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減り続けるコンビニエンスストア。ドミナント出店とヤドリギの生存戦略
近くを歩いていたら、調理師不在のため休業します、と表示した飲食店を見た。
私の近所では閉店したコンビニエンスストアは無いが、コンビニエンスストアの総数は減っている。
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一方、コンビニエンスストアの売り上げは堅調だ。
日本フランチャイズチェーン協会が集計・発表した「コンビニエンスストア統計調査年間集計(2023年1月から12月)※」をみると、売上高が前年比 4.1%増で 3年連続の増加、来店客数は 2.9%増で 2年連続増加、平均客単価も 1.1%増で 10年連続の増加と、どれをとっても順調な数字をはじき出しています(いずれも既存店ベース)。
※一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)正会員7社(セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ポプラ、 ミニストップ、山崎製パン デイリーヤマザキ事業統括本部、ローソン)が対象。
日本フランチャイズチェーン協会が20日発表した7月の全国コンビニ売上高は、比較ができる既存店ベースで1兆102億円だった。前年同月比0・4%増で、プラスは8か月連続。記録的な猛暑と行楽需要で、おにぎりや菓子、ソフトドリンクが売れた。
来店客数は0・4%増、平均客単価は0・04%減とほぼ横ばいだった。
かつて、「ドミナント出店」または「ドミナント戦略」と称して、ほんの少し離れたところに、同じブランドのコンビニエンスストアを開業することが頻繁に行われた。
ドミナント出店のメリットには、商品供給・販促活動や物流インフラ等の効率運用、消費者への浸透、競合の排除などが考えられる。
ドミナント出店のデメリットは、同業他社との過当競争、1店当たり売上高の低下、エリア内店舗同士の足の引っ張り合い等がある。
今後は、ドミナント出店は起きないかもしれない。一方、植物界では、鳥と共存する、独自の「ドミナント戦略」を持つものがいる。
ヤドリギは冬に黄色い実をたくさん付けます。その実はフルーティですが、ねっとりと粘着質でその果肉に種子が包まれています。ヤドリギは寄生植物で、他の樹木の幹や枝に根を食い込ませて成長しますが、一方的に水や養分を奪っているわけではなく自らも葉緑素を持ち光合成をおこなっています。だから、陽当たりの良い樹冠で良く育ちます。
でも、ヤドリギは樹木の枝などの高い所に寄生する植物。風で種子が運ばれるという移動方法では陽当たりの良い樹冠にはそうそう辿り着けません。そこでヤドリギが取った生存戦略は、鳥に実を食べさせ、飛んで行った先の木の上でウンチをしてもらい、ねっとりしたウンチが樹木の枝や幹に付着することでウンチの中のヤドリギの種が発芽し、生息域を拡大していくという方法です。
そして、この戦略に見事はまっているのがヒレンジャク。ヒヨドリも時々ヤドリギの実を食べることはありますが、ヒヨドリは他にも色々な実を食べるので、ヤドリギにとってはあまり効率の良いパートナーとは言えません。それに比べヒレンジャクはとにかくヤドリギが大好物。
上の記事は、環境省の地方事務所の職員によるものだ。こういう記事を環境省が公開しているとは知らなかった。下の記事は、在野の都市鳥研究家による観察記録である。
ヤドリギの枝は分岐し、四方に伸びているので止まりやすい。
果実の直径は約7mmで、レンジャクが丸呑みにしやすいサイズである。
果実を食べるとしばらく枝に止まって休息する。
その後、「チリチリチリ」と鳴いて水場に移動して必ず水を飲む。
果実の粘着質の部分が口や喉にへばりつくため水を飲みたくなるようだ。
水を飲んだレンジャクは、決まって樹木の枝に止まって休息する。
そのとき、粘り気のある糞が排出され、未消化な趣旨が数珠つなぎになって尻からぶら下がり、宿主の枝や幹に付着する。(中略)
水を飲むことにより果実は消化管内を早く通過して排泄される。
そのため、ヤドリギの近くに種子が散布され、ヤドリギのあるところにますますヤドリギが増え集中的に分布するようになる。
レンジャクにとっても果実を効率的に採取できるようになる。
鳥類と植物という、異なる種類の生き物がお互いにとって有益な状況を作り出すまでに、どのような進化の過程を経たのだろうか。
タイトル写真は、「ヒレンジャクとヤドリギの関係」環境省,2024/2/2から引用
The number of convenience stores continues to decline. Dominant store openings and Mistletoe's survival strategy
While walking nearby, I saw a restaurant with a sign saying it was closed due to the absence of a chef. No convenience stores have closed in my neighborhood, but the total number of convenience stores is decreasing.
Meanwhile, sales at convenience stores are strong.
In the past, it was common for convenience stores of the same brand to be opened just a short distance away, a practice known as "dominant store openings" or "dominant strategies."
In the future, dominant branching may not occur. On the other hand, in the plant kingdom, there are species that have their own "dominant strategies" that allow them to coexist with birds.
This article was written by an employee of a local office of the Ministry of the Environment. I had no idea that the Ministry of the Environment had published such articles.
What evolutionary process did different species of creatures, birds and plants, go through to create a mutually beneficial situation?
The title photo is taken from "The Relationship between Waxwings and Mistletoe," Ministry of the Environment, February 2, 2024.