1000日チャレンジ 384日目 美術で英語を学ぶ『Great Paintings Explained』(Christopher P Jones)(10)"Proserpine"(Dante Gabriel Rossetti)
ゴールまで616日
★BMI:24.3
★『Great Paintings Explained: Learn to read paintings through some of art's most famous works (Looking at Art)』(Christopher P Jones著;Thinksheet;2021)を読んで英語と美術のお勉強をしていく。この本は、美術史家であり小説家でもあるChristopher P Jonesさんの美術の見方入門的なシリーズの第2弾。先日まで読んでいた『How to Read Paintings』の続編で、コンセプトは同様。こちらも未だ日本語翻訳版はでていない。1枚の絵を題材として何を読み解いていくのか?どう説明するのか?というテーマで15枚の名画について記されている。今度も1日1枚のペースで英文を読みながら、名画の鑑賞も楽しんでいきたい。著作権に配慮しつつ、勉強のメモを残していく。
(10)『プロセルピナ』;19世紀イギリスの画家 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(Dante Gabriel Rossetti 、1828 - 1882)が、1882年に描いた作品。
この絵の主人公プロセルピナは、元はギリシア神話の農業の神だが、ローマ神話にも受け容れられている。冥界の王プルート(ハデス)に連れ去れプルートの嫁にされてしまう。プロセルピナは冥界でザクロの実を食べてしまったことで、完全に地上に戻ることはできず、父親のゼウスとプルートとの話し合いで6か月は冥界に住むことになった。その期間、地上は冬になったという話。この絵は、そのザクロを食べた後のシーンを描いている。Christopher P Jonesは、プロセルピナの表情が、単に悲劇の悲しさや嘆きではなく、深い後悔の表情を描いているのではないかと指摘している。ロセッティはこの絵のモデルで友人のウイリアム・モリスの妻であるジェーンと不倫関係にあり、モリスとジェーンをプルートとプロセルピナを重ね合わせた絵であるとの見方も著者は示唆している。
ロセッティは私の大好きな画家の一人。国立西洋美術館に収蔵されている彼の絵「愛の杯」もこの絵と同じモデル(ジェーン・モリス)。彼女は実際に頬骨が張っていて、男性のような骨格や手をしていたようだが、そのことがロセッティの描く女性にギリシャ彫刻のような印象を強くさせているように思う。この絵のプロセルピナの表情は、一筋縄ではいかない複雑な心の内を写しているように思う。
★pomegranate;ザクロ、awkward;不器用な、forbidden;禁断の、fateful;運命を決める、persistent;持続的な、undulate;うねる、abundance;豊富、decade;十年、fulsome;不快な、declare;宣言する、tragic;悲劇的、fascination;魅力