自粛六尺 4月の自粛が始まった頃はツツジの季節だった
4月はじめに緊急事態宣言が発令されて、外出を自粛しなければという社会の風潮があっという間に出来上がった。
不要不急の外出は自粛させられていて、リモートワークというものが定着して、オフィスへの出勤すらままならなくなる。
しかし、それは全員に対して行われたわけではなく、報道によると(こちらは外出できず確認すらできないが)通勤電車は相変わらずの混雑を呈していて、なにが緊急事態なのか理解しがたい状態が続いている。検事部長とマスコミは麻雀に明け暮れる。負担の偏りがハンパない。
そんな中、新型コロナは居座っているというのに、桜の季節もいつの間にか過ぎ去り、街はツツジの季節に様変わっていた。
手入れが楽なのか、生命力があるのか?路地の植木に丁度いいのか街にはツツジが意外に多い。不思議と一斉に咲くってこともなく、ダラダラと咲きだしてダラダラと見ごろを過ぎていくのがツツジの花の運命なのだけれども、それでも、毎年春のツツジ見物は楽しみの一つでだった。去年までは。
県内なら鎌倉、都内なら青梅とか根津とかツツジの名所には毎年通っていたが、今年はこのご時世。鎌倉にすら行くことがはばかられ、散歩のついでに近所の街路のツツジを愛でて回るのが精一杯。
ツツジの花のスケ感ってセクシーだあぁ。レースのような花を透ける光がたまらない。白いツツジは特にお嬢様風。街角に咲くような庶民的なのにお嬢様なんて願ったり叶ったりじゃん。
ツツジってネパールでは国花らしい。花言葉は赤いツツジが恋の喜び、白いツツジが初恋らしい。八割以上の人との接触を避けなければいけないご時世、恋の喜びを感じられるようになるのはいつになることか。恋の喜びを感じられる社会が戻るのが早いか、こちらの老いが早いか。とんだチキンレースだ。ツツジ全体の花言葉は節度や慎み・・・はいおっしゃるとおり、正解です。
ツツジの英名はアゼリア。名前を冠した川崎の地下商店街にすら出かけられない日々。あぁ、味噌ダレの餃子が食べたい・・・って、どうしてもそういう発想になってしまうのはオヤジ百まで踊りを忘れぬの育ちの悪さ。
小さいマスクのおっちゃんに優雅にうちで踊ろうって言われても、そんな育ち方をしていないもので・・・。