやる
ことになりますよ。
待遇さえ改善すればどうでもいい、というのじゃないなら、結局のところ、独自の魅力の発信は必要です。
最後に超絶政治的に正しくない発言をしますけど。
女性ならではの魅力、というのには間違いなく容姿のかわいらしさとかの、いわゆる性的魅力というものは含まれます。
なんだかんだ言ってもそれが現実です。
別にこれは胸元を露出せよ、とかそういう意味では無いですが、男子とは違う魅力を論ずるならそこは避けて通れないんですよね。
そんなの目当てにするようなゲスなやつはお呼びじゃない、というならまあそれはそれでいいとは思います。