まつき

一部上場企業にて新規事業系のUI/UXデザイナーをしています。人の脳や心にはたらきかけるデザインってなんだろう?をたまに記事にします。 イラストレーションでも活動中。

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一部上場企業にて新規事業系のUI/UXデザイナーをしています。人の脳や心にはたらきかけるデザインってなんだろう?をたまに記事にします。 イラストレーションでも活動中。

最近の記事

早期プロトタイプの功罪 ここ2年で考えたメンバーとの協業とOOUIについて

「手が早いデザイナー」って良いこと?仕事で「手が早いねー」と言われるデザイナーがいます。 例えば私がそうです。小さなWEB制作会社や急成長のベンチャー企業で膨大なタスクを泣きながら回した経験がこの力を強化してきたと思います。 経験上デザイナーに対する「手が早い」とは、以下の3つを指します。 特に私はアブダクションライン(逆推論)が強いタイプで、ざっくりした要件を伺ったあと「多分こういうものが作りたいんだろうな」という予測を立て、過去の凡例や脳内ストックを頼りに早い段階で構成

    • ロゴ制作/[ SHELPA.design ]

      UI/UXデザイナーのサエキさんの屋号「SHELPA.design」のロゴ制作を担当させていただきました。 プロジェクトの「伴走者」になりたいベンチャーから大手まで、幅広い企業でデザインとマネージメントの経験をお持ちのサエキさん。 そんな彼が「プロダクト開発の難所をともに越えていく伴走者になりたい」という思いを込めて、エベレスト登山をサポートするシェルパ(Sherpa)と手助け(Help)を組み合わせて名付けられた屋号が[SHELPA.design]です。 ご本人がデザイ

      • わくわく感性工学

        「感性工学」と聞いてピンとくる方、どれくらいいるでしょうか。 ちなみにわたしはポカンでした。 『UXデザインの教科書』では、UXデザインの基礎学問として「認知工学」「人間工学」そして「感性工学」が挙げられています。 そこで今回は人間工学に続き、感性工学について触れてみたいと思います。 感性工学とは?感性工学は日本発祥の比較的新しい技術工学で、 広島大学の長町三生教授が創始したと言われています(1995年『感性工学のおはなし』)。 感性工学とは、「生活者の感性やイメージを

        • グラレコやろうぜ -情報の図化-

          仕事柄、チームでのアイデア出しやディスカッションの機会が多く、そんなとき話の内容をササっと絵にして共有すると喜ばれます。 いわゆるグラレコ(グラフィックレコーディング)と呼ばれるものです。 グラレコは描いてて楽しいし、デザイン(情報整理)の練習にもなります。 すでに素晴らしいグラレコのHOW TO記事はたくさんありますので、今回は「グラレコっぽい絵の描き方」ではなく、「情報をどう絵に起こすのか?」について触れたいと思います。 グラレコが注目される理由まずはグラレコについて

          バナーで紐解く『絵を見る技術』

          「良い絵」とはなんでしょうか。 名画/良いデザインとは、決して精緻に描き込まれたものだけを指しません。素描や幾何学の羅列のような作品も傑作と呼ばれます。 絵画やデザイン、イラストなど多くの領域で、私はその点が掴みきれませんでした。 そんなモヤモヤを絵の構造から紐解いてくれたのが『絵を見る技術』という本です。良い絵がいかに計算された構造で組まれ、人の見る癖を考慮して設計されているかが丁寧に解説されています。 「これって、デザインにも活かせるのでは!?」という情報満載だった

          バナーで紐解く『絵を見る技術』

          人間工学の基礎とデザイン

          10年近くデザイナーとして働いていると、「デザインって脳の仕組みや認知、心理にはたらきかける作業だな」と常々思うようになりました。 昔から人間の考え方や行動のクセに興味があり、大学時代には「認知心理学」「心理学」「倫理学」「哲学」を片っ端から受講してみた経験もあるのですが、ここ最近関心が高いのが「行動経済学」と「人間工学」です。 行動経済学(人がついやってしまう行動の研究)については去年勉強して社内ワークショップを開いたりnoteで記事を書いたりしました。 で、次は人間

          人間工学の基礎とデザイン

          ロゴ制作/[ petmore ]

          横浜みなとみらいペットシッター「petmore」さまのロゴを制作しました。 今回はロゴ制作の舞台裏を紹介します。 ロゴタイプはAvenirロゴタイプ(書体)のリクエストはAvenir(アヴェニール)。 スターバックスのブランド書体にも指定されている、ジオメトリックで都会的でありつつ柔らかい印象の書体です。 ロゴを作るに当たって、まずはAvenirの組み方や幾何学図形のザッピングから開始しました。 「犬と猫」のロゴマーク「主に犬と猫を預かるので、ロゴに加えて欲しい」という

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          掟上今日子さんの服を描き起こしてみた

          タイトルの通りです。 きっかけは8月からアマゾンプライムで「アンナチュラル」の配信がスタートし、見事ドハマりしたこと。放送中のMIU404はじめ野木亜紀子さん脚本のドラマを漁りまくり、ブルーレイレコーダーに全話残してあった「掟上今日子の備忘録」も再履修しました。 掟上今日子の忘備録は当時リアタイ&録画して何度も観たし、消さずに残してある唯一のドラマです。 ストーリー展開やテンポ、キャラクターの魅力はもちろん、美術や演出そして何より、服がはちゃめちゃに可愛いんです!! めち

