山本太郎、禁じ手の“N国しぐさ” 衆院選前から画策か

政党の得票数に応じて議席を獲得する比例代表制によって
昨秋衆院議員に選出された山本太郎が参院選に鞍替え出馬することを表明した。

理由として、自ら党首を務めるれいわ新選組の党勢を拡大させるためという。

選挙区選出の議員で辞職すれば繰り上がりはなく、再選挙を行うため、自党の候補が続けて当選するとは限らない。
比例選出であれば、辞職しても確実に自党の次点の候補者が繰り上がるため、確かに党勢を拡大できる可能性は広がる。

それに、辞職した議員が出馬するだけで当選するような超大物であれば、
鞍替え出馬しても当選する可能性が高く、その場合単純に1議席増えることになる。

極端な話、選挙区で得票率の高い上位5名の自民党議員を参院選で比例代表で当選させ、直後に辞職して衆院選小選挙区に出馬すれば5議席増えることになるのだ。

国会議員を務めるような人であれば誰でも思いつくような簡単な方法。
それでもその禁じ手に乗らないのは、国民からの負託に対する裏切り行為にあたるからだ。(違法ではない)

一方、山本太郎は昨年の衆院選に小選挙区で出馬していても選挙区選びさえ間違えなければ確実に当選できていた。
それをあえて、比例で出馬したということは当初からこのような方法を取るつもりだったのではと邪推せざるを得ない。

れいわ以外の野党を支持する有権者からも山本太郎はそのカリスマ性から支持を集めていたが、今回ばかりはそうもいかず厳しい戦いが予想される。

とはいえ、山本太郎氏自身は勝算がある踏んでいるだろう。
れいわ新選組の支持者がいるからだ。

彼ら支持者は、半ばカルト化しており、山本太郎氏を個人崇拝する領域に達している。
山本太郎氏が「総理大臣になってこの国を変える」と言って衆院選に出馬したことも、都合良く忘れ去っている。

この記憶がよみがえれば、山本太郎氏の矛盾や一貫性のなさが露呈するからだ。
ただ、今度の参院選で共闘を模索する他の野党にとって好材料がないわけではない。

このような脱法行為を以てれいわとの関係を断ち切ることができるからだ。
裏を返せば、今ここで事態を重く見てれいわとの関係を断ち切らないのであれば、参院選で国政にねじれをもたらせる確率は、今シーズン阪神タイガースがセ・リーグを制覇する確率を下回るだろう。

野党には賢明な判断が求められる。



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