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何度も読み返した小説、感想文で賞を貰ったエッセイ、お気に入りのCD、ポスター、フライヤー、褒めてもらった洋服、化粧品。綺麗な思い出ばかりを詰めた段ボールを眺めながら、ここに来るまで本当に長かったな、やっと終わるんだ、と実感した。同時にまたすぐ帰らなきゃいけないことが既に憂鬱。最後の箱に大切なぬいぐるみを乗せて蓋をした。レースのカーテンを撫でる優しい風を吸い込んだら、随分と長い夢を見ていただけのような気もしてきた。ぬるい日差しに騙されたふりをして、ここであった苦しいことすべてを置いていけたらいいのにな。 


更新されるタイムラインを追いかけるように変わっていくユースカルチャー、怠惰すらもそれへと昇華され、薄暗い、散らかった部屋で泣きながら割れたiPhoneを弄り、インスタント麺を啜る少女がエモいと評され、映像作品になったりする。結果どうなったかというと私たちのSOSがそのゴミ溜めと処方箋の中に埋もれた。あ、これカルチャーだったか、と、まぁそんなところ。極端に強い薬じゃないと怖くて眠れないくせに昼間ふつうに学校行ったりバイト行ったりしたいから眠気ウザいとか言う方がワガママなんだろうな。ちょっとだけ入院する?みたいな話も出たけど結局治るわけでもないし無駄すぎてやめた。でもなんかもうずっと病院居たいな。ライブもディズニーもユニバもお花見も海もバーベキューも渋ハロもスキーも行けなくていいし写真も撮れなくていいからとにかく眠りたいんだちゃんと。バ先半袖だしリス禁してたここ数日で逆にメンヘラ加速したんだが?うぁぁぁぁってなった時どうしようもなすぎてこれからどうしようとなるこの感じ、中学最後のバレーの試合でユニフォーム着るからって一週間だけ二の腕と太ももばっか切ってた頃と似ててそろそろこの量産型メンヘラ紛いのこと卒業しなきゃやばいぞお前と思いながら履歴書を書いた。最近母親の態度が急に変わってまるで普通の家族のように接してくるので本とかネットで見てみたら毒親の典型らしくて十数年間のすべてを水に流そうとしているらしい。何もなかったことにされて母娘ごっこを始めたいんだこれから。え?そんなこと言った?そんなことした?覚えてない知らないやってない、ってされるんだろうな。あーあ情け無い。 


一向に体調が良くならないどころか悪くなってるのほんとなんなんだウザい。私の人生どうなるんだろうな。レヴィナスのイリアに支配されてる感じ、外はこんなに暖かくて明るいのに。だからいつまでも春をあまり好きになれなくて、でも去年の桜がすごく綺麗だったことは覚えてる。 


柔らかい光に自分の欠陥を浮き彫りにされる昼下がり、いろんなものを捨てた。さよならの代わりに水色の呪いをかけて、この街を出るよ。どうか腐って爛れていくようにって。

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