【入門】マリカーしか知らなくてもF-1の楽しさがわかる記事
どうも、ざぜニストのゴメスです。
今回は私の趣味であるF-1について、マリカーしかしたことがないあなたでもF-1の楽しさがなんとなくわかるようになる記事を書いてみようと思い立ちました。
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・どんな車なの?**
最初の質問ですが、まず、F-1っていうのがどんな車かご存知ですか?流石にこれはなんとなくどんな車かはわかるという方がほとんどだと思います。実はF-1というのはFomula-1(フォーミュラ-1)の略でして、このFomulaは訳すと、「規格」とか「型」という意味があります。F-1の下にはF-2だったり、F-3だったりと下位カテゴリーが多数存在し、そのほとんどがフォーミュラ(規格)の名の通り、ほぼワンメイク(車の条件が同じ)で行われていて、純粋にドライバーの実力を試すことができます。
F-1というのは、つまるところ、決められた規格の車の中で1番、頂点だという意味なんですね。そしてこの規格というのが「車輪とドライバーがむき出しになっている」というものなんですね。
みなさんが想像するF-1といえば大体こんな感じなのではないでしょうか。
実は2018年シーズンからはドライバーを保護するためのHalo(ヘイロー、ハロー)というものが実装されるようになりまして、実際これのおかげで怪我をせずに済んだ事例が既にありました。
この下駄の鼻緒みたいなやつです。
この辺はひょっとすると、あなたが想像していたF-1とは違うかもしれません。ちなみに、現在参加しているチームは10チームで、そのうち自動車メーカーはメルセデス・ベンツ、フェラーリ、ルノー、ホンダの4社です。
F-1は技術開発の場でもあって、各メーカーはF-1で培った技術を市販車にも応用しています。このため、F-1はどのフォーミュラのカテゴリーよりもチームの差が広く、純粋なドライバーの実力というよりは、車の性能を競い合っているという側面もあります。このため、F-1はフォーミュラといての役割を果たせていないとの声もあります。
・世界一速い
これはあなたの想像通りかもしれませんがF-1はサーキットで世界最速の4輪車です。この「サーキットで」というのがポイントです。サーキットというのはなんとなくわかると思いますが、直線とコーナー(カーブのこと)が複雑に入り組んで、周回することができるレース用の道のことです。日本だと鈴鹿サーキットが有名ですね。
F-1というのはこのサーキットをいかに速く走るかをテーマに作られているので、残念ながら、路面がガタガタの道や、雪道ではそれ専用のラリーカーの方が速いです。しかし、ホームであるサーキットでは他の追随を許さぬ速さを発揮します。
といってもどれくらい速いかがわからないと思うので具体的な例を。日本を代表するサーキットである鈴鹿サーキットの最速タイムで比較してみましょう。
F-1の最速タイムは2017年にルイス・ハミルトンが叩き出した1'27.319秒です。そして、日本の改造車レースの最高峰super GTの最速タイムは1'44.319秒です。
日本の改造車レース最高峰super GTのGT-R
こんな速そうな車よりも、F-1の方が約1.2倍も速いということなんですね!つまり、両者を同時に走らせたらF-1が6周走った時点でsuper GTを周回遅れにできちゃうんですね。たったの6周ですよ!しかも、2018年シーズンは世界の各サーキットのコースレコードのほとんどが1~3秒ほども更新して、年々速くなっていっています。来期はどれくらい速くなるのか非常に楽しみです。
この世界の最高峰のレースを見ているという感覚はやはり楽しいです。だって、特に思い入れのないものなら、世界一のものを見たいですよね?テニスの試合でも、世界ランク100位対123位の試合より、1位対2位の試合の方がどう考えても高レベルなわけです。
・どんなエンジンなの?
