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教職志望の方へ③ー担任の一日

 昔、教育実習の際に、無知と自分の意味のないこだわりで、指導教員の先生とあまり上手く行きませんでした。
 受け入れ側になって初めて、毎日始業前にやってきて、実習ノートを持参して挨拶をしてくれる実習生を見て、なるほど、こういう行動を期待されていたのか、と気付いたのでした。
 しかし、教員が毎日どのように動いているか知らないと、私のかつての教育実習時のようにしばしば無駄足を踏むことになります。
 今回は、担任の教諭の一日について、説明したいと思います。

【担任の場合】
①出勤
 朝、朝練付添や勤務時間外の立番などの当番がなければ、教員は、始業30分ほど前に出勤して職員室にいます。準備もありますが、保護者から欠席などの電話が入ることが多いからです。
 ただし、スリットと呼ばれるタイムカード式になってから自由出退勤では無くなり、仕事がなくても8時間勤務になったので、決められた出退勤時刻にきっちり出退勤するようになったように思います。教職は何かひとたび事件があれば何時間でも居残りですから、さらに早めに来ていたら身が保ちません。
 生徒数が多かった頃は、始業時刻も学校によって若干違いました。電車通学がかち合う近隣の学校との関係で10分ほどずれていました。また、定時制が併置されている全日制の学校では、放課後のクラブ活動時間を確保するため、春から夏は朝7時半始業でした。もちろん、教育実習は母校に行くのが一般的ですから、始業時刻は懐かしいだけで、知らないということはないと思います。
 実習生が知らないのは教員の勤務時間の方で、一般的には、大阪府立高校の職員勤務時間は8時半始まりの5時15分終わりでした(維新政権の初期に、府庁に合わせると言って若干変更されました)。これは学校の事情によっても違うので、確認が必要です。
 また、学校によっては、8時40分の始業前に毎朝5分ほどの職員朝礼を職員室でする学校もあります。
 職員朝礼は会議の一種なので、始業前の慌ただしい時間帯に、生徒を閉め出さないといけないのと、保護者から連絡など入ることもあり(会議の際は電話は取れません。緊急で繋がった場合は会議の方が中断され、電話が切れるのを待ちます)、朝礼自体にその日の重要な連絡があったりして、なかなか厄介なものです。
 当然ですが、会議には実習生は入れません。職員朝礼もです。
 したがって、職員朝礼があるならそれが始まる前に指導教員に会うか、朝礼が終わった途端に職員室に滑り込んで指導教員を探すか、になります。
 朝礼がなくても、指導教員が出勤して授業に向かう前には会って挨拶し、教育実習ノートを提出しておかなければならないでしょう。理想論ですが。

②授業と空き時間
 時間割から空き時間をある程度予測しておき、その上で、実習ノートと指導案にいつコメントいただけるか、尋ねて約束しておく必要があります。
 空き時間がわかるのは、教員の時間割表です。授業以外で、学年会議や分掌会議が時間割の中に設定されていれば、網掛け(または会議とある)で分かりますが、分掌の当番は、時間割表には普通書かれていません。時間割だけで空き時間だと判断しないように気をつけて下さい。
 もちろん、担任にはなるべく分掌当番を振らないように配慮されていますが、特に来客の多い進路指導室当番、遅刻指導や出席停止中の指導を行う生徒指導部当番、保健室当番などは、人員削減の折から、担任も分掌当番に入らないと穴が埋まりません。
 指導教員が分掌当番の時は、職員室に探しにいっても指導教員がいないのはもちろん、分掌の部屋へ押しかけて行ってもムダでしょう。いちいちそのような説明はないので、実習生は指導教員がどこにもいない、と途方に暮れるわけです。
 また、授業のコマ(この呼称は盤面に授業名を振ったコマを入れていた名残りか)は、1日に4コマ(50分×4)ある日はかなりハードで、話をするのは恐らく放課後になるでしょう。
 でも、それは担当の指導教員の放課後の都合によっても変わる(放課後に学年会議が設定されている学校もある)ので、指導教員に都合を尋ねるしかありません。

③放課後
 実習生は担任に代わって、ホームルーム教室の清掃指導を行いますが、担任は、掃除の時にいなくても、教室のチェックはしていると思います。掲示物の管理や教卓内の整理、座席表管理で、しばしばホームルームと職員室を往復しています。
 なお、クラブ活動後の最後の戸締りは、全職員の日番と警備員が行っています。
 クラブの数の割に教員数が少ないので、一人の教員が幾つクラブを受け持つか決まっている学校が多く、少なくとも運動部一つ文化部一つを担当する、あるいは主担と副担とに分け、主担は一クラブだけを担当する、などとなっていました。つまり教諭は全員、部活動顧問です。
 担任が運動部主担、ということはあまりしないと思いますが、全くないとは言い切れません。その場合は、実習生に「自由にやっておいて」と言って指導教員はクラブ指導に行った、という話も聞いたことがあります。
 また、放課後に指導教員に分掌の仕事が入ることはあまりないとは思いますが、突発的な生徒指導部会議もあるかもしれません。放課後も予定の確認は必須です。
 学校は広い上に教諭の仕事は多岐に渡るので、探しに行くのは必要最低限にした方がいい(前もって約束していないなら、その日は諦めた方がいいとさえ)と思います。

 思いのほか、長くなったので、非担は次の回に回します。


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みゆ
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