ハリソン・フォードによると、ショーン・コネリーは、『好色一代男』の世之介のように手が早かった
もうだいぶ前のことだが、NHKのBSで、『アクターズ・スタジオ・インタビュー』という番組を放送していた。
その中に、ハリソン・フォードをゲストに招いた回があった。
ハリソン・フォードがショーン・コネリーと共演した、『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』について、司会者のジェームズ・リプトンは、彼にこう言った。
もし私の計算が正しければ、ショーン・コネリーが12歳の時にあなたの父親になってないといけないことになる。
ショーン・コネリーは、この映画の中で、ハリソン・フォードの演じるインディ・ジョーンズの父親役だった。
ハリソン・フォードはどう応じたか？
”But, Sean."
"He could do it."
ハリソン・フォードの芝居がかったコメントは、スタジオの観客に大うけした。
残念ながら、この番組は再放送されていないが、"Inside the Actors' Studio with Harrison Ford" で検索するとFacebookの中に動画が見つかった。
ところで、１２歳で異性を抱いた男というと、井原西鶴の書いた『好色一代男』の主人公、浮世之介である。
世之介十二より声も替りて、おとなはづかしく、 はづるとはなくに、「かくしばらくの事も、 一世ならずくわんさまのお引合せ、末々馴染みて、もし又お中にやうすが出来たらば近所にさいはひ子英のお地蔵はござり、大儀なれど、百の餅舟は阿爺がするぞ。気遣ひなしに帯とけ」と、ひとつも口をあかせず、わるごうある程つくして物しける。
世之介もはや十二歳(去年)から声変りして、おとなも及ばぬ押れ押れしさで女に向かって言うには、
「こんなかりそめの契りも、この世だけの縁とは思われない。清水の観音様のお引き合わせだろう。これから馴染を重ねて、もし子供でもできたら、近所に幸い子安地蔵はいらっしゃるし、厄介だが安産御礼のお供え餅の百ぐらいは、親父のおれがしてやるから、安心して帯を解け」
と一人でしゃべりまくり、悪ふざけの限りを尽して遊んだ。
とんでもない１２歳である。
『好色一代男』は、色々な人が現代日本語に訳しているが、原文の、「わるごうある程つくして物しける」の部分は、訳者によって、かなり異なる。
女には一言も口を利かせず、ひとりで喋りまくった末、その道の悪巧者、ありったけのことをして遊んだ。
女には口をきかせず、悪ふざけの限りを尽くして情を交わした。
古語の「ものす」は、なんであれ「する」ことを指す。ハリソン・フォードが言った、英語のdoと同じである。
『新編日本古典文学全集 66 井原西鶴集1』の注釈では、「ものす」は「交合する」とされている。身もふたもない表現である。
ただし、この記事によると、『好色一代男』には、「華麗な恋愛体験が随所にあれど、性描写はほとんどない」そうだ。
まだ通読していないが、江戸時代のベストセラーがどういうものだったか、一度、読んでみるのもいいかもしれない。
According to Harrison Ford, Sean Connery was quick to dabble with women, like Yonosuke in "Koushoku Ichidai Otoko"
A long time ago, NHK BS broadcast a program called "Actors Studio Interview".
One of them featured Harrison Ford as a guest.
Of Harrison Ford co-starring Sean Connery in Indiana Jones and the Last Crusade, host James Lipton told him:
Picture called Indiana Jones and the Last Crusade.
Now, if my arithmetic is correct, Sean Connery ,in order to be your father, would have had to be your father at the age of 12.
Sean Connery was the father of Harrison Ford's Indiana Jones in the film.
How did Harrison Ford respond?
”But, Sean."
"He could do it."
Harrison Ford's theatrical comments were a hit with the studio audience.
Unfortunately, the show has not been rerun, but a search for "Inside the Actors' Studio with Harrison Ford" found a video on Facebook.
By the way, the man who had sex at the age of 12 is Ukiyonosuke, the main character of Saikaku Ihara's book "Koushoku Ichidai Otoko".
Yonosuke's voice has changed since he was twelve years old (last year), and he said to the woman with a sternness that even adults could not match,
"I don't think this short-lived vow is just a connection in this world. Shimizu Kannon must have introduced you to me.
From now on, if you get used to it, if you have a child, fortunately there is a Koyasu Jizo in the neighborhood, and although it is troublesome, I will do about 100 rice cakes as an offering of gratitude for a safe delivery, so don't worry and untie your obi."
and he chatted to himself and had sex with her.
According to this article, "Koshiki Ichidai Otoko" has "almost no sexual depictions, although splendid love experiences are everywhere."
I haven't read it through yet, but it might be a good idea to read it once to see what the best sellers of the Edo period were like.