マーケティング理論を寄せ付けない人たちについて
私は約1年前から、マーケティングの仕事をしているが、私の身の回りには、世の中のマーケティングに関するノウハウや理論を積極的に持ち込む人と、一切受け付けない人がいる。
一切ノウハウや理論を受け付けない人(ここでは実践派と呼ぶ)が一概に悪いとは言わないが、なぜそこまでノウハウや理論を受け付けないのかと不思議に思う。(私はどちらかというと、市中に出回るノウハウを軽々しく使って、浅はかな状態を露呈してしまうタイプだ。しかもこの実践派は感覚的には偉い人に多く、非常に厄介だ。。)
私が思うに、実践派は、マーケティング理論を知らないわけではなくて、多くのケースで理論を適用できないと思っている人なのではないかと思う。
理論だけでなく、他社事例などの情報に触れた際も、自分の置かれている状況に適用できると考える範囲が非常に狭い人がいる。こういう人が周りからは理論やノウハウなどの形式知を信用しない実践派として認識されるのだろう。
では一方で、実践派はどうやってマーケティング施策の良し悪しを判断するのだろうか。これはもう経験ですね。今までの自分の経験や、身の回りで起きた経験から判断していることが多い。
こういう人たちはその自分や身の回りの経験を結晶化(抽象化)して、適用していることも多い。これはまさに経験をノウハウ化しているのと等しい。
要は、実践派と呼ばれる人は、ノウハウや理論というものを一切信じないわけではなく、自分の身の回りで起きたことから身につけたノウハウのみを信じるのだ。
しかし、一般的な理論、特に古くから使われている理論というのは、ある程度汎用性が高く、普遍的な事実を伝えていることも多い。
私が今のマーケティングの仕事をしている中で読んだ「売れるもマーケ、当たるもマーケ」という本は業種によって適用できないルールもあるが、どんな業種でも全体で見れば適用できる範囲はあり、時代を超えた普遍性があると思う。
こういった普遍性の高い理論やノウハウを寄せ付けない人は、理論通りの結論が出て、車輪の再発明をしてしまい、単純に勿体無いと思う。
ただ、何でもかんでも世の中のノウハウや理論を持ち込んでしまうのは、それはそれで問題であって、自社で適用したところ、全く結果が出ないケースは山ほどある。そこで結果が出ない理由は、そのノウハウを適用できる細かい条件に気づいておらず、そのまま適用してしまうことだ。
だから、結論としては、世の中のノウハウや理論を自社に適用できるかを見極めるための細かい条件について知った上で、自社に合うようにカスタマイズした上で適用すべしということだ。
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