『きっとよくなる』本田健(サンマーク出版)を読む
ブックライター塾でご縁をいただいた編集者がつくられた本を読み終えました。
アマゾンの書籍紹介文
200万人の読者から支持され、多くのベンチャービジネスの成功者を育ててきた「お金と仕事」の専門家が、鮮やかに世に放った2冊の書き下ろしエッセイ! お金、ライフワーク、パートナーシップ、子育てなど、広く人生全般について語った第1弾。そして、3年の時を経て、メインテーマである「お金と仕事」について語り尽くした第2弾。いずれも、豊かに幸せに生きるための秘訣が圧縮ファイルのようにぎゅっと詰まっています。億万長者が身につけている「ミリオネア・メンタリティー」とは? 大好きな仕事を見つけるには? この2冊を読めば、あなた自身がもっている大切な宝物が、きっと見つかる!
第1弾に掲載されている97の秘訣のうち、自身の経験から深く納得したベスト3は、「お金の奴隷解放宣言をする」「気に入ってくれる人だけを仕事の相手にする」「幸せは得るものではなく気づくもの」です。
「お金の奴隷解放宣言をする」
本書の筆者は、20歳のころ、尊敬するメンターに「君は、お金の奴隷だよ」といわれて困惑したが、彼の質問に答えるうち、自分の考えが、お金に大きく制限を受けていることに気づきます。お金がかかるから、好きなことを我慢しようとか、家族で楽しいことをするのをやめようと考えたり、パートナーや両親の愛情や誠実さをお金で測ったりしています。知らないうちに、お金を基準に物事を考え、感じ、決めてしまっているのです。
まさにおっしゃる通り、私もそうです。でも、年取ったせいか、だんだんお金のことがどうでもよくなってきました。もちろん、食べていくだけのお金は必要です。できれば、たまには温泉にでも行って、その土地のおいしいものを食べ、のんびりしたいとも思っています。ただ、同じ中小企業診断士で年収3000万円を超えているとか、しょっちゅうハワイに行ったりしてバカンスを楽しんでいるとか、それほど羨ましく思わなくなってきました。
あまり儲からないけど世のため人のために役立つとか、自分のしたことがとても相手に喜んでもらえるとか、同じ目標に向かって一緒に汗を流してくれる、気持ちの通じ合った仲間がいるとか、その方がよほど嬉しいのです。魂にご馳走をいただいたような、満ち足りた気持ちになるのです。その上にお金も儲かれば言うことはないのですが、そこは必ずしもそうなりません。でも、それでも全然かまわないのです。十分幸せです。
ガツガツ働いてお金儲けして、旅行しまくったり、贅沢なご馳走を食べまくったり、お金にモノを言わせて自分の欲望を満たしたとしても、それが幸せとは限らないと思うのです。単なる自己満足にしかならないかもしれない。本当の幸せとは、粗末なあばら家に住んでいても、お茶漬けと漬物の食事だったとしても、好きで得意な仕事を気持ちのいい仲間と一緒にやってお客さんに喜んでもらい、世の中のお役に立てれば手に入るというか、気づいたときには幸せになっているのではないでしょうか。
そうしていると、そのときは儲からなくてもいつの間にかお金が回ってくる、世の中、そんな仕組みになっているのではないでしょうか。
少なくとも、私は何とかご飯を食べているのは、4年前に仲間に頼まれて無償で仕事して成果を出したことがきっかけになっています。その成果を仕組化・法則化して書籍にまとめ、出版したことが、回り回って紹介につながり、大型契約を一挙に3件獲得することができたのです。そして、気づいたときには、「気に入ってくれる人だけを仕事の相手にする」理想的な状態になっていました。しかも、「幸せは得るものではなく気づくもの」という言葉通り、「あれ、おれ、今、幸せになっている」と突然、自覚しました。
何だったのでしょう。年収はさほど多くありません。周囲には派手に豊かに暮らしている方々がたくさんいらっしゃいます。でも、ウチの嫁さんともよく言い合っているのですが、物質的には、これが欲しいというものがなくなってきました。食べるものに特に不自由はなく、雨風をしのぐ住むところもあり、暑さ寒さに合わせて着るものもあります。その上、仕事を依頼してくださるお客様もおられます。ときどき会って志を語り合う友だちもいます。これ以上、何を望むのでしょうか。
京セラ創業者の稲盛和夫さんは、仕事で日本中、世界中に出かけましたが、忙しすぎて、一度も観光をする暇がなかったそうです。それでも全く後悔はない、いちばん幸せを感じるときは、奥様とふたり沢庵とお茶漬けの朝食をとりながら、よしなしごとを話すときだ、とおっしゃっていたそうです。私は俗人なのでそこまでの境地には達しておらず、いまだに嫁さんを連れて温泉に行き美味しい魚や肉を食べさせたいと思っていますが、それでも、随分物欲はなくなってきたような気がします。
まずは、目の前の損得はいったん置いておいて、近くの仲間に喜ばれることを無償でする、そこから始めたのがよかった。今となっては、そう思います。(了)
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