ala Collection シリーズ vol.15『いびしない愛』(吉祥寺シアター劇場)観劇記録
◎ ala Collection シリーズ vol.15『いびしない愛』
【公演日】2024.10/27(日) 14:00
【会場】吉祥寺シアター 劇場
【作】竹田モモコ
【演出】マキノノゾ
【出演】南沢奈央 東風万智子 佐藤祐基 内藤裕志 長江英和
(以下、公式web siteより引用)
「経営が厳しい節(ふし)工場。加えてコロナ禍でいよいよ存続も危ない。
もはや手詰まり状態の経営者・喜美子。
その姉・しおりは左腕が不自由だが、快活で目立つ存在。
長年そんな姉と比べられてきた喜美子は素直に姉に助けを求められない。
そんな折、喜美子は工場に空き巣に入った男・諌山(いさやま)と出くわす。
そこから姉妹、空き巣の男、従業員たちを巻き込んで、閉塞感漂う工場内に、不協和音が鳴り響く…
高知県西部の幡多弁によって描かれる、工場に関わる人々の、
いびしない(汚れた)愛と可笑しさに満ちた傑作戯曲。
言い知れぬ苦悩、それでも人は人と向き合うことで、安らぎを手にしていく。
生きることの愛おしさを伝える作品に、実力派のキャスト・スタッフで挑みます。」
★どの家庭にでもありそうな姉妹の秘められた葛藤が、コロナ禍で世の中の流れがいったん止まり、また動き出すときに、ぞれまで封印していた(できていた)のに、抑えきれなくなり、外来者の出現をきっかけに、溢れ出す。空き巣に入った男・諌山(佐藤祐基)がこの家族の話に巻き込まれていく時の心の動きがとても巧みに演じられていて、工場の一室だけで繰り広げられる話に、奥行きをつけてくれていたように思う。従業員の吉田喜八郎(ヨロ)(長江英和)の存在も、物理的な存在感も含めて、とても大事な役割をしている。1時間半のお芝居だが、観終わった後に小さく「ヨシッ」と呟いて、自分も前に進められそうな、そんなお芝居だった。ありがとう。