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気軽に見れるお手軽冒険譚「キノの旅 -the Beautiful World-」 感想 第5回
こんにちは、雪だるまです。第5回は「キノの旅 -the Beautiful World-」です。キノの旅は2回アニメ化されていますが、今回はラルケ制作の、2回目のやつの感想を述べていきます。(ネタバレなし)
壮大な物語と思いきや…?
キノの旅はタイトル通り主人公のキノが旅で訪れた様々な国での出来事をまとめた話である。こう聞くとワンピースのように1つの国での出来事を長編で放送するのかと思うかもしれないが、意外にもこのアニメは基本1話で1つの国で完結する。そのためとても気軽に視聴できるのがこのアニメの魅力の1つだ。
テンポと視点の妙技
1話で1つの国のエピソードをまとめるとなるとかなりのハイテンポになるのではと思うかもしれないがそんなことはない。視聴者が置いてきぼりになるほど速くもないし、冗長さを感じるほど遅くもない。このテンポが本作においては重要になってくる。
観てもらえるとわかるが、本作はキノやその話での主人公視点でほとんど進んでいく。各国々で人と出会ってもその人のバックグラウンドを回想や暗転などで描いたりはしない。描いても、主人公が聞いたことを分かりやすく視聴者に伝えるために補足的に描いているに過ぎない。あくまで主人公が聞いたこと、見たことで話が進んでいくのだ。これはおそらく視聴者にキノと感覚を共有してもらうためだと思う。視聴者がキノや主人公たちを通じて、まるで自分が本当にその国で旅しているような体験を味わってもらおうというねらいがあるのだろう。
だから、この作品のテンポも視聴者が見やすい、置いてかれない程度にセーブされている。
この作品がキノと視聴者との感覚の共有をいかに重要視しているかがよく分かる。
バランスのとれた全体構成
作品全体の構成がいいのもこの作品の魅力の1つだ。本作の主人公はあくまでキノであるため基本はキノの視点で話が進むが、途中からは旅の途中でキノが知り合った青年シズの視点での旅の話や奴隷少女の話、キノの師匠の話なんかも出てくる。この間々で挟まれる話がいい感じに閑話休題として機能しており、飽きずに楽しむことができる。
また登場人物の性格が多彩なので、例えばシズの話のときに「キノならこうしたんじゃないかな」といった楽しみ方も出来るのも魅力だ。
やりたいこととバランスがしっかりしている
おそらく制作陣の中でキノの旅のどこが面白いのか、どういった見せ方をすればそれが伝わるのか丁寧に議論を重ねたのだろう。だからキノの旅の面白さである、旅を通じての新しい発見や経験というものがキノを通じて視聴者に伝わってくるし、ストーリーや作画、bgmなどの要素が、それらを邪魔せずに作品に彩りを添えている。
万人に勧められる文句なしの良作
ストーリー、bgm、作画…。いずれもクオリティが高く、全体が邪魔しないようにバランスがとられている。けなすのが難しいくらいしっかりまとまった良作だ。
作画に関しても決して派手な作画ではないが全体を通してきれいにまとまってるし、背景に対して変にキャラクターが浮かないように配色にはかなり気を使われてるのが分かる。
キャラクターデザインもオタクらしい萌的な要素が少ないので一般ウケもしやすいだろう。
オタクだけじゃなく一般層にも勧められる良作だ。気軽に見れるので興味があったら是非見てほしい。