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【今日の駅弁】松本・月見五味めし(有限会社イイダヤ軒)ー駅弁の中の名月を見ながらー

 中秋の名月と満月が重なったのは8年ぶりという先日の晩。台風一過ということもあったのかお月様の存在感が際立っていましたね。

 私ごとではありますが、ワクチンの2回目を接種しましたが、「副反応」の発熱や、一通り出てしまい、やっと体調が回復したあとに見る満月でしたので、なんだかしみじみとしてしまいました。(副反応のことを考えると3回目…辛いそうです)

 さて、駅弁にも「月見」にちなんだ駅弁があるんです。昭和38年から発売されている「月見五味(ごもく)めし」という松本の有限会社イイダヤ軒さんが作られている駅弁です。約60年もの間発売されているロングセラー駅弁! 「食べたことある!」という方も多いのではないでしょうか。(ちなみに私は初めて頂くので、とっても楽しみです! 還暦間近の月見五味先輩に、一度もご挨拶せずに申し訳ございません💦)   

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「月見五味めし」 900円

安曇野産米使用、錦糸玉子, 豚肉煮,山菜,ゼンマイ煮,竹の子煮,山ごぼう,リンゴしそ巻,ゆで海老,ロングエッグ,紅しょうが,ワカサギ甘露煮,茶飯

 紙箱を開けると駅弁の説明があります。駅弁は中身が直接見れないものが多いので、開けるのがまず第一の楽しみです。わくわくしますよね! さらに蓋をあけると卵の黄身がお月様を想像。海老やワカサギの甘露煮の存在感もあり、山菜や御飯も美味しく頂きました。後で容器を洗ってひっくり返してみると、容器にも会社名が入ってます!

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購入したところは、松本駅の改札内にある「駅弁あずさ」さんです。(営業時間 7:40~20:10、無休)気になる駅弁を何個か購入したのですが、持参したエコバッグに入れようと思ったら、お財布を出したり入れたりちょっともたもたする様子を見てか店員さんが気を遣って丁寧に入れてくれました。少しの親切が嬉しいですよね。

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 下記は昭和58年9月に発行された「国鉄構内営業中央会」に掲載されている「月見五味(ごもく)めし」の写真です。

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その紹介として、

『中央線で特急に乗ると新宿から三時間名古屋から二時間三○分で信州松本に着く。松本は晴れた日の西の空にアルプスの峰々がくっきりと浮かび、露地裏には長い年月を経た土蔵の白壁がひっそりと続く静かな城下町である。近くの観光地としては美ヶ原高原があり、北アルプスをはじめ、中央アルプス、南アルプス、秩父連山、さらには遠く霊峰富士を望む三六○度の展望を誇りそのありさまを詩人尾形喜八は、「登りついてふいに開けた眼前の風景に、しばらくは世界の天井が抜けたかと思う。」とたたえている。
 「月見五味めし」は国宝松本城の月見やぐらがヒント。五層六階建て、日本最古の木造天守閣を誇る松本城は約三七○年前の実戦型築城とはいいながら天守にしゃれた月見やぐらを配する珍しい構造。慶長のころ、この城を築城した石川数正が狩りに出かけた際、獲物の肉と山菜をませた武者料理を作って月見やぐらで宴を催し、月を眺めながら城下の繁栄を願ったということに由来している。
 満月を思わせるうずらの目玉焼、牛すき、えび、錦糸たまご、たけのこ、椎茸、さやえんどう、わらび、しめじ、うどなどの山菜を四季おりおりに取り合わせ信州の香りを楽しませてくれます。(価格七○○円)』

 駅弁の容器は多治見焼の蓋付陶器からプラスチック製に、それを収める紙製の箱のデザインも変わりますが、この駅弁の由来を思いながらいただくと、タイムスリップしたような気持ちになる駅弁です。月を見ながら思う気持ちは先人も今も同じなのかもしれないですね。

☆ 有限会社イイダヤ軒さん

 イイダヤ軒さんは「駅そば」も有名! 松本駅前にある「ホテル飯田屋」のお隣の「駅そば」も是非ご堪能ください。お蕎麦もとっても美味しいんですよ〜! しかもおそばは300円〜というお財布に優しいお値段です。「信濃では月と仏とおらがそば」…松本のイイダヤ軒さんで月とおそばをいかがでしょうか。

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上は夏季限定の「ひやしおろしそば」470円。やっぱりお蕎麦も食べたいですよね!

(2021年9月)




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斉藤のん
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