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#2 遠ざけすぎるとだめになる|家庭菜園とSNSのブロック機能

「スナックテレカン」は、北海道と京都に住むミニマム経営者の宿木雪樹(@yuki_yadorigi)と瀬良万葉(@seramayo)が、業務終わりにお酒を飲みながらZoomでしゃべるだけの番組です。

「どんなこと話してるの?」という方に向けて、このnoteでは、Podcastの内容の一部をテキストにまとめています。第2回は「遠ざけすぎるとだめになる」という話。一部抜粋なので、おもしろそうと思ったら、ぜひPodcastで聴いてもらえるとうれしいです!

宿木雪樹の家庭菜園

宿木:最近、畑作りと花を育てることがすごく楽しいんですよ。私は田舎の一軒家に住んでいて土地だけは広いので、それを有効活用したいなと思って畑づくりを始めたんです。最初の土づくりは大変でしたが、知り合いが耕運機を借りてきて土を起こすところからサポートしてくれたり、周りの友人が助けてくれたりして、ようやく今年ちゃんと畑っぽくなったんです。

瀬良:いいなあ。すばらしいですね!

宿木:ちょこちょこ収穫した野菜を自分で食べているんですが、採れたての野菜って本当においしくて、感動するんです。

宿木:それで、サポートしてくれた友人たちにもその野菜をおすそ分けしたいなって思って、「畑から好きに採っていっていいよ」と伝えたですが、「それはさすがに申し訳ない」と言われて…。

瀬良:たしかに、勝手に持っていくのはハードル高いかも。

宿木: それで、LINEグループを作ったんです。このLINEグループにいる人は野菜を採っていっていい人で、募金箱みたいなものを家の外に配置して、「お気持ち料金」を入れていくシステムにしました。それで、そのLINEグループには「いちごが大きくなりました」「今年初めてのトマトが実りました!」みたいな投稿をちょこちょこしているんです。

瀬良:めっちゃ素敵! 良すぎる。それって、畑づくりに関わった人たちにとってもうれしいですよね。

宿木:そうそう、みんな「わー、実ってるね!」って、自分のことみたいに嬉しそうに返信をくれます。私、何か悩みを抱えてる方は、鉢植え1つでもハーブ1種類でもいいから、植物を育てるといいと思っているんです。
瀬良さんは、何か植物を育てていますか?

瀬良:私はローズマリーの鉢を育てています。以前、実家で育てたローズマリーの枝を1本もらって帰って、それを挿し木したら結構大きくなって。
あと、私の名前は万葉集の万葉と書いて「まよ」と読むんですが、数年前に友達が「万葉」っていう薔薇を贈ってくれたので、それを育てています。

宿木:えっ、すごくいいじゃないですか。素敵! 育てている植物が大きくなったなって感じる瞬間って、よくないですか?

瀬良:よいです。刻々と変わっていることがわかるし、ちょっとでも世話をサボるとそれが現れるって思ってます。

宿木:ほんとそう。何もしないと部屋が荒れるのと一緒で、植物も放置するとしんなりしてしまいますよね。

瀬良:うん、でもその一方で、植物には力強さもあるじゃないですか。全面的にこっちに依存してないっていうか。そのバランスがいいなと思います。

宿木:よくわかります。植物ってすごく自立心が高いところがいいなって。一回枯れてしまっても、一生懸命に新しい芽を出そうとするとか。

瀬良:そうそう。そういうところがすごくいいなって思います。

Manyo(Floribunda Roses)

瀬良:あと、植物を育てていたら、虫にも遭遇するじゃないですか。それを見るとね、忘れていることを思い出すんです。鉢植えを育てているだけで、普段、いわゆる都市生活では出あわないといけないものに出あえてないことがたくさんあるんだなって、その片鱗を見せてもらえる気がします。

宿木:同じく家庭菜園にはまってる仕事先の方が、「植物を育てていると、別の小さな世界を作っている気がする」と言っていて、それが強く印象に残っています。その楽しさ、めっちゃわかるな……って。

さきほど瀬良さんが虫の話をしていましたが、私が玄関先に植えているお花にも当然のように虫は来ます。そのお花は一年草なので、タネをつくって増えるわけですが、ネットで調べると、綿棒を使って人工授粉しないとタネができないって書いてあるんです。私は面倒くさくてやらなかったのですが、いつの間にか勝手にタネができていました。

瀬良:えー、なんでですか。

宿木:虫が花粉を運んでくれたんですよ。私ちょっと感動しちゃって……。

瀬良:すごい。でも、(自然界では)本来そうなんですよね。

宿木:そうそう。本来はそうやって虫がやってきて、お花の蜜を吸うから、花粉が運ばれてタネができるわけで、人間が手を出さなくても彼らの世界は回っていくんだなって。

瀬良:育てている植物に虫がいるのを見たときは「ああ、虫いるな…」ってちょっと憂鬱な気持ちにはなるんですが、必要なことなんですよね。

X(旧Twitter)を見ていて思うんですが、Xにはブロック機能があるじゃないですか。やろうと思えば、気に入らない人を寄せ付けないようにできる時代だと思うんですよ。でも、それだけだとだめになっていくなって。

そりゃあ、価値観が合う人といた方が楽しいけれど、たまには無理かもって思う人の存在を近くに置かないと、自分がだめになるなって思ったんです。

宿木:すごく共感するし、すごくいい話なんだけど、ちょっとだけ突っ込むと、瀬良さんにとってその人たちは虫ってこと……?

瀬良: あっ、そういう意味じゃないです。むしろ、その人たちにとっては、たぶん私のほうが虫けらに見えるんだろうし。それ自体はもうしょうがないじゃないですか。もしかしたら、虫だって私たち人間のことを馬鹿にしているのかもしれないし。

宿木:それは私も思ったことあります。

瀬良:虫を見ていると「お互いさま」だって思うんですよね。でも、実生活において、うまいこと遠ざけないといけないシーンもあるじゃないですか。その感じが、人間とやるの難しいなって思うときがあります。

宿木:永遠の課題ですよね。自分と相容れない人をどこまで許容するか、どこで線引きするか。

瀬良:そうなんですよね。前にワイン造りについて勉強していたことがあるんですが、ブドウ畑に農薬を使いすぎると、畑がだめになってしまうらしいんです。今、その揺り戻しが来ていて、生物多様性が大事だっていう話になってきているわけで、それって人間も一緒だなって思うんですよね。

宿木:人間に当てはめると、気に入らない人を寄せ付けないようにできる時代だから、「自分に合う人たちを選んでストレスのない人間関係を築こう」の極みみたいな状態ですよね。まだ揺り戻しは起こっていないっていう。

瀬良:たしかに。虫を見つけると、そういうことを考えます。絶対に必要な存在なんだけど、排除したいときもある。

宿木:うん。私も数年前まではブロック機能をしょっちゅう使ってましたが、最近はやめました。あんまりよくないなと思って。

よくないなっていうのは、さっき瀬良さんが話してくれたように自分自身の視野がすごく狭くなってしまいそうというのもあるし、あと、自分が正しくないかもって思うきっかけが少なくなる気がして。

瀬良:難しいな……。

全編はPodcastにて

今回のエピソードは「#2 遠ざけすぎるとだめになる」からの抜粋です。実際のPodcastでは、ここに書いた話から深掘りしてSNSでの人間関係、居酒屋やバーについての話もしているので、ぜひ続きを聴いてみてください。

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