1000日チャレンジ 239日目 世界史の偉人(48)Eli Whitney
ゴールまで761日
★BMI:24.0
★『シンプルな英語で話す 西洋の天才たち―Western Genius』(ジェームス・M・バーダマン (著), 硲 允 (翻訳), 千田 智美 (翻訳);ジャパンタイムズ;2016年)。
48.Eli Whitney(イーライ・ホイットニー)18-19世紀アメリカの発明家。1780年代になると米国では徐々に奴隷制度が縮小され、一部の北部の州では法律で禁じられるところまであった。この状況を一変させたのが、ホイットニーによる1793年の綿繰り機の発明であった。当時のプランテーションの課題は生産性の向上であり、とくに綿から繊維を紡ぐ際に、綿花の種が繊維に絡まることが問題だった。1個の種をはずずのに奴隷が1人で1日かかる作業だった。ホイットニーの綿繰り機を水車に接続すれば、何百人分もの仕事をこなすことができた。これにより、多くの新しい農園主がミシシッピ川沿いで綿産業に携わることになり、逆に奴隷の需要が拡大していった。当時、大西洋側のプランテーションでは奴隷を必要としなくなってきていたが、そこから奴隷たちはミシシッピ川沿いの新たなプランテーションに売られていくことになった。ホイットニーの発明がなければ、奴隷制度は早くなくなっていたかもしれないし、南北戦争もなかっかもしれない。
slavery;奴隷制(the state of being a slave)、cotton gin;綿繰り機(a machine for separating the seeds of a cotton plant from the cotton)、altered;変えられた(to become different; to make someone or something different)、per acre;1エーカーあたり、invention;発明(a thing or an idea that has been invented)、anticipate;予測された(to expect something)、explosion;急増(the sudden violent bursting and loud noise of something such as a bomb exploding; the act of deliberately causing something to explode)、race relations;人種間関係(the relationships between people of different races who live in the same community)
◎またまた、知らない人が登場してしまった。しかし、なんとも皮肉な話だ。本来なら工場の効率化で奴隷が解放されるという話のはずが、産業が急拡大したことにより、逆に奴隷の需要が高まったと。『南部の綿花の生産高は1790年に約710トンであったが、1800年までに一挙に約1万6千トンと20倍以上になり、1810年には4万トンに達した。その結果、共和政の樹立という政治的な目標とは裏腹に、アメリカの黒人奴隷制はむしろ強化された。奴隷の数は1790年に70万弱だったのが、1800年に89万人に増え、1810年には119万人に達した。(五十嵐武士『世界の歴史』21(中公文庫)p.192より引用)』
◎経営学の観点では、保険料などの固定費を含む総原価計算による経営効率化という今日につながる考え方は、ホイットニーが自分の経営する機械工場や武器工場において、政府に対して行ったことが始まりであるとされている。