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相乗り送迎サービス「NearMe」急成長に潜むエフェクチュエーション

新聞記事の要約

ニアミー、空港輸送で売上高5.5倍に

相乗りタクシーサービス「NearMe(ニアミー)」が急成長している。特に空港送迎では、複数の乗客を同時に運ぶことで、料金を抑えつつも効率的な移動を実現している。利用者は大人数でもリーズナブルに移動でき、2024年には利用者100万人を目指す。

創業者の発案とビジネスモデル

ニアミーを立ち上げた高原社長は、タクシーの利用効率の低さに着目し、複数人でのシェアによるサービスを構想。現在、羽田空港を含む16の空港で送迎を展開し、ベンチャーキャピタルからも注目を集める。

挑戦と課題

黒字化はまだ先で、赤字が続いているものの、地方都市での高齢者向け相乗りサービスなど、ニーズに応じた新たな展開を模索。タクシー業界からの慎重な反応もあるが、高原社長は新しい移動文化の形成を目指している。

このニュースから読み解く未来

相乗りタクシーの普及は、交通の効率化と環境負荷の軽減に貢献する可能性がある。特に高齢化社会において、地方での移動手段としても重要な役割を果たすことが期待される。

この事例のエフェクチュエーション的要素

1. 手中の鳥の原則(Bird-in-Hand Principle)

高原幸一郎社長は、自身の経験とリソースを活用して事業を立ち上げました。楽天での物流事業の立ち上げ経験や、埼玉への帰宅途中に感じた「もったいない」という気づきが、ニアミーのサービス開発の起点となっています。これは、「自分が何を持っているか」を基に行動を起こすエフェクチュエーションの考え方を示しています。

2. 許容可能な損失の原則(Affordable Loss Principle)

ニアミーは現在も最終赤字が続いており、先行投資がかさんでいます。しかし、高原社長は「ビジネスモデルを確立させるには、あと1年ぐらいはかかりそう」と述べており、予測困難な利益よりも、許容可能な範囲の損失に焦点を当てて事業を進めています。

3. クレイジーキルトの原則(Crazy Quilt Principle)

ニアミーは、ハイヤー会社や日の丸交通などのタクシー会社と提携し、サービスを展開しています。また、大林組やJ・フロントリテイリングといった異業種からの出資も受けています。これらのパートナーシップは、共同で未来を創造するというエフェクチュエーションの特徴を表しています。

4. レモネードの原則(Lemonade Principle)

新型コロナウイルスの影響で利用者の伸びが鈍化した際も、ニアミーはサービスを継続し、その後の需要増加に対応しました。予期せぬ出来事を柔軟に受け入れ、それを新たな機会として活用する姿勢が見られます。

5. パイロット・イン・ザ・プレーンの原則(Pilot-in-the-Plane Principle)

高原社長は、「あらゆる移動シーンで『シェア乗りでしょ』と言うカルチャーを作って当たり前にしていきたい」と述べています。これは、自分たちでコントロールできる要素に注力し、未来を自らの手で創り出そうとする姿勢を示しています。

まとめ

ニアミーの事例は、エフェクチュエーション理論の各原則を具体的に実践している好例です。高原社長は、自身の持つリソースとネットワークを活用し、許容可能なリスクを取りながら、パートナーと協力して新たな市場を開拓しています。また、予期せぬ困難にも柔軟に対応し、自らの行動で未来を切り開こうとしています。これらの取り組みは、エフェクチュエーションの精神を体現していると言えるでしょう。



☝️この記事はDiscordコミュニティ「エフェ会」の投稿の引用です。ご興味がある方は、ぜひ「エフェ会」にご参加ください。

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