なぜチケットだけ転売NGなのか?
売りたい人がいて、買いたい人がいる。そこで行われる市場取引。
ヤフオクやメルカリが出てきて、いよいよ市場取引を行う場が整ってきたところだが、2019年6月にチケット不正転売禁止法が施行され、チケットの高額転売等が禁止された。
なんとなく昔から違法なダフ屋などがあり、よくないことなんだろうなという認識はあったが、あらためてなぜチケットだけが高額転売がダメなのだろうか。
例えば、トレーディングカードを高額で売るのは問題がない。ポケカが特に話題になっているが、信じられない高値で取引されていたりする。貴金属やブランド品も高値で取引されているが、ニセモノでもなければ問題になったという例は聞いたことがない。
チケットの転売を禁止すべき特殊性はどこにあるのだろうか?
まず、数が限られている(買い占め可能)ということだろう。数に限りがないもの、例えば本などは、値段を釣り上げるために買い占めたとしても、また出版社は刷ればよいだけの話なので値段は上がらない。
次に時限性があるということだ。トレーディングカードなどは保有することが目的であって、ある時期を超えると価値がなくなるということがないが、チケットは、その対象のイベントが終わってしまえば紙クズ同然になる。
数にも時間にも限りがあるがゆえに、値段が上がりやすく、さらに値段が上がっても買う人がいるというのがチケット取引の特殊な部分なのだろう。
でも市場で高値で売りたい人と、その金額で買いたい人がマッチしただけだからそれはそれでいいんじゃないかと思うのだが、ダメなのだろうか?
興行主からしたら、観客がいくらでチケットを買ったかはわからないが、あまりに高いお金を払わないとチケットを買えないとなるとファンが離れていってしまうリスクがあるし、演者からしたら、できるだけ多くの人に生の演奏なりパフォーマンスを見てほしいという純粋な欲求もあるのだろう。
ただ、需要が高いから転売が成り立つのであって、そんなに需要があるのなら興行主がチケットの価格を機動的に上げることができれば、転売はそもそもなくなるんじゃないかなと思う。