ちなみに、F-1は2014年シーズンからハイブリッドエンジンを積んでます。これは意外な事実かもしれません。ちなみにエンジン自体は排気量1600ccのターボエンジンです。排気量だけで見るとなんとプリウスよりも小さいんです!速く走るためにはなるべく小さくて軽い車体にしたいので、とても合理的ですよね。
排気量は非常に小さいんですが、ターボという、排気のエネルギーを利用してエンジンのパワーを上昇する機構と、MGU-Kというハイブリッドモーターを利用して、今や1000馬力ものパワーを発生しています。
1000馬力と言われてもどれほどのものかよくわからないと思いますが、日本車最大パワーを発揮するGT-R,NSXの約2倍、有名なスポーツカーであるフェアレディZの約3倍、プリウスの約10倍もあります笑。
・なんでこんな速いの?
F-1がなぜここまで速いかというと、まず、エンジンのパワーがものすごいのもあるんですが、空力をものすごく上手く利用しています。空力というと、飛行機が翼で風を受けて、揚力を得て空に浮かんでいるようなものです。F-1はそれの逆で、あらゆるところに翼があって空気抵抗をなるべく抑えながら、車体を地面に押さえつけています。
車体を地面に押さえつけることで、タイヤの摩擦力をビックリするくらい大きくすることができます。すると、タイヤが滑らなくなってより速い速度でコーナーを曲がれるようになります。
サーキットで速く走るためにはコーナーを速く曲がるということが非常に大事になります。このため、今のF-1の速さがどんどん速くなっていくのはほとんどがこの空力の進化のおかげなんですね。
やはりF-1としては世界最速のカテゴリーという矜持があるらしく、日本のスーパーフォミュラがどんどん速度を上げているのに対抗して、規格を革新して世界最速を維持しています。
F-1という車についてまとめですが、F-1はレース界において3つの役割を担っています。
・世界最速のカテゴリー
・自動車メーカーの技術開発の場
・ドライバーの実力を測るフォーミュラ(規格)
近年、チームによる実力差が開きすぎたことで、ドライバーの純粋な実力を比べるフォーミュラとしての役割を失っているということと、勝てる車を開発するためのコストが大きすぎて新規参入が非常に難しいということで、MGU-Hというエンジンの排熱を利用して発電を行う機械の搭載を禁止にしようという動きがあったのですが、「それなら我々で新しいレースカテゴリーを作る」と現在、計6チームにエンジンを供給しているメルセデスとフェラーリが異議を表明してしまったため、この案は廃止されてしまいました。
・どんなレースなの?
F-1は世界選手権でして、世界各国を転々としていきます。1年間に21か国でグランプリを行います。10チームが各チーム2台ずつ出場して、全20台で決勝レースでの順位を競います。決勝10位以内から順位によってポイントが獲得でき、年間獲得ポイントを競い合ってワールドチャンピオンを決めます。
では、実際レースがどんな風なのかと言いますと、一周約5kmのサーキットを金曜に練習走行を2回、土曜日に3回目の練習走行と決勝レースでのスタート順を決める予選を行なって、日曜日に決勝レースを行います。
それぞれザックリ説明すると、練習走行で車の細かいところをセッティングします。予選では1周の速さを競います。速い順に決勝レースで前方からスタートできます。
決勝レースでは、サーキットを305km走るまで周回します。コースの長さによりますが、大体40~70周くらいひたすら走り続けます。アイテムが使えないマリカーみたいなもんだと思ってください。3種類の硬さのタイヤを使うことができて、必ず2種類のタイヤを使用しなければいけません。
F-1ほどの速度を誇る車だと、レースで20周ほど走っただけでタイヤがズルズルになって滑って(スリップ)しまうので、タイヤ交換が必要になります。
で、マリカーと違って、曲がる前にちゃんとブレーキを踏んでからじゃないと曲がりませんし、ドリフトはしません笑。これは意外かもしれませんがドリフトしてる状態っていうのはリアタイヤ(後輪)が滑っている状態なので、摩擦力は低下するし、タイヤはズルズルになるしで、むしろ避けるべき状態なんです。とんでもないスピードが出るのでコース上を走らせるだけでも相当難しいです。
あと、マリカーでは頻繁に車同士をぶつけますが、F-1ではそれやるとペナルティになります。
相手と横並びになったりすると、ちゃんと相手のスペースを確保して走らないといけません。
・同じところをぐるぐる回ってるだけで面白いの?
