中国の結婚数、10年で半減—経済不安が若者の結婚観を変える

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ニュースのまとめ

中国で結婚するカップルが急減している。2024年の婚姻届け出件数は前年比2割減の610万組と過去最少を記録。10年前のピーク時（2013年）と比べると半分以下に落ち込んだ。背景には、不動産価格の高騰や若年層の経済的負担の増大がある。政府は手続きの簡素化や大規模な合同結婚式を開催するなど対策を講じるが、2025年の出生数は過去最大の減少幅となる可能性が指摘されている。

ポイント1: 若者の結婚離れと経済的負担の現実

結婚適齢期にある20～30代の人口は増加しているにもかかわらず、婚姻数は減少の一途をたどる。主な要因は経済的な負担の重さだ。特に住宅価格の高騰が深刻で、北京や上海では中古住宅でも年収の25倍を超える水準となっている。また、男性が女性側に支払う「彩礼」（結納金）も全国平均で約290万円と高額で、結婚をためらう若者が増えている。

ポイント2: 結婚を望む親世代と「公園婚活」の現実

若者が結婚に消極的な一方で、親世代の焦りは募る。中国の公園では、親が子供の結婚相手を探す「公園婚活」が活発に行われており、掲示板には年齢や職業、持ち家の有無などが詳細に記載されている。特に30代後半の未婚女性の親たちは、結婚へのプレッシャーを感じている。ある父親は「娘は家では携帯ばかり見ている」と嘆き、公園で積極的に婚活を進めている。

ポイント3: 政府の対策と少子化の深刻化

婚姻数の減少は出生数にも直結する。2023年の出生数は902万人と建国以来最少を記録し、2024年は一時的に回復したものの、2025年には再び大幅な減少が見込まれている。政府は婚姻手続きの簡素化や合同結婚式の開催などを進めるが、根本的な解決には至っていない。さらに、結婚可能年齢を現行の男性22歳・女性20歳から「一律18歳」に引き下げる法改正案が議論されているが、少子化対策としての効果は不透明だ。

未来を読み解くヒント

経済的な理由による結婚離れは、中国に限らず世界的なトレンドとなりつつある。特に都市部では、結婚や子育てにかかるコストが上昇し、若者のライフスタイルや価値観が大きく変化している。政府の政策だけでなく、企業の福利厚生や住宅支援などの民間の取り組みも今後の出生率改善には不可欠となるだろう。

キーワード解説：「彩礼（結納金）」

中国では結婚時に男性が女性側の家族に支払う「彩礼」が伝統的に存在する。地域によって異なるが、近年は高騰し、都市部では数百万円規模に達することもある。経済的負担の増加が、若者の結婚離れを加速させる要因の一つとなっている。

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