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20240905 遠くに実在する生活文化の空気を感じ取りたくて必死

今朝もフィルムカメラを持って保育園まで送りに行った。そのあと家に戻る途中で、また何か撮るつもりだった。

保育園の駐輪場に到着して私が自転車から降りた後、長男は後ろのチャイルドシートから私がさっきまで乗っていたサドルにするすると移動し着席した。そしてハンドルをつかみ、ペダルに届かない足をバタバタさせて、電動自転車を漕ぐマネをする。本人としてはバイクを運転してるつもりらしい。
弟を乗せた電動自転車を兄が漕いでる風の様子がいいなと思ったので、それをカメラで撮った。

兄弟を送り届けた後、味のりを至急調達するために少し遠くのスーパーへ。今朝味のりを切らしてしまった。これがないと兄弟の精神は安定しないから、夕方彼らが帰宅する前に買っておく必要がある。
少し遠くのスーパーは駅の近くにある。わざわざ足を向けたのは、駅周辺の写真を撮りたかったから。

古びた個人店とか、路地裏とか、小さい酒場が並ぶ横丁を中心に撮った。
フィルムカメラならではの「カシャ」という音が心地よい。写真自体を撮るよりも、この音が聴きたくて撮っているところがある。

朝の横丁は人通りもまばらでしんとしており、陽の光を浴びて明るい。前夜に人々が開けたであろうビール瓶が入ったケースとか、使用済みのおしぼりをまとめた袋などが乱雑にドサっと置いてある。朝にこういう宴のあとの残り香のようなものを見るのは新鮮でおもしろい。

日頃家事育児に身を沈めている立場としては、昼間に車か自転車で訪れやすい安心安全できれいな場所へ出かけるばかり。狭く雑然とした暗い場所には行かないし、夜に外出するっていうこと自体が滅多にない。でも、こういう雑然風景を見るのは、本当は昔から好きだった。
だから朝の限られた時間だけでもいいからこの光景を目に収め、遠くに実在する社会文化の空気を感じ取ってみたくなる。

ところで、よく晴れた日の保育園送迎時はサングラスをしている。眩しすぎて前が見えづらいと、親子共々事故に遭いそうで。
サングラスをしていると、目に映る風景すべてがフィルターにかかった味わい深い写真のように見える。だから自転車で走っている間もいいなと思う光景がたくさん目に入り、あれもこれも撮りたいという気分になる。
ただし味のりを買って駅周辺に寄っていたら、出勤までに残された時間はもうあまりない。木漏れ日を浴びたコカコーラの自販機が気になったけど、撮影は諦めた。
また今度と脳に備忘録を刻み込みながら、電動アシストの推進力を使ってペダルを強く踏み、家へと急いだ。

ギリギリ出勤。在宅勤務。とんでもなく集中。時短勤務は短期集中の勝負。この短期集中の感じは、たぶん本当は健康に良くない。退勤後、頭の疲れがひどい。その後も休む間もなく待ち構える家事育児を思うと、余計に頭の中心がギューっと萎むような、頭蓋骨が軋むような、脳みそが緊張して小さく硬くなっていくような感覚がする。

忙しい日々でも何かを楽しもうとしながら努力してみているけど、結果的にいろんなことに手を出し疲れ果てるのなら、楽しみとかいいから淡々と省エネで日々を過ごしたほうが楽なんだろうか。と、子供らに鬼の雷を落としたあと呆然としながら考えた。

なんだかとにかく疲れている。また阿波踊りやらないかな。そしたら復活する気がする。

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