都内から片道4時間弱、往復交通費1万円。午後からちょこっと行ってきました。2時間滞在し2時間前に帰宅しました。私は運転そのものが楽しみの一つですので、このような行動をおこしがちです。目的は信州ギター祭りでした。
デジマートの店舗一覧から「パルコ」で検索すると、日本に15店舗楽器店が入っていることがわかります。地方のパルコ行くと楽器店がある、あるある、です。そのうち12店舗が島村楽器。今回会場となったのはパルコ松本、主催は島村楽器です。
昨日の設営風景がツイットされた中に、デバイザーのブースにてSTR TE5弦が1本含まれているのを見つけて、再会を期すると共に、お膝元で産みの親達のお話が聞ければと思い立ちました。「見積相談」なる面談も要予約で行われており、デバイザーの方と、こんなんだとおいくらですか?という商談もしました。どうなるかはわかりませんが…。私が到着する1時間前まではSTRの方がおられたそうですが、お目にかかれず残念でした。
飛鳥工場で働いているという若い方が、試奏のセッティングをしてくださり、ベーシストだとおっしゃっていましたが、私が全機種弾かせていただいた話をすると、彼自身は#508がお気に入りとのことで、気が合いました。ちなみに展示品は#505で、やっぱり弾いたら良くて持って帰りたくなりました。なにがいいって、ネックのフィーリングです。個人的にはかつて味わったことのない形状と言えますかね。小さい感じ。細いとか薄いとか言うより。私の手に合っています。
他のブースも見せていただきました中で、Sugiでは沢山弾かせていただきました。NBがずらっと並び壮観でした。全て、このエリアの島村楽器各店に在庫されている商品で、このイベントのためのショーモデルとして発注された楽器もいくつか含まれています。また、すでに売却済の札が付いたものもありました。
SugiのNB5は、時折34インチ、あるいは33インチのものを見ますが、35インチモデルとして設計されています。ご承知のように、ちょっとだけエクストラロングスケールに関心を抱いたので、良い機会だから試させて頂きます。弾いた数は合計7本ですが、気に入ったものがありました。というか、こうして試奏、というレベルでならば、なんらネガを感じず、気持ちよく35が弾けてしまうのです。メーカーの方が、うちのは根本がアジア人向けに作っているから、諸外国の35インチと全く弾き心地が違うはずとおっしゃっており、いや、遠い近いとかじゃなくて、単純にフレット間の距離が問題なのだと言いかけましたが、弾き易かったことは事実なので反論しませんでした。
自分でもNB4を2本持っていました。アッシュボディで、一方はフレイムメイプル・トップでココボロ指板、4kgを優に切る軽量個体。もう一つはアッシュ・ソリッドでメイプル指板で4kgをやや超える「しっかり」個体。前者はいろいろモディファイしました。まずパワードタイプのPUをノーマルを取り寄せて交換し、アレンビックのバッファーを内蔵しました。糸巻きも換えたかな。GB707を350にしてみたのかな、よく覚えていません。最終的に手放して2本目に移行したのですが、これもちょっと馴染めませんでした。
とはいえ、音が美しい。意のままに扱える弾きやすさ。良いところは挙げれば切りがないけれど、一言でいえば、もっと重低音が欲しかった、というわけです。ソリッドなボトムを備えたNBがあれば、また戻してみたい、とは心の片隅にこびり付いており、それは35inchの5弦でなら、十分に可能性を見いだしたのでした。
私が気に入った1本には、OBP-3が載っていました。STRと、そこは一緒です。ビルダーさんは声を揃えて「クセがない」とおっしゃいます。そうでしょうか。私はクセが強いと思うのですが。Sugiの方は、EMGもBartoliniも、楽器の音色がそのメーカーの音になってしまう、だからAguilarを選ぶと言うのです。なんか逆のような気がします。ユーザー目線では。
確かにBartoliniはぐいぐい来ると思います。EMGは最も水のように純粋な気がします。あ、いずれもプリアンプの話で。Aguilarは色を載せてくると感じます。それは、古き佳き時代を知る人の心をくすぐる、ジリっとした「しょっぱい」味です。なんか、気持ちが抉られるんです。ある時代の、ある特定の風景と結びつくような。R&Bでもロックンロールでもいいですが。言ってしまえば麻薬的なものです。ちょっとダーティ。それが嫌いだと言い切りませんが、どうしても私の心には、反則を犯しているような、禁じられた何かを使ったような、アンフェアな道具に映るのです。だからこそ世界的な評価の高さを得たのですが。
でSugiのベースの場合は、パッシブの音が全然使えるので、別にプリアンプいらないや、と思うし、黒澤さんがやってみたグロッケン載せるのとか、クセがないと言えば最右翼なので正しい気がします。弾いたことありませんけれど。
そんなこんなで、半日行の結果変わったものとは、Sugiを検討してみたくなったこと。まぁTEのネックグリップの秀逸さも再確認したのですが。
信州ギター祭りは明日6日まで。アコギはフロアが違うのでお気を付けください。著名なYoutuberさんもいらしていました。○メトオ○のお二人とお子さん二人。かわいかった