銃撃事件から2年:止まらぬ暴力の連鎖
安倍元首相が凶弾に倒れてから2年。
事件当時は、首相経験者が公衆の面前で銃撃されるというインパクトの大きさから、国外でも衝撃を持って受け止められた。
また、1年が経たないうちに今度は現職の総理大臣が狙われる事件も発生し、国内の安全保障環境が深刻さを増していることが窺える。
武力に頼らずとも暴力的行為は各地で頻発するようになってきた。
直近の事例では、衆院東京15区の補欠選挙における選挙活動の妨害や昨日投開票を迎えた都知事選でのビラ投げつけ事件はいずれも逮捕者を出している。
しかし最も懸念されることは、こうした暴力行為やそれに準ずる行為に対しての加害意識が希薄な点だ。
これは、加害者本人はもちろんその者を支持する人も含まれている。
なぜそうなってしまうかといえば、自分たちの基準で相手が一方的に悪である場合、その相手にはどんな行為も許されると思うからだ。
自分自身が支持する対象に同じ行為がはたらかれることは許されないが、敵対している勢力は問題ないとでもいうのであろうか。
実際にビラ投げつけ事件でも、相手が現職の小池都知事であったことから、小池都知事に批判的な人たちからは「そんなことで逮捕するの?」といった信じられない反応が見受けられた。
こうした状況を看過すれば、事態はますますエスカレートし歯止めが効かなくなってしまう。
相手がどんな悪人であっても、言論には言論、政策には政策で対峙しなければならない。
恨みや復讐は、命を奪っても、暴力をふるっても何ら果たされないのだから。
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