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私の人生を変えた漫画:紫堂恭子『辺境警備』の監査官の信念と、変わらない私

ある日、ふと紫堂恭子さんの『辺境警備』の一エピソードを思い出しました。

それは、厳格な監査官と、ちょっとだらしないけど人情味のある主人公サウルとの出会いと対立の話です。監査官は「不正を許さない」信念を持ち、サウルの隠し事をすべて見抜き、強く叱責します。

サウルは、監査官がその厳しさゆえに誤解されやすいことを理解し、「あなたみたいな人が世の中で一番信用できる」と言います。この言葉に、監査官も自分のあり方が認められたような気持ちになり、彼の信念が「世の中に必要なもの」として肯定されたのです。

なぜ今、このエピソードを思い出したんだろう

このエピソードを思い出したのは、今の自分の状況と重なる部分があったからです。私はできる限り誠実に、自分の信念を貫こうとしていますが、その姿勢が誰かの反発を招いているように感じることがあります。不思議なのは、なぜか誰も私に直接話してはこないということです。いつも、周囲の人を通して間接的に耳に入ってくるのです。「何か思うところがあるなら直接言ってくれればいいのに」と、ずっと疑問に感じていました。そして、そのことが胸に重くのしかかってきたときに、この漫画のお話をふと思い出しました。

ときには、自分の意見や信念が強すぎると受け取られ、周囲から拒絶されたり、距離を置かれることもあります。そんな状況の中で、この監査官のエピソードに共鳴し、自分を少し肯定できた気がしました。「そのままでいい」と言われた監査官のように、私もまた、自分の姿勢や信念を見直しながら、それでもこのままでいい、変わらなくてもいいのかもしれないと考えられるようになったのです。

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