          掟上今日子さんの服を描き起こしてみた

          UX JAM Online #05

          UX JAM Online #05(動画アーカイブ)の視聴レポートです。 ※講義は一部抜粋しています UXで作るサービスの優しい世界観◆株式会社stand.fm デザイナー 大石 未央さん 自社プロダクト「stand.fm」では、音声配信をユーザーが安心して配信できる優しい環境・体験作りを大切にしたそうです。 【やさしいインターネットづくりの工夫】 1)数字の非表示化 / 配信者のプレッシャー軽減 2)BGM機能 / 話の間を音楽が埋めてくれる 3)誹謗中傷への対策 /

          UX JAM Online #05

          「インサイト」を読んで消費者の心を動かせ

          今回は読んだ本の紹介です。 突然ですが、自分が欲しいものってわかりますか? 人は自分の欲求や行動を説明できない生き物です。 「なぜこれを選んだのですか?」と真正面から聞いても、理由を後付けしたり考えてから答えてしまう。でも選んだ瞬間には理屈ではなくインサイト(人を動かす隠れた心理)に突き動かされているはずなのです。 この本では、インサイトへの迫り方がわかりやすく解説されています。 インサイトの見つけ方本書では3つのインサイトへのリーチ方法が紹介されています。 【1】問

          「インサイト」を読んで消費者の心を動かせ

          「デザイン経営」宣言の忘備録

          夏休みに時間があったので、経済産業省が出した「産業競争力とデザインを考える研究会」の報告書をもう一度読み返してみました。なぜいまデザイナーが「UI・UXデザイナー」と呼ばれ始めているのか。なぜ企業がデザイン最高責任者(CDO)を置くようになったのか。 「デザイン経営」ってなんだっけ第四次産業革命によって革新的なイノベーションが起こるようになった一方で、従来の常識や経験が通用しなくなった現在。機能や品質だけでは差別化が難しいなかで、価値を創り出しユーザーから圧倒的支持を集める

          「デザイン経営」宣言の忘備録

          UIのトレス練習がおすすめです

          UI/UXデザイナーはPJ背景をまとめたりミーティングで議論を重ねることが多く、手を動かす機会が少なくなりがちです。 そんなときは、BehanceやPinterestでいいなーと思ったデザインのトレスをしています。 表現のストック、トレンドを拾う 単純に手を動かしたい欲の解消がてら、表現のストック・トレンド収集を目的に行います。 日本語フォントはHiragino Sans、英数字フォントはRobotoですべて統一しています。 お洒落パワーが強いフォントの力に頼らず、サイズ

          UIのトレス練習がおすすめです

          なぜ「SAVE THE JAM」は成功したのか

          SAVE THE JAM - 「印刷で遊ぶ。印刷と遊ぶ。」を残したい。 ひとつの印刷会社を救うために始まったこのプロジェクトは5,204人の支援を集め、1ヶ月で目標金額の300%を達成することになりました。 今回のコロナの影響で、たくさんの支援プロジェクトが立ち上がりました。そのなかで「SAVE THE JAM」はなぜこのように素晴らしい結果を残せたのでしょうか? 楽しさを「覚えていた」『「遊ぶ」って、おもしろい。』をコンセプトに、”孔版印刷”に特化した印刷事業を行って

          なぜ「SAVE THE JAM」は成功したのか

          「あつ森」でみる行動経済学

          行動経済学とは、理論的には説明できない「人がついやってしまう」行動の研究です。関連書籍は多くあるものの、理解がむずかしくなかなか敷居がい… そこで今回は「あつまれどうぶつの森」(通称「あつ森」)を例に、行動経済学の原理がどのようにコンテンツに織り込まれているのかちょっと覗いてみましょう。 収集バイアス/自己表現 あつ森では、自分が住む無人島を自由にカスタマイズすることができます。 家具・壁紙・床など好みのシリーズを収集して自宅の内装を自分好みにできたり、島の地形を整えて自

          「あつ森」でみる行動経済学

          「開校100年 きたれ、バウハウス 造形教育の基礎」展開催 前夜祭! バウハウスとノル レポート

          2019 年に開校 100 年を迎えたドイツの造形学校バウハウス。 寺田尚樹氏(ノルジャパン副社長)を案内人に、バウハウスとノルの歴史に触れる「開校100年 きたれ、バウハウス 造形教育の基礎」展開催 前夜祭!  バウハウスとノル」に参加してきました。 バウハウス…好きなんです。幾何学的で機能的な造形がたまりません。 歴史に翻弄されたバウハウスバウハウスは1919年〜33年にドイツに存在した美術学校で、わずか14年の歴史にも関わらずデザインの歴史に大きな影響を残しました。

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          アイコン制作/ヒゲめがねさん

          ご縁がありまして、このたびヒゲめがねさんのアイコンリニューアルを担当させていただきました。ヒゲめがねさんの許可をいただいたので、今回はアイコン制作の舞台裏を書いてみたいと思います。 1.要望の整理 まずはヒアリング。 今回は既存アイコンのリニューアル。長い間使われていて既に認知度の高いアイコンのため印象は維持しつつ、もう少し「やわらかい」印象に変えたいというのがご要望でした。 2.初稿まずは元アイコンを精度を変えてトレースし、ラフ具合の確認からはじめました。選ばれたのは真

          アイコン制作/ヒゲめがねさん