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1000日チャレンジ 944日目 「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(若い読者のための科学史)CHAPTER 27 Coughs, Sneezes and Diseases

ゴールまで56日

★BMI:22.6

「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(Bynum, William著;Yale University Press;2012年)を原著で読み進める(全40章)

◎CHAPTER 27 Coughs, Sneezes and Diseases
★主な内容
近代にいたるまで、外界の生物が病気の原因になるとは誰も考えなかった。それ(細菌説)を唱えた最も重要な人物は、ルイ・パスツール(1822~1895)である。彼は当初食品(チーズなど)における微生物の役割について研究しており、低温殺菌法を考えたのも彼だった。ヨーロッパで流行した腺ペスト、天然痘、チフス、猩紅熱などの感染の広がりについて、2つの説があった。1つは人から人への伝染によるもので、これが原因であれば患者の「隔離」が有効であると思われた。もう一つは、「瘴気(ミアズマ)」つまり、空気を介して感染するという説で、これが原因であれば、隔離は有効ではなく、空気の入れ替えが必要になる。19世紀にコレラが蔓延した際、ロンドンの医師、ジョン・スノウ(1813-1858)は、ロンドンにおける患者発生地域の分布から、水道を通じてコレラの感染が拡大していることに気が付いた。患者の嘔吐物などで上水道が汚染されていたのである。しかし、彼はその水道の中に何があってコレラになるのかまではわからなかった。
1796年、イギリス開業医エドワード・ジェンナー(1749-1823)は天然痘の予防法を発見する。彼は天然痘とよく似た症状の牛痘を接種することで、天然痘にかからなくなる「種痘」(vaccination)という方法を編み出したのである。パスツールは「炭疽」においても同様の方法ができないか考えたが、天然痘における牛痘のようなものは、炭疽には存在していなかった。そこで、炭疽の毒性を弱める方法を試し、弱毒化した炭疽を接種することで炭疽を予防できることを発見する。彼は、この方法をワクチン(vaccine)と名付けた。パスツールは狂犬病のワクチンの開発にも成功した。
ドイツ のローベルト・コッホ(1843-1810)は、最近を寒天培地上で培養し染料で染色するなどの細菌学の基礎となる実験方法を作りだした。コッホは結核が人から人への感染する伝染病であることを発見した。コッホは次にコレラに挑んだ。彼は感染地域の水からコレラ菌を発見し、細菌説が正しいことを証明した。
イギリスの外科医ジョゼフ・リスター(1827-1912)は細菌研究からヒントを得て、手術器具をフェノールで処理することで「無菌手術」を可能にした。さらに彼は高温で器具を殺菌する(オートクレーヴ法)も発明している。

★単語
runny;
鼻水が出る、notion;概念、humour;体液、pasteurisation;低温殺菌、onward;前方へ、smallpox;天然痘、typhus;チフス、scarlet fever;猩紅熱、miasma;瘴気、vegetation;植物の生育、sewage;汚水、silkworm;カイコ、dutifully;律儀に、anthrax;炭疽、cowpox;牛痘、rabies;狂犬病、diarrhoea;下痢、surgeon;外科医、disprove;反証する、anaesthesia;麻酔

★フレーズ
body cavity
;体空

エドワード・ジェンナー;(Edward Jenner)「[1749~1823]英国の医師。痘瘡とうそう(天然痘)を研究、牛痘接種法(種痘法)を発見。著「牛痘として知られている痘苗の効果について」(小学館デジタル大辞泉より引用)

感染症との闘いについてのお話はとても興味深い。疫学的な調査としっかり計画された実験によって、目に見えない病原体をつきとめ、その性質を利用した予防法を見出した先人たちへの敬意の気持ちは、コロナを経験したいま、改めて感じる。


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