すでにやっていた
仮定の話で、STR TE548をオーダーするとしたら…というトピックで毎日書いております。ウッドの組み合わせは既に念頭にあり、それはAlusonicに見積依頼したスペックと同じです。あちらは63万円という回答でした。GIBさんは代理店と仰っていますが、決済時の為替がそのまま反映されるようで、見積は「予想」とされています。€・円の関係が変動した場合には、こちらが良くも悪くも負担することになります。しかし、在庫品が50万円以下で、ウッドと色の指定によって15万円のアップチャージは正直、痛い。オーダーを諦めて在庫品で検討するうち、同価格帯の対抗馬としてSTRが浮上しました。
こちらもオーダー品は、在庫品に対してどのように差額が発生するか、問い合わせてみなければわかりません。弾いてみての感想は、前に書いたとおり、PUとサーキットを違うものにしたい、が第一印象に上りました。
ただし、現在の組み合わせは、その特徴ある仕上げの意匠とマッチしており、完成度は高いと思います。交換するならばサーキットの部分だけかも、というわけで昨日まで、長々とその話をしておりました。しつこいようですが、強調しておきたいのは、TCTは3バンドを全て動かせるようにしておかなければ無意味です。ミドルを半固定抵抗にしてキャビティ内にしまう、ボディトップにはトレブル・バスのみ触れるよう配置する、というのでは能力は半減するばかりか別物です。世間のTCTに対する印象は、そのような2バンド配線から形成されているのでしょう。
というわけで、PUの方も一応考えていきましょう。
ふとDigimartでSTRを検索したら、とある中古が市場に出ており、見てみればAguilar 5J-Hotが乗っていました。すでに彼等はパッシブで使用した経験があったのです。なるほど、TEはこれの進化形だった。PUの真価を見極めるためにも弾いておかねばなりませんね。
ジャズベースのPUは、プレシジョンベースのPUを離して搭載する発想から生まれたものです。2個組み合わせてハムノイズを消す構造。しかしブレンド違いによる音色変化をも売りにした結果、常にハムが消せるわけではない。そこであの細い筐体内に2個の位相違いを組み込んで、結局プレシジョンのPUと同じ構造に戻すことが試みられます。シングルコイルスタイルのハムキャンセル仕様というわけです。
あれはやはりシングルコイルの音色とははっきり異なり、これも私の口癖ですが、元気がない音になります。過去、好んで使っていたNordstrandのハムキャンセルタイプは、なかでも良い方ですが、パッシブで使うならシングルには叶わないなぁというのが正直なところで、アクティブで色を載せなければ勝負できないかな、と思います。あくまで個人的な感想です。
話を広げて、ハムキャンセル構造を整理すると3タイプあって、今述べたインラインのスプリットコイル、トップ/ボトムに逆相のPUを重ねたスタックタイプ、2個のPUを隣接して組み合わせる、ハムバッキングマイクとしてギターではお馴染みのタイプと、ジャズベース筐体においてすら、いずれも存在しています。(明日に続く)