見出し画像

20241129 屈強なポケット

朝は家で仕事、午後からオフィスに行く日。
駅に行く間に、抱っこ紐に入った赤ちゃんを何名か見た。足がぷらぷらと重力に任せて揺れる様子とか、少し寒いのであったかいカバーで体は覆われているのに頭だけ無防備にひょこっと飛び出て、ふわふわスケスケの毛が生えているのが最高。

抱っこ紐におさまって街へ連れられる赤ちゃんのショート動画があったら地球が滅亡するまで永遠に見続けると思う。

今回の通勤電車ではちゃんと本を読んだ。上着のポケットに本を入れるソリューションを思い出す。寒くなり屈強な上着を身につけ始めるとこで呼び覚まされる手法。文庫本が入るサイズのポケットは屈強な上着限定仕様なので。初秋に羽織る程度の上着のポケットは心許ない。

こうしてポケットに何もかも入れる時期になると、大学時代に所属していたサークルの先輩を思い出す。

その先輩はいつも手ぶらで大学にやってくる。カバンとか持たない。ジーンズの後ろポケットにグチャっと何かのプリントとペンを突っ込んで登場する。で、我々後輩がそこにいると気付くと手ぶら故に何の突っかかりもなくスッと手をあげ「よっ」と挨拶をしてくれる。

その先輩のなりふりに、当時は感銘を受けていた。あれだけ物事から自由になれている人もいない。絶滅種サーベルタイガーを見つめるような眼差しで、その先輩を観察していた。

オフィス到着、出勤。あれこれ流れるままに働き、今夜は子供たちと家のことすべてを夫に託してそのまま会社の懇親会に参加。久々の社交場を大いに楽しみ懇親した。

帰りの電車。23:39とかいう昨今の自分の生活史上外にいるのが希少な時間帯、駅員さんが「お見送りの方離れてください!」とアナウンスして電車のドアが閉まった。この時間帯になると、駅のホームではそういうドラマティックな別れとアナウンスが発生するのか…と胸を打たれた。

最寄り駅に着き歩いて自宅へ。深夜の散歩は滅多に食べられない鰻を食べられるみたいな喜びがある。
深夜帯の名物、大通りの工事現場を今回も目撃でき満足。確かに夜の外を歩いてるという実感を噛み締めて帰宅。川の字で寝ている男たちの様子を確認。私は隣室のベッドで久しぶりに1人きり、誰にも蹴られずのびのびと眠らせてもらった。

いいなと思ったら応援しよう!