1000日チャレンジ 428日目『A Degree in a Book: Art History: Everything You Need to Know to Master the Subject - in One Book!』Day22 1848~1904年のフランス美術⑥ポール・ゴーギャン
ゴールまで572日
★BMI:24.3
★原著『A Degree in a Book: Art History: Everything You Need to Know to Master the Subject - in One Book!』(John Finlay著;Arcturus ;2020年)、日本語版『1冊で学位 芸術史~大学で学ぶ知識がこの1冊で身につく』(上野 正道監修;ニュートンプレス;2021年)を読みながら、英語で美術史を学んでいく。取り上げられている作品の中から、気になったもの、好きなものをピックアップして紹介していきたい。分厚い本なので、気長にゆっくり進めていく。
◎『我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか?』(19-20世紀フランスの画家 ウジェーヌ・アンリ・ポール・ゴーギャン(Eugène Henri Paul Gauguin、1848 - 1903))が1897年に描いた作品。ボストン美術館蔵。
19世紀末になると、多くの画家たちは印象主義や新印象主義を拒否し、自然主義的なものへも距離を取るようになった。ボードレールなどの影響を受ける象徴主義の画家たちは、より内面へと目を向けていくようになる。このような流れの中で理想主義といわれる人たちは、過去への強いあこがれを描くようになる。つまり以前は、人々は自然の状態で生きていたのだと。ゴーギャンはタヒチに向かう理由として、平穏と静けさを求め文明から逃れ、頭の中の概念を具現化すること以外に何も考えないのだと言っている。
この本では触れられていないが、ゴーギャンは特に、印象派の絵画に対して批判的で、見たまま、受けた印象をそのまま絵にするのではなく、画家自身の概念や観念を表すものと考えていた。この絵では、現実とはかけ離れたような色彩を使い、配置された人物も、彼自身の『我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか?』という問いへの回答を具現化したものとして描いている。すなわち、右側には生命の誕生、中央には成熟、そして画面左側には老いを描いている。ゴーギャンにとっても絵画とは、そういう画家の内面を表すものだったということだろう。こういう概念的なものも含めて描く手法を「総合主義」と呼んでいた。
★tangible;目に見えて明らかな(that can be clearly seen to exist)、subjectivity;主観性(based on your own ideas or opinions rather than facts, and therefore sometimes unfair)、inwards;内側に向かう、idealist;理想主義者、decadent;退廃的な、デカダント派の、longing;憧れ、pessimistic;悲観的な、render;~の状態にする
(原著 Chapter10 p.220)