見出し画像

1000日チャレンジ 935日目 「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(若い読者のための科学史)CHAPTER 20 Airs and Gases

ゴールまで65日

★BMI:22.9

「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(Bynum, William著;Yale University Press;2012年)を原著で読み進める(全40章)

◎CHAPTER 20 Airs and Gases
★主な内容
古代ギリシア以降”空気”は四大元素のひとつで一つの物質と考えられてきたが、18世紀頃には、空気が複数の物質で構成されていることに気づくようになっていた。スティーヴン・ヘイルズ(1677-1761)は、純粋な気体を集める装置を作り、動植物に空気が必要だということを証明した。この頃、「気体の化学」研究が始まったといえる。ジョゼフ・ブラック(1728-1799)は植物に必要な「固定空気)(二酸化炭素)だけでは、動物は生きることができないことを見つけた。ヘンリー・キャヴェンディッシュ(1731-1810)は、「燃える空気」=水素や窒素の研究を行った。
ジョゼフ・プリーストリー(1733-1804)は気体の化学の分野で最も成功した人物と言える。彼は炭酸水を発明した人物でもある。彼は、気体が燃える現象に興味を持ち、気体が燃える際には「フロギストン(燃素)」という物質が期待に含まれているという説を支持した。彼が想定していたフロギストンは現在で言えば酸素の役割をするものだが、実際にその挙動や性質は酸素とは真逆だった。
酸素という名前をつけたのは、「近代化学の父」とよばれるアントワーヌ゠ ローラン・ラヴォアジエ(1743-1794)である。ラヴォアジエは、夫人とともに多くの実験を行って、フロギストン説には大きな欠陥があると気がついた。彼は新しい実験器具を考案して、実験の精度をあげることで、物質が燃えると総重量は増加することを見つける。彼は、1789年、『化学原論』を出版した。科学実験でそれ以上分解できないもの(元素)と分解できるもの(化合物)に区別するという現代化学の基本的な考え方は、ラヴォアジエによるものである。彼はまた、「人間は言葉という手段を使ってのみ思考する」と言い、用語を正しく使うことを推奨した。

★単語
ingenious
;独創的な、clergyman;聖職者、pneumatic;空気圧の、reclusive;引きこもりがちな、aristocrat;貴族階級の人、inflammable;引火性の、phlogiston;フロギストン、燃素、tax farmer;税金徴収担当者、evident;明白な、seemingly;一見したところ、compound;化合物、precise;正確な

★フレーズ
be left behind
;~に取り残される

※フロギストン説;「燃素説とも。燃焼は物体中に含まれるフロギストン(炎を意味するギリシア語に由来)が逃げ出すことによって起こるという説。炭素のようにフロギストンを多く含む固体はよく燃え,フロギストンが逃げたあと灰になる。金属の灰を炭素とともに熱すると炭素のフロギストンが与えられ,もとの金属にもどる。J.J.ベッヒャー〔1635-1682〕の考えを,G.シュタールが改良・体系化したもので,18世紀を通じ一般に承認され,燃焼をある程度説明する役を果たしたが,ラボアジエの新燃焼理論により打破された。」(平凡社百科事典マイペディアより引用)
※アントワーヌ゠ ローラン・ラヴォアジエ;「フランスの化学者。初め法律を,後に天文学,数学,化学,植物学などを学んだ。1772年硫黄およびリンの燃焼に際しその重量が増加することを確認,1774年さらにスズの【か】焼(かしょう)について実験し金属灰は金属と空気の一部との結合によって生ずることを実証。次いでJ.プリーストリーの実験にヒントを得,この気体が酸素であることを認め,従来のフロギストン説を打破し真の燃焼理論を確立。また水の蒸留について精密な秤量(ひょうりょう)を行い質量保存の法則を確立。ほかに水の組成を明らかにし,呼吸と燃焼とは同じ現象であることを実証し,有機元素分析法の基をひらき,化合物の命名法を体系化し,単体としての元素の概念を明らかにするなど近代化学の確立に大きく貢献した。フランス革命に際し,徴税請負人であったことを理由に断頭台上で処刑。」(平凡社百科事典マイペディアより引用)

◎ラヴォアジエさんと言えば、質量保存の法則と思えた記憶がある。フランス革命で処刑されていたとは。この頃の人は、科学者だけやっていたわけではなく、多才だったということの裏返しでもある。


いいなと思ったら応援しよう!