見ようによっては同じところをぐるぐる回っているだけに見えますよね。確かにF-1ってなかなか変わった動きがありませんし、あんまり面白くないんじゃないかという疑問にも納得ですが、後述するいろんな要素を知れば面白いということがわかってもらえるかと思います。
感覚的には友達がマリカーやってるのを見てるのに近いと思ってください。まぁ、決勝レースの時間は基本的に1時間30分くらいで終わるので、サッカーの試合を1試合見るよりは断然時間的なハードルは低いはずです。
ここまででなんとなくF-1というものの全体像を把握できたと思いますので、ここからはその魅力を掘り下げていきたいと思います。
・ドライバーがすごい
F-1ドライバーというのは、同時に20人しか存在できません。というのもレースに参加できるのが10チーム、20台と決まっているからなんですね。この少ない枠を優秀なドライバーたちが奪い合っているわけです。
ようやくF-1のシートを獲得したと思っても、レースの成績が良くなければシーズン途中で入れ替えられることもあります。下位カテゴリーにも有望なドライバーがたくさんいるので、F-1ドライバーになれたからといって将来安泰なんてことはないわけです。
だからこそ現役F-1ドライバーはとんでもなく能力の高い人たちが集まります。
・肉体的にもすごい
F-1といったら、座ってシートベルト締めてアクセルとブレーキ踏んでハンドル回すだけなんだから、肉体的には大したことないでしょ?とお思いのあなた。それは大きな間違いです。
F-1は常に全開走行(フルスピード)をして、急ブレーキ急カーブを続けまくっているわけです。車に乗っていて、急ブレーキしたり、急カーブを曲がったりすると、思いっきり体が前につんのめったり、遠心力で体が外に引っ張られますよね。
これの何倍もの力がレース中常に襲ってくるわけです。コーナーやブレーキではなんと6Gを超える力になります。1Gで地球の重力分の力の大きさなので、地球の重力の6倍もの力で前や横にひっぱられることになります。
これは一般人なら普通に気絶するレベルです。多少鍛えた人でも、ブレーキ、コーナーの度に体がベルトやシートに押し付けられるので、長い直線以外では、まともに呼吸することもままならないでしょう。
これに耐えるため、レース中、ドライバーの心拍数は120 BPMほどにまで上昇します。これはマラソンを走っている時と同じくらいの心拍数です。つまり、F-1ドライバーはレース中、常にマラソンを走っているような負荷が心肺にかかっているのです。
しかもこの上、無線を使ってチームと連絡をとったり、ハンドル上のボタンやダイアルで車のセッティングをいじったりします。具体的には、ブレーキの前後バランス、燃料と空気の配合割合(空燃比)、ハイブリッドシステムの充電量、トルクなどの調整を行なっているわけです。
この過酷さからF-1はマラソンを走りながらチェスをするようなものだと言われています。しかもF-1の速さは年々増してきているので肉体的負荷はますます上がっています。
・かっこいい名前が多い
どうでもいいかと思われるかもしれませんがF-1ドライバーの名前はカッコイイのが多いです笑。全員の名前を挙げます。
Lewis HAMILTON ルイス・ハミルトン
Sebastian VETTEL セバスチャン・ベッテル
Kimi RÄIKKÖNEN キミ・ライコネン
Valtteri BOTTAS ヴァルテリ・ボッタス
Max VERSTAPPEN マックス・フェルスタッペン
Daniel RICCIARDO ダニエル・リカルド
Sergio PEREZ セルジオ・ペレス
Kevin MAGNUSSEN ケビン・マグヌッセン
Fernando ALONSO フェルナンド・アロンソ
Esteban Ocon エステバン・オコン
Carlos Sainz カルロス・サインツ
Romain Grosjean ロマン・グロージャン
Charles Leclerc シャルル・ルクレール
Pierre Gasly ピエール・ガスリー
Stoffel Vandoorne ストフェル・ヴァンドーン
Marcus Ericsson マーカス・エリクソン
Lance Stroll ランス・ストロール
Brendon Hartley ブレンドン・ハートレー
Sergey Sirotkin セルゲイ・シロトキン
どうですか?かっこよくないですか?口に出すだけでうっとりしてしまうような名前ですよね。実況がこの名前を叫んでいるのを聞いているだけでも楽しいです。
・チームワーク
F-1はチームスポーツです。実際にレースを走るドライバーと、車を作ったり調整するメカニック、作戦を立てるディレクターなどで成り立っています。中でもこのチームの役割がわかりやすいのがピットストップ、つまりタイヤ交換です。
F-1のピットストップはタイヤ交換だけですが、一回のタイヤ交換に一気に16人以上が作業します。これはぜひこの動画を見ていただきたい。
タイヤを手で外す人×4、手でハメる人×4、ボルトを締める人×4、車体を持ち上げる人×4、etc...
