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「インサイト」を読んで消費者の心を動かせ

今回は読んだ本の紹介です。


突然ですが、自分が欲しいものってわかりますか?

人は自分の欲求や行動を説明できない生き物です。
「なぜこれを選んだのですか?」と真正面から聞いても、理由を後付けしたり考えてから答えてしまう。でも選んだ瞬間には理屈ではなくインサイト(人を動かす隠れた心理)に突き動かされているはずなのです。
この本では、インサイトへの迫り方がわかりやすく解説されています。

インサイトの見つけ方

本書では3つのインサイトへのリーチ方法が紹介されています。

【1】問題点がはっきりしない場合は心理的な抵抗を下げる
例えば、「シリアルは手抜きな食事である」という心理的抵抗があったときは「クールな朝食/栄養バランスも良い」といった宣伝を行います。

【2】ありきたりで差別化がむずかしい場合は、潜在ニーズをさぐり、ターゲットの関心と結びつけることが効果的です。
コーヒーを「香り」で訴求したり、ビタミン剤を健康だけでなく「美容」「活力」と結びつけることで新しいユーザーを取り込んだりします。

【3】具体的なアイデアが浮かばない場合は、製品と消費者の接点を改良する方法を探します。
サランラップを切りやすく改良するなどがこれに当たります。

インサイトの調査方法

実際の商品開発現場では、以下のような調査を用いてインサイトに迫ります。

エスノグラフィ調査(場の調査):
現場で密着取材し、その記録を残す方法です。ユーザーの日常的な動きから心理をさぐってインサイトを知ろうとする手法です。
コンビニの行動調査などがこれに当たります。

ポラロイド写真調査(気持ちの調査):
テーマ写真を自由に撮影してきてもらい、持ち寄って話し合うことでユーザーの気持ちを浮き上がらせる手法です。

コラージュエクササイズ(潜在心象の表出):
用意された数百枚の写真からコラージュを作成するグループワークを行い、潜在心象を浮き上がらせる手法です。

* * *

「必要だから買う」時代は終わり、物質的に充足した現在はユーザーの消費行動が多様化・複雑化しています。
だからこそ、商品の機能性ではない別の軸…心理的な欲求を探っていくことが大切になってきています。
心の動きにフォーカスした開発、面白い分野ですね。

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