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1000日チャレンジ 958日目 「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(若い読者のための科学史)CHAPTER 38 Reading ‘the Book of Life’: The Human Genome Project

ゴールまで42日

★BMI:22.7

「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(Bynum, William著;Yale University Press;2012年)を原著で読み進める(全40章)

◎CHAPTER 38 Reading ‘the Book of Life’: The Human Genome Project
★主な内容
DNAの構造や遺伝の仕組みがわかって、人類は遺伝子の全容解明を目指すことになる。ヒトゲノム計画である。この計画のためには、効率的にDNA配列を解読する技術が必要であった。まず、解読のために必要なDNAを確保するためにクローン技術が開発され、その成果は1993年のクローン羊「ドリー」の誕生にも結び付いた。さらに、イギリスの分子生物学者、フレデリック・サンガー( 1918-2013)が開発した放射性標識や電気泳動法を使った技術の確立によって、配列解読の準備は整った。その後の、コンピューターの急速な発展もあり、ヒトゲノム計画(ヒトの全DNA配列を解読する計画)は2000年に概要版の発表にたどり着き、その3年後には完全版が発表された。このプロジェクトはアメリカ、イギリス、日本など国際的な協力の下で行われた。また、この政府主導のPJと並行して解読に乗り出したアメリカの起業家 クレイグ・ヴェンター( 1946―)のベンチャー企業との競争となったが、最終的には、解読された遺伝子情報の独占的な使用は認めず、一部の医薬品や診断薬の開発には特許が認められることとなった。もちろん、前ゲノム情報の解読で全ての病気が治ることにつながるわけではないが、今後の研究の進展によって、多くの患者を救う可能性がある。

★単語
fertilise
;受精させる、amid;~の真っただ中で、excitement;興奮させること、newsworthy;報道価値のある、exploited;搾取された、underneath;~の下に、roundworm;線虫、compromise;和解

★フレーズ
get rid of
;取り除く、media hype;マスコミの煽り(バカ騒ぎ)

※クレイグ・ヴェンター;「J.Craig Venter、生物学者、実業家、 J.クレイグ・ベンター研究所社長、元セレラ・ジェノミクス社長、1946年10月14日~
出生地;ユタ州ソルトレークシティ、本名;Venter,John Craig
学歴;カリフォルニア大学サンディエゴ校卒、学位;Ph.D.(カリフォルニア大学)、受賞;テイラー賞〔2001年〕
経歴米国海軍の衛生下士官として赴いたベトナム戦争を機に、生理学と薬学を学ぶ。米国国立衛生研究所(NIH)を経て、1998年遺伝情報サービス会社のセレラ・ジェノミクスを設立、社長に就任。2000年6月人間の全遺伝情報(ヒトゲノム)を解読し、約30億の遺伝暗号の正確な配列を完了したと発表、日米欧政府が進めている国際ヒトゲノム計画が、民間企業の手によって政府の終了目標よりも2年以上早く解読されたとして話題となる。同解読情報により、がんの診断・予防薬をはじめ個人の体質などに合わせた画期的な医薬品の開発が加速するとして注目を集める。同年米誌「タイム」により“今年の科学者”に選ばれた他、21世紀のバイオ産業の基盤を築いた功労者とも言われる。2002年1月退任し、同社の科学諮問委員会委員長となる。2004年よりJ.クレイグ・ベンター研究所社長。2010年研究チームで新細胞の“人工細菌”を作製したと発表。2001年初来日。」(日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」より引用)

◎ここ数十年の分子生物学の発展はすさばじいものがある。今回のパンデミックも10年前だったら、ワクチン開発にさらに数年を要し、犠牲者は拡がり、世界経済ももっとひどいことになっていたと思う。


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