彼らの一糸乱れぬ作業で、4本のタイヤをたったの3秒以内に全て代えることができます。
この早さには本当に驚きます。初めて見たときは「お、今タイヤ外したな」と思った次の瞬間には走り出しちゃいました笑。
ちなみに、このタイヤ交換は絶対に1回はしなければならず、これをどのタイミングで行うのか、2回交換したほうがいいのか、どの種類タイヤに変えるのかなどをディレクターは考えます。
これはとんでもなく優秀な頭脳を持った人たちがレース中にも計算をしまくってどうするかを考えているわけです。
・オーバーテイク(追い抜き合い)
やはりレースの醍醐味は追い抜き合い(オーバーテイク)です。マリカーでも順位の入れ替わりが楽しいですね。しかし、マリカーならアイテムなんかのおかげで順位の入れ替えがよく起こりますが、残念ながらF-1ではなかなかオーバーテイクをお目にかかれません。
理由は、決勝のスタート順は予選で早かった順であるということ、F-1は空力をめちゃくちゃ使っているといったところです。
まぁ当然のことながら、車の速さが予選結果のままだと、それぞれの車の距離が離れていきます。前にいる車の方が予選では速かったわけですから追いつくだけでも大変です。
もう一つ、空力の問題ですが、空力というのはキレイな流れの空気を受けることで最大限の効果を発揮します。マリカーのように、直線で前の車の真後ろに入ると空気抵抗は減ってスピードは増します。
しかし、前の車が乱した気流を受けるので、空力の効果はめちゃくちゃ減ってしまいます。こうなると、ブレーキでうまく止まれなかったり、コーナーで滑ってしまいます。
これらの要素が現在のF-1のオーバーテイクを難しくしている要因であるわけです。では、全くオーバテイクがないのかといえばそういうわけではなく、レース中に何回かオーバーテイクは起きます。
特にスタート直後の第一コーナーはレース中最も車が密集するタイミングですので、ほぼ必ず順位の入れ替えがあります。ここは本当に見応えがあるので、そんなに時間がない場合はスタート直後だけ見ても十分なくらいです笑。
ここを超えてしまうと徐々にオーバーテイクが起こりにくい状態になるので、だからこそ、オーバーテイクは盛り上がります。サッカーで点が入るときの感覚に近いものがあるのかもしれません。
・繰り広げられる心理戦
これだけオーバーテイクが起こりにくい状況ですので、少しのミスも許されません。そこで、チームやドライバーは他のチームのミスを誘うために揺さぶ理をかけます。
ドライバーとチームは無線でつながっているのですが、ドライバーとチームの無線は全チームに公開されています。ここで「タイヤがへたってきた」「エンジントラブルが!」などと言いながら本当はウソなんてこともあります。
また、ピットレーンでメカニックたちにタイヤ交換の準備をさせて、なかなか交換させないなどで、とにかく相手を揺さぶります。こういった心理戦も、昨今のF-1の楽しみのひとつです。
いかがでしたでしょうか?この記事の内容だけ知っていれば、十分にF-1を楽しむことができるといっても過言ではありません。さて、ではF-1はどこで見ればいいの?ということですが、こちらのDAZN(ダゾーン)に登録すればスマホでもタブレットでもPCでも観戦可能です。
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