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「AIが発明者」は認められず——知財高裁が下した判断と今後の展望


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https://note.com/snowflake_note/n/n6be598a98a3f

ニュースのまとめ

知的財産高等裁判所(知財高裁)は、AIを発明者として特許申請することを認めないとの判決を下した。特許法上の「発明者」は自然人に限られるとする一審判決を支持し、原告の控訴を棄却。世界的にもAIが発明者と認められた例はほぼなく、特許権の帰属は「人」に限定されるのが主流となっている。ただし、裁判所はAI技術の進化を考慮し、今後の立法による議論の必要性にも言及。日本政府もAI開発者に特許権を認める方向で制度設計を進めている。

ポイント1: 「発明者」は人間に限定される

特許法では、「発明者」が「自然法則を利用した技術的思想の創作」を行う者とされている。今回の訴訟では、AIがフードコンテナに関する装置を「自律的に発明した」として特許申請が行われたが、日本の特許庁は却下。その後、裁判で争われたが、知財高裁も「特許を受ける権利が発生するのは自然人に限られる」と判断した。

ポイント2: 海外の動向と異なるドイツの例

AI発明の特許を巡る争いは世界的にも注目されている。日本と同じ「ダバス」の発明に関して、ドイツの連邦裁判所は、発明者は人間に限るとしつつも「AIが作った発明であっても、人を発明者として申請すれば特許が認められる」との判断を示した。このケースでは、AIを使用した開発者の名前を発明者として申請していたことがポイントとなった。一方、米国や欧州特許庁、英国などは、日本と同様に「発明には人の関与が必要」とする慎重な姿勢を維持している。

ポイント3: 今後の制度設計とAI時代の知財戦略

日本政府もAIによる発明の扱いについて検討を進めており、2025年6月に策定予定の「知的財産推進計画」で方針を示す予定だ。創薬などの分野ではすでにAIが重要な役割を果たしており、AIを活用した発明の特許権を誰が持つべきかは、今後の技術開発に大きく影響する。現行制度ではAIが発明者になることは認められないが、開発者に特許権を付与する方向での制度改正が進む可能性がある。

未来を読み解くヒント

AI技術の進化により、知的財産のルールも変革を迫られている。現時点では「AIが発明者」となることは認められていないが、開発者や企業がAIを活用した発明の権利を適切に保護できる仕組み作りが求められる。今後、AIと人間の関与の度合いをどう線引きするかが、特許制度の大きな課題となるだろう。

キーワード解説: 「AI発明と特許」

AI発明とは、人工知能が創出した技術やアイデアのこと。特許法では発明者は「人間」とされており、AIが発明したものは従来の特許制度では保護されにくい。今後、AIを活用した発明に対してどのような権利を付与するかが、各国の知的財産政策の大きな課題となっている。

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