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ダチョウオイルで化粧品市場へ参入– 吉野家HDの新たな挑戦
☝️この記事はDiscordコミュニティ「エフェ会」の投稿の引用です。ご興味がある方は、ぜひ「エフェ会」にご参加ください。
吉野家ホールディングス(HD)が、ダチョウのオイルを使ったスキンケア商品の販売を開始した。ダチョウのオイルは人間の皮膚に近く、植物オイルよりも高い浸透力を持つことから、化粧品市場での新たな需要を狙っている。同社はこの事業を通じてダチョウの飼育拡大と黒字化を目指している。
ダチョウ事業の背景と狙い
吉野家HDはダチョウを食材としての可能性に注目し、牧場経営を開始。規模拡大と事業の黒字化を図るため、副産物であるダチョウオイルを活用したスキンケア商品を開発した。これにより、新たな収益源を作り出し、長期的な飼育頭数の増加を目指している。
スキンケア商品の特徴
ダチョウオイルは、人間の肌と相性が良く、浸透促進効果のある「ブースターオイル」として利用される。これに加え、ハンドミルクなども展開。オンラインでの販売に加えて、原料としてのオーストリッチオイルの外販も視野に入れている。
今後の事業展開
吉野家HDは、ダチョウ事業を長期的に育成し、牛や豚と並ぶ一般家庭向けの食材にしたいと考えている。また、畜産リスクの分散を図り、代替ミート市場でもダチョウが有力な選択肢となるよう研究を進めている。
この事例に学ぶエフェクチュエーション
鳥の手の原理(Bird-in-hand Principle):
河村社長は、既存のダチョウ牧場という手段を活用し、食材だけでなくダチョウオイルを使った化粧品事業にも乗り出しました。これは、自分が持っているものを出発点として考え、新しい可能性を探るエフェクチュエーションの考え方と合致します。許容可能な損失の原理(Affordable Loss Principle):
ダチョウ事業はまだ黒字化していませんが、副産物であるダチョウオイルを活用することで、許容可能な範囲でリスクを取りながら新しい市場開拓に挑戦しています。これは、利益の最大化よりも、損失を許容可能な範囲に抑えることを重視するエフェクチュエーションの原則に沿っています。クレイジー・キルトの原理(Crazy Quilt Principle):
スキンケア商品の販売だけでなく、原料としてのダチョウオイルの外販も検討しています。これは、自社だけでなく、他社とのパートナーシップを通じて事業の可能性を広げようとする試みであり、エフェクチュエーションにおけるステークホルダーとの関係性の重要性を示しています。レモネードの原理(Lemonade Principle):
吉野家の事業が牛肉相場に左右されるリスクを認識し、はなまるうどんやから揚げ、さらにはダチョウ事業へと多角化を図っています。これは、予期せぬ出来事や困難な状況をむしろ活用し、新たな機会を創出しようとするエフェクチュエーションの考え方と合致します。パイロットインザプレーンの原理(Pilot-in-the-Plane Principle):
「日本で最大のダチョウの生産者になっていたい」という長期的なビジョンを掲げ、自らの行動で未来を切り拓こうとしています。これは、未来は予測するものではなく、自分の行動によって創り出すものだというエフェクチュエーションの原則を体現しています。
以上のように、河村社長の行動は、エフェクチュエーションの5つの原則に沿っていると言えます。不確実性の高い環境下で、自分が持つ手段を活用し、リスクを管理しながら、ステークホルダーとの関係性を築き、困難な状況を機会ととらえ、自らの行動で未来を創造しようとする姿勢は、まさにエフェクチュエーション的な意思決定と行動の特徴を表しています。
キーワード解説
ダチョウオイル:ダチョウから抽出されるオイル。人間の皮膚に近い脂肪酸組成を持ち、浸透力が高いため、スキンケア製品に使用される。
ブースターオイル:スキンケアの最初に使用することで、後に使う化粧品の浸透力を高めるオイル。
オルタナティブミート:動物肉に代わる代替肉のこと。植物由来や培養肉などが含まれる。
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