あわせみそてーる。.🦋👁👁
併せてジャンコクトー。。
掌編:それでも僕は母になりたい
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2007年07月25日03:24 それでも僕は、はは
に
な
り
た
い
私は、所謂オカマを職業上している男である。
だから時おり、僕やオレや私になる、事を注意しておきたい。
僕はその時の気分で、一人称をかえるからだ。
最初は私、これでも色々やってきた。水商売が長いから
惚れた晴れたも多少あった、でもお金付で子供を養う事になるとは思いもしなかった。
彼は私の目の前で倒れた時、札束をばら撒いた。
子供が、そんな沢山お金もってどうするのかと思った……ので
小遣いに千円という――'70年代生まれが小学生の頃の貨幣価値の
――お小遣い制を作る。僕は、このときから、彼の母親になり始めた。
事の成り行きは、どうしたの僕って聞いたら弁慶の泣き所をけられて
うずくまったことが最初だったかしら?
最初は「なにすんのよこのクソガキ」と思ったわ。
その時「水商売なんか大嫌いだ、おとななんて金で何でも解決しやがる」
――「だから、僕を金もつんだ」とか、そのボウヤがいう物だから長い事
そういう……にらみ合いのような変な家族生活が始まった。
彼が、お金をもっている理由は彼の母親が、お金に苦労させたく無いと
お金を持たせていたものを彼自身が、貯めていたからでもある。
僕は、父親にはれない。その女の事を知らないから――それと、
父親というかてておやに良い思い出がない……からだ。
最悪な生活と、貧乏暮らし、自分と被ったのだ。昔の私と同じだと思った。
だから、このままではよくないとも思ったのだ。
お金は、もてるようになる……けれど……
心は、金では買えないと思わせる事が出来たら、私の勝ちという。
つまらない賭けだった。お子様なんてチョロイと思っていたのだけれど
なかなか上手くいかない――という事がでてくる事が多かった。
このこは、このこで、重たい背負いを持っている……という事が
たびたび判る事になる。
例えば、授業参観なんて母親が行くものだってあるけれど……
親には着て欲しくないらしい、私の部屋のゴミ箱にくしゃくしゃになった、授業参観のお知らせが捨ててあった。
私が行った――なんて事もある。
彼の母親が、水商売という事で、けばけばしい姿をやじられる事もあった
その事をおこって喧嘩をしてそれから私の家で傷の腫れが引くまでいた
という事もあった。「親には話す気がない」という事で……。
「いつまで、この家にいるつもりよ」とか言おうとも思うのだが……。
それは、自分にもいえた。別にここにいる必要は無いのだ。私も。
というか大体、この奇妙な生活は、自分を取り戻す為にお子様と
思い合いの交流という物になってしまうのだ。
お金だけじゃないと思いたいのは、私の方だった。というべきだろうか……。何かしらの袖すりあうのも多少の縁というべきか。
少しのすれ違いもありながら俺たちの生活は、ただヒタスラそういう感じで一日一日が、過ぎる。
私は、私の考え方で彼は彼の行き方で、多少なりと上手くやれるようになった。
僕は、いつの間にか彼の保護者になっていた。
最初の約束のお金の執着心とかも馬鹿馬鹿しくなるくらい
全てが順調になるかのように思えた。
そう彼の母親がここに来るまではだ。
僕はゲームという物をよくはやらない。だからよく知らないが。
彼の母親が彼に預けていたお金を上手くやりくりしていたと言う事実に
最初は、驚かされたものだった。お店の帳簿を私がつけているときに、
「帳簿のここが間違えてるよ、ここはこうだよ」って子供に言われる事なんてあるとは、思わなかった。
自分の必要な指摘をされた事それが認めれたこと……
それから、馬が合ったのは事実だった、僕たちはよく似ていた。
だからこそ、母は共通に敵なのかもしれないと思うこともあった。
けれどそうではなかった。
「健二、探したんだからね……きみ、何処にいるのかワカラナイし学校にはちゃんと着てるけれど――変な人と一緒にいるって言うから」
此方から言えば……変なのは、ここを見つけ出せた女の方なのだけれど。
それでもこれは、彼の母だった。母だからできた事だと私は悟った。
「勝負ついたわね」と僕は言った。言い放った。
「やっぱり他人は他人にしかなれないしお金がないとダメだわ、あー
すっきり、せいせいしたわ、これで――私も、はれて自由のみね」と
「やっぱり金めあてか」と女がいいはなつ。
私は、鼻でわらって
「そうよゴッコ遊びの付き合いだものね」といった
「僕は違うと思えたよ」
「そうよ、だからこの賭けは私の勝ちなのよ」――
「もう保護者役じゃないわ、本物が来ているのだもの」
自分の思う言葉とは、あべこべに思う言葉が出てくる。
心の中は「違うそうじゃないの連続」
そればかりか……彼を傷つけていないか心配になった。
見せ掛けでもいい嘘でもいい、僕は、その時母親になりたいと思った。
「どっちが、臭いゴッコよ。あたしもお水だからね読めるよそれくらい」
と女が言い放った。
「あなたどっちオトコ心?女心?」と彼女はいった。
「親心に男も女もないわよ」と僕は言った。
「そうだね、私もどうかしてた。お金で辛い重いさせたくないから。こんな商売やってるのに……子供の遊びたい時間が、わからない親になってってさ」と彼女はやるせなさを吐露した。
でも私は、こういったわ。
「違うわよすれ違ってただけだわ、あなたたちもね」
僕は、今の状況を手放したくは無いが……。
それでも、親子を離れさせたくなかった。
「まだ、お金大事なんだ……でも判るよ…今なら」という言葉が、そこ
にあった。
まだ私たちのゴッコ遊びは終わらないようだ。
そう――それでも、僕は、母親になりたいと思った。
「また遊びに来るから」と彼は言った
「冗談じゃないわ、ガキのお守りなんかこりごりよ」
と私は言った――もちろん心とは裏腹というやつだろうけどね。
「ほらちゃんとお礼いいなさい」と彼の母はいった。
私の演技は見破られている。やれやれお水として年季入れたつもりだったけど……そろそろ焼きが回ったかしら?
「イイオトコになりなさいよ、そしたら着ていいわ」と私はいった。
その後、たまに会うが、彼にとって私は母親で、あれるのか……わからない。
自分が、主語を気分で変える様に、母に近しいものとしての僕を見ているのか、それとも元同居人としてみているのか、僕には未だ聞く勇気はなかった。それでも僕は、母でありたいと思った。
了