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1000日チャレンジ 412日目『A Degree in a Book: Art History: Everything You Need to Know to Master the Subject - in One Book!』Day14 19世紀美術ー1765~1840年のロマン主義①ジョン・コンスタブル

ゴールまで588日

★BMI:24.3

★原著『A Degree in a Book: Art History: Everything You Need to Know to Master the Subject - in One Book!』(John Finlay著;Arcturus ;2020年)、日本語版『1冊で学位 芸術史~大学で学ぶ知識がこの1冊で身につく』(上野 正道監修;ニュートンプレス;2021年)を読みながら、英語で美術史を学んでいく。取り上げられている作品の中から、気になったもの、好きなものをピックアップして紹介していきたい。分厚い本なので、気長にゆっくり進めていく。

◎『干し草車』(18-19世紀イギリスの画家 ジョン・コンスタブル(John Constable RA、1776日 - 1837)が1821年に描いた作品。ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵。

The Hay Wain(ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵)

当時のヨーロッパは気象学や地質学の新発見から人間は自然のプロセスから切り離された存在ではないとの考えがひろまっていた。コンスタンブルは自身の作品を「科学」ととらえ、絵を描くことを「実験」と解釈したと著者は指摘している。彼は書簡の中で「自然から勤勉に学ぶ」と記しているとのこと。このような姿勢は、印象派による「戸外制作」といった態度に結び付いていく。また、著者はこの作品にイギリスの詩人サミュエル・テイラー・コールリッジが自然の美しさを謳った幻想的な頌歌の影響も指摘している。このようなイギリスの農村の風景は、ギリシャの理想郷アルカディアをイメージして描かれているのだと。

コンスタブルはターナーと並んでイギリスを代表する風景画家。フランスのロマン主義に大きな影響を与えたとされるが、彼自身は自然主義とよばれることが多いようだ。この絵では、粗いタッチを積み重ねていく技法や鮮やかな色彩は後の印象派の先駆け的なものを感じるし、この田園風景はそのままバルビゾン派につながっているように思う。雲の描写が素晴らしい。また、中央下側の馬の鞍の赤色がいいアクセントになっているように思う。サロンでこの絵を観たドラクロワが自分の絵を描きなおしたという逸話も残っているらしい。

typify;~の典型となる、enquiry(=inquiry);調査、shipwreck;難破、contemplate;期待する、考える、Ultimately;最終的に(in the end; finally)、aesthetic;美に関する、inescapably;必然的に((of a fact or situation) that you cannot avoid or ignore)
as a consequence;結果として(as a result of something)
(原著 Chapter9;p.185-188)

サミュエル・テイラー・コールリッジ;「Samuel Taylor Coleridge、1772〜1834、イギリスの詩人・批評家。ワーズワースとともにイギリスのロマン主義を代表し,湖畔詩人とも呼ばれる。晩年には評論やドイツの観念論哲学紹介につとめた。代表作『クリスタベル』など。」(旺文社世界史辞典三訂版より引用)

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