矛盾に向き合う姿勢
このVoicyの放送を聞いて、「すごい言語化力だな」と思ったんですよね。
矛盾に向き合って来た人がビジネスで力をつけてきているという話ですが、確かにその通りかもなと。
仕事とは問題解決である。あるべき姿とのギャップを問題と定義すれば、全ての仕事は問題解決と言える。
その「問題」も多種多様である。解決するのが簡単な問題もあれば、難しい問題もある。
簡単な問題とは、概して解決策がすぐに思いつく問題であり、かつ解決策の実行が難しくない問題だと言える。
逆に難しい問題とは、解決策が簡単に思いつかないか、あるいは解決策を実行するのが難しい問題である。
仕事の本質が問題解決なのであれば、仕事において最も重要な能力は問題解決力だろう。
ただ、問題解決力というのはいろいろな能力を組み合わせた総合能力なので、「問題解決力を高めたい」と思っても何をすればいいかがイマイチはっきりしない。
論理的思考とかコミュニケーション力とか、問題解決に必要な能力はいろいろあるけど、この「矛盾に向き合う姿勢」は問題解決力を高めるためには重要だなと。
ここでいう矛盾って一見すると矛盾しているように見えるというものですね。本当に原理的に矛盾しているものではなく。
例えば例で出ていたのは、「クリエイティブをたくさん作れ」「でも質も高めないといけない」というもの。一般的にクリエイティブの量を求めれば、質は落ちていくと考えられているので、一見すると矛盾しているように見える。言い換えると二律背反ということ。
ここで「矛盾しているのでどちらかを優先させてください」というか「引き受けて、両方を満たす方法がないかを模索する」かは、後々になって問題解決力にかなり差が出てくるというのは肌感覚で理解できる。
私が関わっている仕事の中では、WEBマーケティングにおいてLPへの流入数を最大化することとCVRを最大化することは、多くの場合は二律背反の関係にある。
ここで流入数を最大化するためにCVRは犠牲にするという矛盾を避けた活動をすると、解くべき問題を易しくしてしまうことになり、成長の角度を緩やかにしてしまう。
ここはやはり、パッとは解決策は出てこないけど、考えて、試行錯誤して答えを模索するしかない。その過程で人は大きく成長していくのだと思う。
メンバーから問題解決力を大きく伸ばす機会を奪わないためにも、一見矛盾するテーマを与えることをためらってはいけない。
また、仕事を依頼される方も、依頼された段階で矛盾を感じ、途方に暮れるような仕事であったとしても、まず「やります」と受ける姿勢を持つことは、ダイエットにおける基礎代謝のように、今後の成長角度を急にしてくれる、重要な資質になると思うのだ