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1000日チャレンジ 949日目 「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(若い読者のための科学史)CHAPTER 29 Tabling the Elements

ゴールまで51日

★BMI:22.9

「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(Bynum, William著;Yale University Press;2012年)を原著で読み進める(全40章)

◎CHAPTER 29 Tabling the Elements
★主な内容
19世紀、ジョン・ドルトン(1766~1844)が唱えた原子論が受け容れられ、「元素」や「元素記号」も整理された。化学者は多くの化学反応に興味を持ち、「合成」と「分析」を通して、多くの化合物が何で構成されているか、理解をした。そして、元素にはプラスとマイナスの性質があること、実験をすると互いに結合しやすい「基」というものが存在し、それにもまたプラスの性質とマイナスの性質のものがあることがわかった。1850年代には石油製品の需要も高まり、化学を扱う場は金持ちの道楽ではなく、工場になった。
元素には、反応のしやすさなどから、いくつかの種類が存在することも分かってきた。この頃には、人々の長距離移動が可能になり、国際会議が開かれるようになる。
1860年、ドイツのカールスルーエで現代的な化学の幕開けとなる国際会議が開催された。そこには、現代化学を牽引することになった3人の化学者も集っていた。ドイツのアウグスト・ケクレ(1829~1896)、イタリアのスタニズラオ・カニッツァーロ(1826~1910)、ロシアのドミトリ・イヴァノヴィッチ・メンデレーエフ(1834~1907)である。国際会議では、化学物質や原子、分子の性質を取り扱うための用語の整理が提案された。カニッツァーロはこの会議で化学の歴史について振り返り、アボガドロを重要視することや元素の原子量を決定することが重要だと説いた。
メンデレーエフは、元素の性質を一つの表(周期表)にまとめることを1869年に提案する。この表によって元素同士の性質のつながりもよく理解できるとともに、まだ発見されていない元素があることも予言されることになった。そして、1870年代から1880年代にかけて、彼の予測通りにいくつもの元素が発見された。
ケクレは、化合物がどの原子と基からできているかという「化学構造」の探求を推し進めた。ケクレによるベンゼンの構造の発見は、有機化学の発展に大きく寄与した。
そして時代は、さらに物理学者による原子の内部構造の探求に進んでいく。

★単語
fizzing
;シューという音を立てて泡立つ、decale;錆をおとす、Despite;にもかかわらず、awful;ひどい、reveal;明らかにする、fairly;かなり、indulgence;道楽、sluggish;不活発な、vaporise;気化させる、radical;基(化学)

★フレーズ
Let’s recap.
;要点をまとめよう、for instance;例えば、come up with;思いつく

※ドミトリ・イヴァノヴィッチ・メンデレーエフ;「Mendeleev, Dmitrii Ivanovich [生]1834.2.7. シベリア,トボリスク [没]1907.2.2. サンクトペテルブルグ;ロシアの化学者。ギムナジウムの教師であった父の死後,1855年サンクトペテルブルグの師範学校で教師の資格を得たのち,クリミアに赴任。 1856年サンクトペテルブルグ大学に復学。 1859年ドイツのハイデルベルク大学に留学。帰国後サンクトペテルブルグ大学工業研究所教授を経て,1867年サンクトペテルブルグ大学化学技術教授。化学教科書著作の過程で,元素の体系的分類を検討中,1869年原子量順に配列した諸元素の性質の間に周期性がみられることを発見,周期律を発表した。初めは受け入れられなかったが,やがて表の空白部に入るべき未知の3元素 (ガリウム,スカンジウム,ゲルマニウム ) の存在とそれらの性質についての予測が実証され,化学に新しい時代を画するものとして広く認められるにいたった。化学の応用面でも活躍し,ロシアのソーダ工業,石油工業の発展にも貢献したが,その進歩的思想によって当局と衝突し,1890年大学を辞任。晩年は度量衡局長の職にあった (1893~1907) 。教科書として『化学原論』を著した。」(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典より引用)

メンデレーエフは、なかなか、一般向け、子供向けの伝記集などには、入れてもらえないが、科学史の中でも大きな功績を残した人だと思う。過去の謎を説明するような説を唱えることは大事だが、さらに重要なのは、これからわかることを予測できるような説であることなのだろうと思う。その意味で、周期表の発見(発明)は偉大な功績だ。


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