消費税アップだけじゃない 政府、走行税導入を検討
「1080円の物が1100円になるだけ。大したことはない。」
来る増税に対しそう感じている人がほとんどではないかと思うのですが、今からちょうど30年前は1000円の物は1000円で買えたのです。
何が言いたいかというと、この30年で私たち国民の感覚はずいぶんマヒしてしまったということです。
また、増税というのは単に税率が上がるだけの話ではなく5年前消費税が5%→8%に上がったとき、たとえば食料品では価格(税抜き)はそのままに内容量だけ減らされるといったことが横行しました。
自分が大学生になってから、つまり消費税が8%に上がってから、お弁当を持たなくなり、冷凍食品を買うことがなくなったのでついこの間まで気付かなかったのですが、ニチレイフーズのミニハンバーグは6個入りだったのが5個に減っていました。
こうしたことが知らないうちに行われるのが消費増税なのです。
消費税は今後も止まることなく少しずつ上げられていくに違いありません。なぜなら、たかが2%上がるだけという空気感が漂っているからです。
クルマ離れを加速させる走行税の導入
さて、本題に入りますが、いま政府は走行税の導入を検討しています。
走行1㌔あたり5円の課税を考えているとのこと。
背景には、電気自動車の普及により今まで徴収できていたガソリン税(燃料税とも)が取れなくなってきたことが挙げられます。
どのように徴収するかというと、すでに導入しているニュージーランドのようにGPSでそれぞれの車の位置情報から走行距離を割り出すのです。
距離メーターで徴収すると、リセットできちゃうのでカンタンに課税逃れができてしまいます。
だったら、リセットできないようにすればいい話なのですがこの国に生きるすべての人がリセットできない車に乗り換えるわけではないので現実的ではありません。
私は、年間2万㌔近くを走行する超ヘビーユーザーなので年間走行税だけで5万円~10万円が消えることになります。
5万円あれば、1カ月半の食費は賄える計算なので地味に痛い出費です。
なぜか優遇される富裕層
政府はこうしてあまねく徴収できる徴税システムを思いついては、のんきに増税を控えている隙に導入してしまうのです。
このやり方の一番の問題点は、お金をたくさん持っている個人や企業からはなるべく徴収しないようにしているという点です。
なぜ政府はそんなことをあっさりやっちゃえるのかというと、お金を持っている個人や企業は影響力が半端ないのです。
たとえば、ホリエモンがなんの根拠もなく安倍政権はすばらしいと言ったら「あのホリエモンが言うのだから間違いない」と信じて何も調べず、考えずに自民党に入れてしまう人って結構たくさんいます。
裏を返せば、ホリエモンに「安倍政権をぶっ壊す!」って何度も連呼されたらヤバイわけです。
だから、金持ちの機嫌を損なわないよう金持ちに対してはできるだけ税金を取らない方向に政治が動いているということを知っておいた方がいいと思います。
これが、単なる言いがかりだと思うのなら、大企業法人税の実効税率や所得1億円以上の所得税を調べてみるといいと思います。