売りたい楽器 その5
売却予定の楽器をご紹介いたします。12で始まる4桁シリアルのSadowsky NYCになります。かなり旧仕様の4弦ベースです。色々と説明が必要な楽器ではあります故、写真を交えて詳しくお見せいたします。現コンディションとしては、直近で弦交換した上、PLEKによる診断とフレットファイリングを行い、即戦力に仕上げてあります。もちろん現場で使用してきた楽器であり、音の良さ、弾き心地に関しては期待を裏切らない一品と存じます。当面、ここnoteでのみ公開し、一定期間をおいて楽器店へ委託するかフリマアプリ等へ登録する方向といたします。販売価格は送料別44万円となります。事前の試奏等、できるだけ不安のないお取引のために協力を惜しまぬ所存ですので、noteまたはtwitterアカウントまでお気軽にアクセス下さいませ。なお、画像にあるセミハードケース(SKB製純正同等品)と交換前部品の一部が付属します(ダンロップストラップピンのストラップ側金具はありません)。
ここまでご覧頂き、違和感を覚えたことと思います。コントロールレイアウトが24f仕様の並びになっています。画像に捉えることができませんでしたが、コントロールの部分をよくよく観察すると、元穴を埋めたような跡が見られます。おそらくレイアウト変更をしてリフィニッシュしたものと想像します。しかし塗装の仕上げが通常のプロダクトと変わりないクォリティですので、もしかするとオーダー品として、木地からこのように加工してビルドした楽器なのかもしれません。ここが一番の謎となっています。EQのノブにガリが大きかったので、リペアのプロに依頼して、純正キットのVTCサーキットへアップグレードしています。
入手した時点では社外品のブリッジが取り付けられており、手持ちのバダスIIに自身で交換しました。5穴はそのまま流用しましたが、別のブリッジを取り付けた跡が残っており、一応塞いでおきました。元のブリッジは、今回のお取引には付属いたしません。画像に見えるミニスイッチはアクティブサーキットをバイパスするためのものです。こちらもレイアウト変更に伴って後付けされたようです。元のボリュームポットがスイッチ付きになっておりましたのでノーマルに交換いたしました。
トラスロッドのナットはフェンダーに準じる仕様です。溝があるのでネックは外さずに調整可能です。ロッドは機能しています。溝には塗装の欠けがあります。
PUは純正仕様のDimarzio製、ノイズレスなUltra Jazzと思われます。ポールピースに錆び、ケースに傷がありますが、機能に問題なく、むしろ年代相応の風格さえ漂います。
以前のnoteに補修の様子を載せたことがあります。実はこの楽器でした。ネックポケットの縁にわずかな木部の損傷があり、補強目的で硬質なパテを使用しました。綺麗に仕上げると薄くなるので、自己での使用にはこれで良しとしましたが、新しいオウナーさまがお気に召さぬようであれば、プロのリペアに修正をご依頼くださいませ。それ以前も、現状も音質には全く影響いたしません。あくまで損傷が広がるのを防ぐ措置として行いました。演奏時に手が触れる場所ではありません。
ほぼ綺麗な背面ですが、残念ながら大きめの線傷が一カ所付いています。現物を目視すれば、そこそこ目立ちます。またコントロールパネルの縁にチップした部分があります。しかし酷使された楽器でないことは十分に伺われます。
糸巻きはHipshot HB7に全交換してあります。止めねじ用の元穴はプレートに隠れていますが塞いであります。HB6ほどではありませんが、そこそこ軽量でヘッド落ちしません。ブッシュは、入手時のものをそのまま使っています。外したペグは全て付属します。E弦にはXtenderが付いておりましたが、他の穴が開いており、後付けのようでした。ただしSadowskyのロゴが刻印されており、純正品の供給があったものと思われます。現在のペグはとても使用感の良いもので、ばっちりフィットしています。ちなみにストリングリテイナーはGotoh製の背の高いものに交換してあり、適切な角度が得られる状態です。
ネックは良い状態をキープしており、瑕疵も少ない方ですが、惜しむらくは一カ所打痕があります。手に触れればそれとわかるので気になる方なら、プロのリペアに依頼すれば補修することは可能かもしれません。しかしオリジナルの状態を維持する方が価値は高いと考えます。
できるだけ詳細に説明したつもりですが、見落としがあるかもしれません。主なスペックは以下の通りです。
Sadowsky NYC 4-string
ソリッド・アッシュボディ
メイプルネック/メイプル指板/ツバだし21フレット
マスターボリューム、PUバランサー、ハイカットトーン、トレブル/バススタック、アクティブ/パッシブスイッチ
ペグ:Hipshot HB7
ブリッジ:Badass II
重量:3.855kg
弦:Kensmith ROCK MASTERS Custom Balanced Round Wounds MEDIUM
前ユーザーが購入時に、オカダインターナショナルへシリアルナンバーで問い合わせたところ、記録があったとのことです。上記のような訳有り品ですが、チェンバードにする必要の無い軽量な木材が入手できた時代に作られた良質な楽器であることに変わりなく、一時代を築いた存在感を存分に味わいつつ、今も一線で使用できることをお約束します。
シリアルが12##だとすれば、公式サイトによれば1992-3年ということになります。ちょうど30年前の製造であればビンテージと呼ぶに相応しく、これほどのコンディションの物はなかなか出ないかと思われます。80年代に初めて国内で見たSadowsky、九段で行われた楽器フェアに展示された一品はこれと同じホワイトカラー、64万円ほどだったと記憶しています。なお、業者の方とのお取引も歓迎いたします。
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